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雪山飛孤(せつざんひこ)
第1週(1章)
明朝末期に反乱を起こした闖王・李自成の護衛であった、『胡・苗・范・田』の四家には深い因縁があり、
胡家は100年近い間、残りの三家と戦ってきた。
田家の子孫である田帰農は、現在の皇帝・乾隆帝から3つの密命を受ける。
ひとつは胡家の子孫・胡一刀を討つこと。
一つは田帰農の義兄弟でもある苗家の子孫・苗人鳳も討つ事。
そして、闖王・李自成が隠したといわれる財宝を探し出すことだった。
田帰農は策略を巡らし、范家の子孫・范長風の弟・范長江を襲った。
「胡一刀にやられた」という田帰農の嘘を信じ、苗人鳳は胡一刀に、長白山での対決を申し込む。
出産間近の夫人と共に長白山に向かう胡一刀。道中で地元の用心棒に殴られていた平阿四を助ける。
平阿四は果し合いの待ち合わせ場所である宿の釜炊きだった。
第2週
胡一刀と苗人鳳の勝負は未だに決着がつかない。
その一方で互いへの信頼は戦うごとに増していった。
苗人鳳は唯一の心残りとして、自分が胡一刀に倒され死んだら弟一家の仇である商剣鳴を討って欲しいと願う。胡一刀もまた、自分が苗人鳳に倒されたら、生まれたばかりの息子・胡斐を育てて欲しいと願った。
二人は共に快諾し、更に胡一刀が夜を徹して商剣鳴の首を取ってきたことで、二人の間に確かな絆が生まれていた。
当てが外れた田帰農は二人まとめて始末しようと策を講じた。二人の武器に猛毒を塗りこんだのだ。
勝敗は決まったが、その猛毒によって胡一刀は命を落としてしまう。
それから10年後。
平阿四に育てられた胡斐は、遺された秘伝書である胡家刀法を学び、修行に励んでいた。
第3週
苗人鳳は妻となった南蘭と共に苗家に戻る。苗家は代々質素な農業を生業としていたが、役人の家に育った南蘭は贅沢放題であった。やがて娘の若蘭が生まれる。
それから数年、夫婦の間に亀裂が入り始めていた。南蘭は相変わらず贅沢でわがままな暮らしをし、苗人鳳の武芸にも理解を示さない。
田帰農は、残された密書を入手し秘密を解読するため、鉄花会の一味にやられたと称し、苗家に助けを求めた。 同じ武芸者でありながらも、金持ちで教養もある田帰農に南蘭は興味を示す。田帰農は苗夫婦の不和を利用しようと企んだ。
ある夜、苗家に火矢が飛んできて火災が起きた。燃える家の中から苗人鳳は胡一刀の位牌を持って出た。逃げ遅れた形になった南蘭と若蘭は田帰農によって助け出された。夫婦の溝はさらに深まり、ついには南蘭は田帰農と駆け落ちしてしまった。
第4週
胡一刀の墓前で鉄花会の使い手たちに囲まれた苗人鳳だったが、捕らえられた陶百歳の白状によって田帰農の企みは失敗に終わった。鉄花会の義侠心に感心した苗人鳳は彼らとよしみを結ぶ。
大雪の中、馬車が立ち往生してしまった田帰農と南蘭は、偶然通りがかった飛馬[金票]局の馬行空らに助けられる。馬行空は2人を近くの知人である商家堡の屋敷へ案内する。
商家堡のかつての主は、苗人鳳の代わりに仇討ちに来た胡一刀に殺された商剣鳴だった。妻の商夫人は胡一刀の死をいまだ知らず、仇討ちのために秘密の部屋を作り、息子の商宝震を厳しく鍛えていた。
屋敷での会話の中に苗人鳳の名前が出て、南蘭は動揺する。それに気づいた商夫人は田帰農らを怪しみ引きとめようとする。そこに苗人鳳と若蘭もやってきた。さらに平阿四・胡斐、盗賊の首領となっていた閻基までもやってきた…
第5週
鉄花会の元へ身を寄せた胡斐は、様々な使い手たちから武芸を授けられ、腕を上げていた。やがて、その素質を見込まれた胡斐は鉄花会の主・陳家洛の意向で天山に住む袁士霄に弟子入りすることになった。
それから月日がたち、陳家洛と徐天宏が袁士霄の元を訪ねると、そこには見違えるように成長し、さらに腕を上げた胡斐の姿があった。師匠に下山を許された胡斐は陳家洛の命で仏山の町に向かうことになった。
仏山で食事のために立ち寄った「英雄楼」で、その酒楼の持ち主で町の顔役・鳳天南が土地欲しさに鐘一家に無実の罪を着せて子供を死にやったという話を聞いて怒りを募らせる。
義侠心から鐘家の恨みを晴らすことを決めた胡斐は鳳天南をおびき出すため、鳳天南の質屋と賭場を荒らす。しかし本人はやってこず、代わりに息子の鳳一鳴がやってきた。
第6週
街で出会った謎の女性・袁紫衣は鉄火会の幹部を名乗り、30の掌門の令牌を集めているという。袁紫衣に翻弄され続ける胡斐。
その頃、田帰農は福康安に掌門人大会への協力を約束させる。朝廷はこの大会で武林の者達を集め、朝廷の意に反する人物を粛清しようとしているのだった。
袁紫衣の行動が気になる胡斐がこっそり後をつけると、2人の男が暗器で不意打ちするところを目撃する。男たちは掌門人大会の開催を妨害する者を捕らえろと命令されていたのだ。
暗器の毒で危機に陥った袁紫衣は胡斐の協力で辛うじて何を逃れるが、そのまま毒で倒れてしまう。2人の男から、朝廷の陰謀を聞き出した胡斐は、袁紫衣に協力を申し出る。袁紫衣は一週間でどちらが多く各門派から掌門の証である令牌を奪えるか勝負を挑む。そして、負けたら勝ったほうの願いを3つかなえることを約束するのだった。
第7週
袁紫衣と離れ傷心の胡斐は、占いに立ち寄った寺の帰りに南蘭を見かける。田帰農が随伴していないことを確かめた胡斐は、南蘭が苗人鳳に宛てた手紙を預かる。心中複雑ながらも、義に則り苗人鳳の家を目指す。
その途中、ある少女に出会った胡斐は、彼女に翻弄されながらも面倒を見ることにする。彼女の嘘を真に受けた胡斐は、探しにきた苗人鳳と戦うことになる。
苗人鳳の腕や義侠心に感服した胡斐だが、親の敵である疑いを拭い去れず、手紙だけ渡して一度はその場を去った。
一方、受け取った苗人鳳は音沙汰無しだった南蘭からの手紙を前に読むべきかどうか思いあぐねていた。手紙の主が母だと気づいた苗若蘭は、何とか手紙を読もうと考えていた。
一人になった胡斐は、天龍門の門弟から、苗人鳳に渡した手紙に毒が仕込んであったことを聞き出し、急いで苗人鳳の家に戻るが…。
第八週
胡斐と苗若蘭を助けた程霊素に胡斐は本名や薬王谷に来た目的を正直に打ち明けた。
翌朝、程霊素に毒消しの交換条件として約束した家事をやるよう命じる。かなりの重労働なので嫌がる苗若蘭だったが渋々従いはじめる。
すると、次第に毒が抜けていく若蘭。実は、この毒は汗をかくことで解毒を促すものであった。すっかり解毒を終えた若蘭をみて、程霊素が毒手薬王を知っているのではないかと感じる。
その時、先日胡斐を襲った小鉄が弟弟子を連れて花畑にやってきた。花を荒らす小鉄。しかし、その青い花には毒があった。小鉄の師匠である薛萼は毒消しを手に入れるため程霊素を呼び出す。
同行することにした胡斐は程霊素から3つの条件を守るように言われるが、薛萼に襲われた程霊素を守るため、約束を破ってしまう。
程霊素は怒ったが、胡斐の親切心を悟り喜ぶ。
帰り道、程霊素は胡斐に師匠と薛萼の話をする。師匠は毒を使って人助けをしていたが、毒手薬王の名が一人歩きしてしまったのだという。そして、薛萼は鉄花会の文泰来にかなわぬ恋をしたことが悪の道に進んでしまった原因だった。
第9週
苗人鳳は、田帰農が放った刺客の無相人と北斗七星に囲まれるが、間一髪胡斐の助けを得て窮地を脱する。その際、苗人鳳が使った胡家刀法に疑念を抱く。そして胡斐も胡家刀法の腕を披露することになった。
苗人鳳は胡斐に胡一刀との関係を尋ねるが、胡斐はなんとか誤魔化す。胡斐は知れば知るほど悪人には思えない苗人鳳が、本当に親の仇なのか悩み始める。
田帰農は、苗人鳳をおびき寄せるため、かつて苗人鳳の妻だった南蘭が病気で死んだという情報を各地に流す。
知らせを聞いた苗人鳳は嘆き悲しみ線香をあげに行こうとするが、罠に違いないと止められ思いとどまる。
しかし、母親に会いたいと願う若蘭は一人屋敷を抜け出し、天龍門へ向かってしまう。胡斐と程霊素は急いで若蘭に追いつくが、その後に田帰農の策略で人質にされてしまった。
その頃、清国朝廷では、天下掌門人大会の準備が着々と進んでいた。そしてそれを妨害するべく袁紫衣も令牌集めを続けていた…。
第10週
曾鉄鴎の策略によって福康安に捕らえられてしまった袁紫衣。福康安は美しく強い袁紫衣に魅かれ、朝廷への協力を要請するが拒否されたため、自分の屋敷の牢に閉じ込める。
この話を聞いた乾隆帝は、袁紫衣が宿敵・鉄花会の手先ではないかと疑った。
福康安の自宅では、第二夫人としてかつて商家で福康安に見初められた馬春花がいた。漢民族と満州族の風習の違いで子供から引き離されていた馬春花は、正妻に子供をかえして欲しいと訴えるが、江湖出身の馬春花を蔑んでいる正妻の海蘭は言いがかりをつけて彼女を牢に入れてしまった。
その頃、苗人鳳の目は程霊素の治療によって完治した。胡斐は苗人鳳が本当に父親の仇なのか確かめようと質問を浴びせる。胡斐の問いに何かを感じ取った苗人鳳は、胡一刀の死の真相を伝えた。
改めて両親の死の真相を知った胡斐は、刀に毒を塗った真犯人を探し出すことを決意し、掌門人大会へ向う…。
第11週
一度は福康安の屋敷から逃げ出したものの、鳳天南の策略で再度捕らえられた袁紫衣を救い出す際に桃花霧の毒を浴びてしまった胡斐。
激情に狂うその毒の特性を知る程霊素は、自らの純潔を胡斐に捧げた。事の成り行きを知った袁紫衣は、道義上程霊素を見捨てることができない胡斐の心情を組み、立ち去るしかなかった。
その頃、福家では袁紫衣に夢中で冷たい態度の福康安に、馬春花が胸を痛めていた。業を煮やす福康安の元に、田帰農が協力者として新たな《毒手薬王》を名乗る薛萼を連れてくる。
薛萼こそ、かつて胡一刀を殺した毒を朝廷に渡した張本人であった。
胡斐とともに掌門人大会へ向かう程霊素は、言葉とは裏腹に一向に自分を妻として扱わない胡斐に苛立ちを感じていた。何かにつけ試すような言動を取る程霊素の真意に胡斐は気がつくが、はぐらかすことしかできない。そんな中、馬春花と街で再会する。
馬春花は、福夫人・海蘭が医者を抱きこみ、子供が天然痘の病と偽っていることを知り、息子の命を救おうと夫人の元へ乗り込んだが、誤って福夫人を殺害してしまった。
お咎めを恐れ、馬春花は福の屋敷から逃げ出す…。
第12週
息子を救うため、薛萼の毒を引き出す「薬引」を胡斐に飲ませた馬春花。毒に苦しむ胡斐を救う手立てを必死に考えた程霊素は、師匠の元で毒を口にする修行をした自分の血こそが解毒剤になることを思い出す。そして、この毒を用いた人物に姉弟子の薛萼がいることを確信するのだった。
程霊素は牛の血管を使って自分の血を胡斐に与え、胡斐の毒は消え去った。
それを知った田帰農と薛萼は春花を呼び出し、指示に従わなければ息子を殺すと脅す。やむを得ず春花は指示通りに再び胡斐に罠を仕掛けようとするが、寸前になって胡斐をかばい怪我をする。そして、自分が「薬引」を飲ませたことを白状した。
事情を知った胡斐は、子供の命が助かるならと、秘伝書を惜しげもなく差し出す。馬春花は田帰農と落ち合い子供と秘伝書を交換しようとするが、これは田帰農が胡斐をおびき寄せる罠だった。
子供の命と引き換えに、胡斐を殺そうとする田帰農。危機一髪のところで、文泰来ら鉄花会の手練れ達が現れた。鉄花会の策で田帰農らから子供と秘伝書を奪い返すことに成功したが、このときの戦いで馬春花は深手を追って命は風前の灯火だった…。
第13週
朝廷の主催による、天下掌門人大会が始まる。朝廷の企てを感じ取ったいくつかの正当な門派は棄権してこの場を去った。残りの門派で大会が行われるが、胡斐はその中に鳳天南が覆面を被って参加していることに気づき疑念を持つ。
さらに福康安はこの大会で相手を負傷させたり死亡させたものについて一切の罪を問わないとし、大会は不穏な雰囲気に包まれる。
最初の試合で勝利した満州人の海蘭弼は、武林に対し侮辱する発言を繰り返す。そこに袁紫衣が現れ戦いを挑んだ。だが、海蘭弼は、どんな攻撃を仕掛けてもすべて跳ね返してしまう肉体を持っていた。
戦いが続く中、苗人鳳が現れる。田帰農は苗人鳳を恐れ逃げ出し、さらに鉄花会も現れて大会は大乱闘になり中止となった。
袁紫衣と再開して心揺れる胡斐。しかし、袁紫衣は未練を断ち切るために、師匠の百暁神尼に出家を願い出ていた。そして程霊素もまた、胡斐が玉胡蝶を持っていることを知り、身を引いて薬王谷へ帰ると告げた。
袁紫衣の出家を止めようと一人尼寺に向かう胡斐。袁紫衣は会おうともせず、変わりに応対した百暁神尼によって追い返されてしまう。
その頃、胡斐の部屋では程霊素が薛萼によってさらわれていた。部屋に戻った胡斐は薛萼からの置手紙を見つける。そこに胡斐との関係をはっきりさせようと袁紫衣がやってきた。
第14週
程霊素に命を貰った袁紫衣。毒消しに使った七心海棠の実で完全に解毒するためには7年後にもう一粒、実を飲まなければならない。紫衣は霊素への良心の呵責と胡斐への愛に揺れながらも7年間の別れを決意。程霊素の遺した七心海棠の実の種を胡斐に託した。
袁紫衣と別れた胡斐は、七心海棠の種を育てるために雪山へ向かう。その途中、立ち寄った飯屋で偶然、育ての親である平阿四と再会する。感涙にむせぶ二人。
昔話に花が咲く二人だったが、仇討ちのためより女のために花を育てることを優先するという胡斐を厳しく叱る。胡斐は今の腕前では苗人鳳に勝てない、七心海棠を育てる間の7年間修行したいと言い、阿四を納得させた。
雪山に2粒の種のうち1粒を植えた胡斐。残りの1粒は風に飛ばされ崖の下に落ちてしまった。植えた種は発芽しなかったが、崖下に落ちた種が雪に埋もれた酒瓶のおかげで発芽していた。そこは財宝の眠る洞窟の前だった。
そして7年の月日が経った。胡斐は雪山飛狐と呼ばれる英雄に育ち、貧しい民を助け役人と戦っていた。
その頃、苗家では美しく育った苗人鳳の娘・若蘭の婿探しをしていた。だがお転婆な若蘭はその気は全くない。かつて平斐と名乗っていた胡斐が忘れられずにいた。
朝廷では、乾隆帝が7年の間に鉄花会などに対して有効な結果を出せない福康安に業を煮やし、田帰農に責務を分担させていた。次第に強い立場となる田帰農に心中穏やかではない福康安。
福康安と田帰農は、共に牽制しあいながら軍用金の護送任務にあたっていたが、雪山飛狐にまんまと銀子を盗まれてしまう…。
第15週
田帰農は福康安に、雪山飛狐の名を借りて28年前の関係者を長白山の玉筆峰に集める計画を話した。賛同し、福康安は山の麓を包囲する役を担う。だが、田帰農の力に脅威を抱いている福康安は劉元鶴を田帰農に同行させ、あわよくば密かに田を葬ろうと画策していた。
鉄花会を訪れた袁紫衣は、胡斐が玉筆峰で七心海棠を育てていたこと、そして田帰農の罠によって、28年前の関係者が集まりつつあることを知り、袁紫衣も玉筆峰へ向かう。
その頃、苗家では若蘭が、苗人鳳の留守中に届いたニセの雪山飛狐からの招待状を読みこっそり屋敷を抜け出す。屋敷に戻った苗人鳳は娘の家出に驚くが、部屋にあったニセの招待状を読み7年前の約束を果たすべく胡斐が戦いを挑んできたと勘違いする。
また、今は和尚となり、宝樹と名を変えた閻基も招待状に書かれた財宝に目がくらみ、玉筆峰へ向かった。
若蘭は玉筆峰の麓にたどり着いた。宿の主人をしていた平阿四には簡単に男装を見破られる。そしてそこに田帰農や閻基、陶百歳ら、28年前の関係者が続々と到着した。
平阿四の案内で頂上を目指す一行。ようやくたどり着いた一行は、この険しい山の頂に豪華な屋敷があるのに驚く。
屋敷で主を待つ一行。しかし、雪山飛狐はなかなか現れない…
第16週
玉筆山荘の広間に閉じ込められた田帰農、陶百歳、閻基、劉元鶴の4人は、胡斐の仇討ちに力を貸すといって平阿四を騙し、脱出を図る。
その頃、胡斐は袁紫衣と7年ぶりの再会を喜んでいた。紫衣の毒を完全に消すことができる七心海棠も、ついに実の収穫を明日に控えてるのだ。
しかし、苗若蘭が誤って水をやって枯らしてしまう。胡斐は激怒し若蘭をぶつが、紫衣は知らずにやったことだからと若蘭をかばう。胡斐は若蘭を下山させ、あと半日の命となってしまった紫衣と夫婦の誓いを立てた。袁紫衣はかつての約束を持ち出して、最後の願いを伝えて逝った。慟哭する胡斐。
山荘から脱出を図る田帰農たち。企みを見抜いていた平阿四は、4人を同士討ちさせようとしていた。田帰農は阿四を人質に捕り、胡家の秘伝書を渡せと胡斐に迫る…。
山を降りた苗若蘭は宿屋で悲しみに泣いていた。それに目をつけた2人連れの猟師に絡まれているのを、後から来た福康安に助けられる。若蘭に一目惚れした福康安は、彼女の素性に気づき近づくが、警戒されたため薬で眠らせて拉致してしまった…
第17週
因縁のつり橋にやってきた、胡斐と苗人鳳。武芸を磨いた胡斐は苗人鳳と互角に戦っていた。討たれる覚悟を決めた苗人鳳がが、胡斐は様々な思いがよぎり、刀を振り下ろせない。
苗若蘭がやってきて二人を止めようとするが、その時つり橋が切れて苗若蘭が崖下に落ちてしまう。2人は若蘭を助けようと飛び降りるが間に合わない…。
鉄火会が玉筆峰のふもとに到着したとき、玉筆峰でなだれが起きた。胡斐を案ずる駱冰は宿の給仕から話を聞きだし、福康安の一行と苗人鳳が山荘に向かったことを知る。
苗若蘭を発見した福康安。そこに苗人鳳も現れる。しかし、苗人鳳は深手の内傷を負っており、福康安に捕まってしまった。そして、苗若蘭は落下したときの衝撃で記憶喪失になっていたのだった…。
そのころ、田帰農は洞窟の中で、老玩童こと周伯通の残した「左右互縛」の技を習得していた。そこに、福康安らと別行動を取った閻基とそれを怪しんだ劉元鶴が籠に乗ってやってくる。
第18週
苗親子を追って北京に着いた胡斐は、若蘭と福康安の婚礼を知り福康安の邸宅に乗り込む。しかし、記憶のない若蘭は、式に乱入し自分を連れ去ろうとする胡斐を恐怖のあまり刺してしまう。胡斐は思わぬ怪我を負ってしまったことで戦意を失い捕らえられてしまった。
婚礼を終えた若蘭。失った記憶と胡斐の関係が気になる若蘭は、密かに牢を訪れ自分の素性を聞く。しかし、にわかには信じられない若蘭は、福康安のもとへ戻ってしまう。
田帰農は乾隆帝に呼び出され、苗人鳳を餌に鉄花会をおびき出す相談を持ちかけられる。その時、福康安が苗人鳳の娘・若蘭を娶ったという話を聞いた乾隆帝は、福康安から官職を剥奪し、後任に田帰農を任じた。福康安はショックを受けるが、腹をくくって居直る。福康安の後釜についた田帰農は、福康安を呼びつけ優越感にひたっていた。
鉄花会によって助け出された胡斐であったが、若蘭を置いていくことはできず、福の屋敷に戻る。鉄花会は苗人鳳の救出に向かったが、そこには田帰農の罠が仕掛けられていた。
武芸が格段に上達した田帰農に、文泰来ら鉄花会も歯が立たない。高官を人質に捕り辛うじて屋敷から脱出した。
第19週
乾隆帝は、田帰農から苗人鳳を殺した報告を聞く。その態度に謀反の兆しを察知した乾隆帝は福康安に田帰農を暗殺するよう密かに命じた。
田帰農の武芸が突然上がったことに不審を思う福康安は策を講じて、田を妓楼に呼び出した。
その頃胡斐は、崖から自力で這い上がっていた。財宝の洞窟で劉元鶴と閻基の死体を見つけた胡斐は、田帰農が秘伝書に書かれた無敵の武芸「左右互縛」を身に着けたことを悟る。
福康安は妾となった苗若蘭を田帰農に近づけ密偵として利用しようとした。若蘭に出会った田帰農は亡き妻・南蘭の面影を感じ、若蘭に興味を示した。
ある夜、田帰農の部屋に若蘭が助けを求めてやってくる。若蘭は誤って福康安の正妻を刺してしまったのだという…。
最初は福康安の罠ではないかと怪しむ田帰農。しかし、苗人鳳と無塵同士の死体を奪うためにやって来た鉄花会と胡斐に対しても記憶のないフリをし屋敷に残った若蘭を密かに見た田帰農は、本当に記憶がないと納得した。
そして安心して心を許し、近いうちに自分が皇帝に取って代わるとまで打ち明けるのだった。
第20週
苗人鳳の亡骸を調べた胡斐たちは、残された傷跡から田帰農の武芸を知ることができた。また、苗家剣法の弱点が首の後ろに記されていた。
死体を奪われ乾隆帝の不興を買った田帰農は、胡一刀の墓を暴き、鉄花会が集まってきたところで一網打尽にする計画を立てる。そのため、5万人の軍勢を動かす許可を得る。しかしこれは、フビライの財宝を運ぶためであった。
福康安はそれを見抜き、財宝の場所を知るためにひとまず泳がせるよう、乾隆帝に進言した。その後、鉄花会を騙す芝居に使った王剣英を消そうとする。王剣英を救った鉄花会は、福康安の企みを聞き出した。
長白山へ出発する前夜、泥酔した田帰農は、若蘭を南蘭と錯覚し、苗人鳳を殺したことや財宝の話を打ち明けてしまう。
そのまま寝込んだ田帰農を殺そうとした若蘭だったが、胡斐に伝えるべきことがあると気づき思いとどまる。
胡斐は1人、長白山へ向かった田帰農を追う。それを知った陳家洛は他の面々に後を追わせ、自分は胡斐を救う為にある行動をとることにした。
そして胡一刀の命日。墓の前で胡斐と田帰農が対決する。そして5万の兵もやってきた…。
第1週(1章)
明朝末期に反乱を起こした闖王・李自成の護衛であった、『胡・苗・范・田』の四家には深い因縁があり、
胡家は100年近い間、残りの三家と戦ってきた。
田家の子孫である田帰農は、現在の皇帝・乾隆帝から3つの密命を受ける。
ひとつは胡家の子孫・胡一刀を討つこと。
一つは田帰農の義兄弟でもある苗家の子孫・苗人鳳も討つ事。
そして、闖王・李自成が隠したといわれる財宝を探し出すことだった。
田帰農は策略を巡らし、范家の子孫・范長風の弟・范長江を襲った。
「胡一刀にやられた」という田帰農の嘘を信じ、苗人鳳は胡一刀に、長白山での対決を申し込む。
出産間近の夫人と共に長白山に向かう胡一刀。道中で地元の用心棒に殴られていた平阿四を助ける。
平阿四は果し合いの待ち合わせ場所である宿の釜炊きだった。
第2週
胡一刀と苗人鳳の勝負は未だに決着がつかない。
その一方で互いへの信頼は戦うごとに増していった。
苗人鳳は唯一の心残りとして、自分が胡一刀に倒され死んだら弟一家の仇である商剣鳴を討って欲しいと願う。胡一刀もまた、自分が苗人鳳に倒されたら、生まれたばかりの息子・胡斐を育てて欲しいと願った。
二人は共に快諾し、更に胡一刀が夜を徹して商剣鳴の首を取ってきたことで、二人の間に確かな絆が生まれていた。
当てが外れた田帰農は二人まとめて始末しようと策を講じた。二人の武器に猛毒を塗りこんだのだ。
勝敗は決まったが、その猛毒によって胡一刀は命を落としてしまう。
それから10年後。
平阿四に育てられた胡斐は、遺された秘伝書である胡家刀法を学び、修行に励んでいた。
第3週
苗人鳳は妻となった南蘭と共に苗家に戻る。苗家は代々質素な農業を生業としていたが、役人の家に育った南蘭は贅沢放題であった。やがて娘の若蘭が生まれる。
それから数年、夫婦の間に亀裂が入り始めていた。南蘭は相変わらず贅沢でわがままな暮らしをし、苗人鳳の武芸にも理解を示さない。
田帰農は、残された密書を入手し秘密を解読するため、鉄花会の一味にやられたと称し、苗家に助けを求めた。 同じ武芸者でありながらも、金持ちで教養もある田帰農に南蘭は興味を示す。田帰農は苗夫婦の不和を利用しようと企んだ。
ある夜、苗家に火矢が飛んできて火災が起きた。燃える家の中から苗人鳳は胡一刀の位牌を持って出た。逃げ遅れた形になった南蘭と若蘭は田帰農によって助け出された。夫婦の溝はさらに深まり、ついには南蘭は田帰農と駆け落ちしてしまった。
第4週
胡一刀の墓前で鉄花会の使い手たちに囲まれた苗人鳳だったが、捕らえられた陶百歳の白状によって田帰農の企みは失敗に終わった。鉄花会の義侠心に感心した苗人鳳は彼らとよしみを結ぶ。
大雪の中、馬車が立ち往生してしまった田帰農と南蘭は、偶然通りがかった飛馬[金票]局の馬行空らに助けられる。馬行空は2人を近くの知人である商家堡の屋敷へ案内する。
商家堡のかつての主は、苗人鳳の代わりに仇討ちに来た胡一刀に殺された商剣鳴だった。妻の商夫人は胡一刀の死をいまだ知らず、仇討ちのために秘密の部屋を作り、息子の商宝震を厳しく鍛えていた。
屋敷での会話の中に苗人鳳の名前が出て、南蘭は動揺する。それに気づいた商夫人は田帰農らを怪しみ引きとめようとする。そこに苗人鳳と若蘭もやってきた。さらに平阿四・胡斐、盗賊の首領となっていた閻基までもやってきた…
第5週
鉄花会の元へ身を寄せた胡斐は、様々な使い手たちから武芸を授けられ、腕を上げていた。やがて、その素質を見込まれた胡斐は鉄花会の主・陳家洛の意向で天山に住む袁士霄に弟子入りすることになった。
それから月日がたち、陳家洛と徐天宏が袁士霄の元を訪ねると、そこには見違えるように成長し、さらに腕を上げた胡斐の姿があった。師匠に下山を許された胡斐は陳家洛の命で仏山の町に向かうことになった。
仏山で食事のために立ち寄った「英雄楼」で、その酒楼の持ち主で町の顔役・鳳天南が土地欲しさに鐘一家に無実の罪を着せて子供を死にやったという話を聞いて怒りを募らせる。
義侠心から鐘家の恨みを晴らすことを決めた胡斐は鳳天南をおびき出すため、鳳天南の質屋と賭場を荒らす。しかし本人はやってこず、代わりに息子の鳳一鳴がやってきた。
第6週
街で出会った謎の女性・袁紫衣は鉄火会の幹部を名乗り、30の掌門の令牌を集めているという。袁紫衣に翻弄され続ける胡斐。
その頃、田帰農は福康安に掌門人大会への協力を約束させる。朝廷はこの大会で武林の者達を集め、朝廷の意に反する人物を粛清しようとしているのだった。
袁紫衣の行動が気になる胡斐がこっそり後をつけると、2人の男が暗器で不意打ちするところを目撃する。男たちは掌門人大会の開催を妨害する者を捕らえろと命令されていたのだ。
暗器の毒で危機に陥った袁紫衣は胡斐の協力で辛うじて何を逃れるが、そのまま毒で倒れてしまう。2人の男から、朝廷の陰謀を聞き出した胡斐は、袁紫衣に協力を申し出る。袁紫衣は一週間でどちらが多く各門派から掌門の証である令牌を奪えるか勝負を挑む。そして、負けたら勝ったほうの願いを3つかなえることを約束するのだった。
第7週
袁紫衣と離れ傷心の胡斐は、占いに立ち寄った寺の帰りに南蘭を見かける。田帰農が随伴していないことを確かめた胡斐は、南蘭が苗人鳳に宛てた手紙を預かる。心中複雑ながらも、義に則り苗人鳳の家を目指す。
その途中、ある少女に出会った胡斐は、彼女に翻弄されながらも面倒を見ることにする。彼女の嘘を真に受けた胡斐は、探しにきた苗人鳳と戦うことになる。
苗人鳳の腕や義侠心に感服した胡斐だが、親の敵である疑いを拭い去れず、手紙だけ渡して一度はその場を去った。
一方、受け取った苗人鳳は音沙汰無しだった南蘭からの手紙を前に読むべきかどうか思いあぐねていた。手紙の主が母だと気づいた苗若蘭は、何とか手紙を読もうと考えていた。
一人になった胡斐は、天龍門の門弟から、苗人鳳に渡した手紙に毒が仕込んであったことを聞き出し、急いで苗人鳳の家に戻るが…。
第八週
胡斐と苗若蘭を助けた程霊素に胡斐は本名や薬王谷に来た目的を正直に打ち明けた。
翌朝、程霊素に毒消しの交換条件として約束した家事をやるよう命じる。かなりの重労働なので嫌がる苗若蘭だったが渋々従いはじめる。
すると、次第に毒が抜けていく若蘭。実は、この毒は汗をかくことで解毒を促すものであった。すっかり解毒を終えた若蘭をみて、程霊素が毒手薬王を知っているのではないかと感じる。
その時、先日胡斐を襲った小鉄が弟弟子を連れて花畑にやってきた。花を荒らす小鉄。しかし、その青い花には毒があった。小鉄の師匠である薛萼は毒消しを手に入れるため程霊素を呼び出す。
同行することにした胡斐は程霊素から3つの条件を守るように言われるが、薛萼に襲われた程霊素を守るため、約束を破ってしまう。
程霊素は怒ったが、胡斐の親切心を悟り喜ぶ。
帰り道、程霊素は胡斐に師匠と薛萼の話をする。師匠は毒を使って人助けをしていたが、毒手薬王の名が一人歩きしてしまったのだという。そして、薛萼は鉄花会の文泰来にかなわぬ恋をしたことが悪の道に進んでしまった原因だった。
第9週
苗人鳳は、田帰農が放った刺客の無相人と北斗七星に囲まれるが、間一髪胡斐の助けを得て窮地を脱する。その際、苗人鳳が使った胡家刀法に疑念を抱く。そして胡斐も胡家刀法の腕を披露することになった。
苗人鳳は胡斐に胡一刀との関係を尋ねるが、胡斐はなんとか誤魔化す。胡斐は知れば知るほど悪人には思えない苗人鳳が、本当に親の仇なのか悩み始める。
田帰農は、苗人鳳をおびき寄せるため、かつて苗人鳳の妻だった南蘭が病気で死んだという情報を各地に流す。
知らせを聞いた苗人鳳は嘆き悲しみ線香をあげに行こうとするが、罠に違いないと止められ思いとどまる。
しかし、母親に会いたいと願う若蘭は一人屋敷を抜け出し、天龍門へ向かってしまう。胡斐と程霊素は急いで若蘭に追いつくが、その後に田帰農の策略で人質にされてしまった。
その頃、清国朝廷では、天下掌門人大会の準備が着々と進んでいた。そしてそれを妨害するべく袁紫衣も令牌集めを続けていた…。
第10週
曾鉄鴎の策略によって福康安に捕らえられてしまった袁紫衣。福康安は美しく強い袁紫衣に魅かれ、朝廷への協力を要請するが拒否されたため、自分の屋敷の牢に閉じ込める。
この話を聞いた乾隆帝は、袁紫衣が宿敵・鉄花会の手先ではないかと疑った。
福康安の自宅では、第二夫人としてかつて商家で福康安に見初められた馬春花がいた。漢民族と満州族の風習の違いで子供から引き離されていた馬春花は、正妻に子供をかえして欲しいと訴えるが、江湖出身の馬春花を蔑んでいる正妻の海蘭は言いがかりをつけて彼女を牢に入れてしまった。
その頃、苗人鳳の目は程霊素の治療によって完治した。胡斐は苗人鳳が本当に父親の仇なのか確かめようと質問を浴びせる。胡斐の問いに何かを感じ取った苗人鳳は、胡一刀の死の真相を伝えた。
改めて両親の死の真相を知った胡斐は、刀に毒を塗った真犯人を探し出すことを決意し、掌門人大会へ向う…。
第11週
一度は福康安の屋敷から逃げ出したものの、鳳天南の策略で再度捕らえられた袁紫衣を救い出す際に桃花霧の毒を浴びてしまった胡斐。
激情に狂うその毒の特性を知る程霊素は、自らの純潔を胡斐に捧げた。事の成り行きを知った袁紫衣は、道義上程霊素を見捨てることができない胡斐の心情を組み、立ち去るしかなかった。
その頃、福家では袁紫衣に夢中で冷たい態度の福康安に、馬春花が胸を痛めていた。業を煮やす福康安の元に、田帰農が協力者として新たな《毒手薬王》を名乗る薛萼を連れてくる。
薛萼こそ、かつて胡一刀を殺した毒を朝廷に渡した張本人であった。
胡斐とともに掌門人大会へ向かう程霊素は、言葉とは裏腹に一向に自分を妻として扱わない胡斐に苛立ちを感じていた。何かにつけ試すような言動を取る程霊素の真意に胡斐は気がつくが、はぐらかすことしかできない。そんな中、馬春花と街で再会する。
馬春花は、福夫人・海蘭が医者を抱きこみ、子供が天然痘の病と偽っていることを知り、息子の命を救おうと夫人の元へ乗り込んだが、誤って福夫人を殺害してしまった。
お咎めを恐れ、馬春花は福の屋敷から逃げ出す…。
第12週
息子を救うため、薛萼の毒を引き出す「薬引」を胡斐に飲ませた馬春花。毒に苦しむ胡斐を救う手立てを必死に考えた程霊素は、師匠の元で毒を口にする修行をした自分の血こそが解毒剤になることを思い出す。そして、この毒を用いた人物に姉弟子の薛萼がいることを確信するのだった。
程霊素は牛の血管を使って自分の血を胡斐に与え、胡斐の毒は消え去った。
それを知った田帰農と薛萼は春花を呼び出し、指示に従わなければ息子を殺すと脅す。やむを得ず春花は指示通りに再び胡斐に罠を仕掛けようとするが、寸前になって胡斐をかばい怪我をする。そして、自分が「薬引」を飲ませたことを白状した。
事情を知った胡斐は、子供の命が助かるならと、秘伝書を惜しげもなく差し出す。馬春花は田帰農と落ち合い子供と秘伝書を交換しようとするが、これは田帰農が胡斐をおびき寄せる罠だった。
子供の命と引き換えに、胡斐を殺そうとする田帰農。危機一髪のところで、文泰来ら鉄花会の手練れ達が現れた。鉄花会の策で田帰農らから子供と秘伝書を奪い返すことに成功したが、このときの戦いで馬春花は深手を追って命は風前の灯火だった…。
第13週
朝廷の主催による、天下掌門人大会が始まる。朝廷の企てを感じ取ったいくつかの正当な門派は棄権してこの場を去った。残りの門派で大会が行われるが、胡斐はその中に鳳天南が覆面を被って参加していることに気づき疑念を持つ。
さらに福康安はこの大会で相手を負傷させたり死亡させたものについて一切の罪を問わないとし、大会は不穏な雰囲気に包まれる。
最初の試合で勝利した満州人の海蘭弼は、武林に対し侮辱する発言を繰り返す。そこに袁紫衣が現れ戦いを挑んだ。だが、海蘭弼は、どんな攻撃を仕掛けてもすべて跳ね返してしまう肉体を持っていた。
戦いが続く中、苗人鳳が現れる。田帰農は苗人鳳を恐れ逃げ出し、さらに鉄花会も現れて大会は大乱闘になり中止となった。
袁紫衣と再開して心揺れる胡斐。しかし、袁紫衣は未練を断ち切るために、師匠の百暁神尼に出家を願い出ていた。そして程霊素もまた、胡斐が玉胡蝶を持っていることを知り、身を引いて薬王谷へ帰ると告げた。
袁紫衣の出家を止めようと一人尼寺に向かう胡斐。袁紫衣は会おうともせず、変わりに応対した百暁神尼によって追い返されてしまう。
その頃、胡斐の部屋では程霊素が薛萼によってさらわれていた。部屋に戻った胡斐は薛萼からの置手紙を見つける。そこに胡斐との関係をはっきりさせようと袁紫衣がやってきた。
第14週
程霊素に命を貰った袁紫衣。毒消しに使った七心海棠の実で完全に解毒するためには7年後にもう一粒、実を飲まなければならない。紫衣は霊素への良心の呵責と胡斐への愛に揺れながらも7年間の別れを決意。程霊素の遺した七心海棠の実の種を胡斐に託した。
袁紫衣と別れた胡斐は、七心海棠の種を育てるために雪山へ向かう。その途中、立ち寄った飯屋で偶然、育ての親である平阿四と再会する。感涙にむせぶ二人。
昔話に花が咲く二人だったが、仇討ちのためより女のために花を育てることを優先するという胡斐を厳しく叱る。胡斐は今の腕前では苗人鳳に勝てない、七心海棠を育てる間の7年間修行したいと言い、阿四を納得させた。
雪山に2粒の種のうち1粒を植えた胡斐。残りの1粒は風に飛ばされ崖の下に落ちてしまった。植えた種は発芽しなかったが、崖下に落ちた種が雪に埋もれた酒瓶のおかげで発芽していた。そこは財宝の眠る洞窟の前だった。
そして7年の月日が経った。胡斐は雪山飛狐と呼ばれる英雄に育ち、貧しい民を助け役人と戦っていた。
その頃、苗家では美しく育った苗人鳳の娘・若蘭の婿探しをしていた。だがお転婆な若蘭はその気は全くない。かつて平斐と名乗っていた胡斐が忘れられずにいた。
朝廷では、乾隆帝が7年の間に鉄花会などに対して有効な結果を出せない福康安に業を煮やし、田帰農に責務を分担させていた。次第に強い立場となる田帰農に心中穏やかではない福康安。
福康安と田帰農は、共に牽制しあいながら軍用金の護送任務にあたっていたが、雪山飛狐にまんまと銀子を盗まれてしまう…。
第15週
田帰農は福康安に、雪山飛狐の名を借りて28年前の関係者を長白山の玉筆峰に集める計画を話した。賛同し、福康安は山の麓を包囲する役を担う。だが、田帰農の力に脅威を抱いている福康安は劉元鶴を田帰農に同行させ、あわよくば密かに田を葬ろうと画策していた。
鉄花会を訪れた袁紫衣は、胡斐が玉筆峰で七心海棠を育てていたこと、そして田帰農の罠によって、28年前の関係者が集まりつつあることを知り、袁紫衣も玉筆峰へ向かう。
その頃、苗家では若蘭が、苗人鳳の留守中に届いたニセの雪山飛狐からの招待状を読みこっそり屋敷を抜け出す。屋敷に戻った苗人鳳は娘の家出に驚くが、部屋にあったニセの招待状を読み7年前の約束を果たすべく胡斐が戦いを挑んできたと勘違いする。
また、今は和尚となり、宝樹と名を変えた閻基も招待状に書かれた財宝に目がくらみ、玉筆峰へ向かった。
若蘭は玉筆峰の麓にたどり着いた。宿の主人をしていた平阿四には簡単に男装を見破られる。そしてそこに田帰農や閻基、陶百歳ら、28年前の関係者が続々と到着した。
平阿四の案内で頂上を目指す一行。ようやくたどり着いた一行は、この険しい山の頂に豪華な屋敷があるのに驚く。
屋敷で主を待つ一行。しかし、雪山飛狐はなかなか現れない…
第16週
玉筆山荘の広間に閉じ込められた田帰農、陶百歳、閻基、劉元鶴の4人は、胡斐の仇討ちに力を貸すといって平阿四を騙し、脱出を図る。
その頃、胡斐は袁紫衣と7年ぶりの再会を喜んでいた。紫衣の毒を完全に消すことができる七心海棠も、ついに実の収穫を明日に控えてるのだ。
しかし、苗若蘭が誤って水をやって枯らしてしまう。胡斐は激怒し若蘭をぶつが、紫衣は知らずにやったことだからと若蘭をかばう。胡斐は若蘭を下山させ、あと半日の命となってしまった紫衣と夫婦の誓いを立てた。袁紫衣はかつての約束を持ち出して、最後の願いを伝えて逝った。慟哭する胡斐。
山荘から脱出を図る田帰農たち。企みを見抜いていた平阿四は、4人を同士討ちさせようとしていた。田帰農は阿四を人質に捕り、胡家の秘伝書を渡せと胡斐に迫る…。
山を降りた苗若蘭は宿屋で悲しみに泣いていた。それに目をつけた2人連れの猟師に絡まれているのを、後から来た福康安に助けられる。若蘭に一目惚れした福康安は、彼女の素性に気づき近づくが、警戒されたため薬で眠らせて拉致してしまった…
第17週
因縁のつり橋にやってきた、胡斐と苗人鳳。武芸を磨いた胡斐は苗人鳳と互角に戦っていた。討たれる覚悟を決めた苗人鳳がが、胡斐は様々な思いがよぎり、刀を振り下ろせない。
苗若蘭がやってきて二人を止めようとするが、その時つり橋が切れて苗若蘭が崖下に落ちてしまう。2人は若蘭を助けようと飛び降りるが間に合わない…。
鉄火会が玉筆峰のふもとに到着したとき、玉筆峰でなだれが起きた。胡斐を案ずる駱冰は宿の給仕から話を聞きだし、福康安の一行と苗人鳳が山荘に向かったことを知る。
苗若蘭を発見した福康安。そこに苗人鳳も現れる。しかし、苗人鳳は深手の内傷を負っており、福康安に捕まってしまった。そして、苗若蘭は落下したときの衝撃で記憶喪失になっていたのだった…。
そのころ、田帰農は洞窟の中で、老玩童こと周伯通の残した「左右互縛」の技を習得していた。そこに、福康安らと別行動を取った閻基とそれを怪しんだ劉元鶴が籠に乗ってやってくる。
第18週
苗親子を追って北京に着いた胡斐は、若蘭と福康安の婚礼を知り福康安の邸宅に乗り込む。しかし、記憶のない若蘭は、式に乱入し自分を連れ去ろうとする胡斐を恐怖のあまり刺してしまう。胡斐は思わぬ怪我を負ってしまったことで戦意を失い捕らえられてしまった。
婚礼を終えた若蘭。失った記憶と胡斐の関係が気になる若蘭は、密かに牢を訪れ自分の素性を聞く。しかし、にわかには信じられない若蘭は、福康安のもとへ戻ってしまう。
田帰農は乾隆帝に呼び出され、苗人鳳を餌に鉄花会をおびき出す相談を持ちかけられる。その時、福康安が苗人鳳の娘・若蘭を娶ったという話を聞いた乾隆帝は、福康安から官職を剥奪し、後任に田帰農を任じた。福康安はショックを受けるが、腹をくくって居直る。福康安の後釜についた田帰農は、福康安を呼びつけ優越感にひたっていた。
鉄花会によって助け出された胡斐であったが、若蘭を置いていくことはできず、福の屋敷に戻る。鉄花会は苗人鳳の救出に向かったが、そこには田帰農の罠が仕掛けられていた。
武芸が格段に上達した田帰農に、文泰来ら鉄花会も歯が立たない。高官を人質に捕り辛うじて屋敷から脱出した。
第19週
乾隆帝は、田帰農から苗人鳳を殺した報告を聞く。その態度に謀反の兆しを察知した乾隆帝は福康安に田帰農を暗殺するよう密かに命じた。
田帰農の武芸が突然上がったことに不審を思う福康安は策を講じて、田を妓楼に呼び出した。
その頃胡斐は、崖から自力で這い上がっていた。財宝の洞窟で劉元鶴と閻基の死体を見つけた胡斐は、田帰農が秘伝書に書かれた無敵の武芸「左右互縛」を身に着けたことを悟る。
福康安は妾となった苗若蘭を田帰農に近づけ密偵として利用しようとした。若蘭に出会った田帰農は亡き妻・南蘭の面影を感じ、若蘭に興味を示した。
ある夜、田帰農の部屋に若蘭が助けを求めてやってくる。若蘭は誤って福康安の正妻を刺してしまったのだという…。
最初は福康安の罠ではないかと怪しむ田帰農。しかし、苗人鳳と無塵同士の死体を奪うためにやって来た鉄花会と胡斐に対しても記憶のないフリをし屋敷に残った若蘭を密かに見た田帰農は、本当に記憶がないと納得した。
そして安心して心を許し、近いうちに自分が皇帝に取って代わるとまで打ち明けるのだった。
第20週
苗人鳳の亡骸を調べた胡斐たちは、残された傷跡から田帰農の武芸を知ることができた。また、苗家剣法の弱点が首の後ろに記されていた。
死体を奪われ乾隆帝の不興を買った田帰農は、胡一刀の墓を暴き、鉄花会が集まってきたところで一網打尽にする計画を立てる。そのため、5万人の軍勢を動かす許可を得る。しかしこれは、フビライの財宝を運ぶためであった。
福康安はそれを見抜き、財宝の場所を知るためにひとまず泳がせるよう、乾隆帝に進言した。その後、鉄花会を騙す芝居に使った王剣英を消そうとする。王剣英を救った鉄花会は、福康安の企みを聞き出した。
長白山へ出発する前夜、泥酔した田帰農は、若蘭を南蘭と錯覚し、苗人鳳を殺したことや財宝の話を打ち明けてしまう。
そのまま寝込んだ田帰農を殺そうとした若蘭だったが、胡斐に伝えるべきことがあると気づき思いとどまる。
胡斐は1人、長白山へ向かった田帰農を追う。それを知った陳家洛は他の面々に後を追わせ、自分は胡斐を救う為にある行動をとることにした。
そして胡一刀の命日。墓の前で胡斐と田帰農が対決する。そして5万の兵もやってきた…。
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