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第1週
明朝末期、英雄・袁崇煥は敵の侵攻を幾度も撃破した功績を認められ、蘇州と遼東の督師に任じられていた。
しかし、後の清国となる後金・ホンタイジの策略に嵌り売国奴の汚名を着せられ、民国皇帝の命により処刑された。王の勅命により一族が次々と処刑される中、唯一8歳だった息子の袁承志(えんしょうし)だけが、父の部下達によって救い出された。
それから12年。華山派総帥・穆人清に預けられ、武芸を修めていた承志は、立派な若者に成長していた。穆人清からすべての技を認められ、下山を許された承志の元に、父のかつての部下達が集結した。
さらには、朝廷に敵対している義軍(闖王軍)の使者も承志の下山を知ってやってきた…
第2週
袁承志は旅の途中、温青という若者に出会う。温青に無理矢理手渡された黄金を返しに温家にやってきた袁承志は、温青と義兄弟の契りを結ぶ。実は温青は温家の中では不義の子として虐げられていた娘・温青青だった。
その時、もともと闖王軍の軍資金であった黄金を取り返すために、温家に安小慧がやってきた。彼女は、10年ぶりに出会った袁承志の幼馴染であった。
闖王軍と敵対している温家は、3日以内に屋敷から黄金を奪えれば返すと約束し、温家に忍び込んだ袁承志は温家5人の長老達と黄金を賭けての戦いを始める。
袁承志を心配する温青青は、母親である温儀とともに勝負の場に立会うが…
第3週
温儀から金蛇郎君の話を聞いた袁承志と青青。温家の五兄弟は身内の恥を晒したことに腹を立て、口封じに袁承志との勝負を挑もうとした。
そこに先に黄金に目をつけていた游龍幇の栄彩、そして黄金を取り返しに来た安小慧、崔希敏、袁承志の師兄・黄真がやってきた。栄彩が助っ人として雇った呂七との勝負に崔希敏はあっさり負けてしまうが、袁承志が勝利し栄彩は撤退する。
残った温家の五兄弟は、温家の技・五行陣と立会い勝利することを黄金を返す条件とした。その猶予は1日。袁承志は五行陣を破る術を考えるが…
第4週
仙都派の閔子華が仇討ちを行なうと聞いた袁承志らは、何か裏があることを感じ、仇討ち相手の焦公礼の屋敷へ忍び込み真相を聞く。
すべては焦公礼に恨みを持つ太白双英の陰謀であった。身の潔白を示す書状も太白双英に奪われている焦公礼は全てを諦め、仇討ちの当日を迎えるつもりだった。
「もう死ぬしかない。自分を救えるのは、かつて圧倒的な技で救ってくれた金蛇郎君しかない」と言って泣く焦公礼。
全てを知った袁承志は、焦公礼を助けようと決意する。
仇討ちを防ぐことには成功したが、袁承志は焦公礼の屋敷で図らずも、甥弟子の梅剣和と剣を交えることになってしまう。
その圧倒的な強さに屈した梅は、袁承志の技が崋山派のものであることは認めたが、屈辱に腹を立たままその場を去っていった。
第5週
袁承志が自分のために本気で戦ってくれることに感激した洪勝海は、いままで万一のためにと隠していた、清のドルゴンが明の太監・曹化淳に宛てた密書を差し出す。
閔子華の仇討ちの一件で梅剣和、孫仲君と対立した袁承志は、兄弟子であり梅剣和らの師匠である帰辛樹・帰ニ娘夫婦に呼び出される。
理由を説明して誤解を解こうとする袁承志であったが、帰夫婦は取り合わず、また兄弟弟子であることも認めない。その窮地を救ったのは師匠の穆人清と木桑道士であった。しかし、双方の溝は埋まらなかった…
命を救われた洪勝海は、袁承志に忠誠を誓う。3人は閔子華から譲り受けた屋敷に赴き、金蛇郎君の遺した地図を元に明の建文帝が残した財宝を見つけ出した。
その頃、焦公礼の屋敷に監禁されていた太白双英は、清側の使い手、玉真子の手引きで逃げ出していた。
第6章
泰山に、各派の英雄達が続々と集まってきた。だが、武林の強者が同盟を結ぶといってもその思惑は様々。朝廷に対して謀反起こすかどうかで意見が別れ、盟主の選出はなかなか困難を極めた。
孟伯飛の息子、孟錚は朝廷と事を構えぬ方針で、[ネ者]紅柳や恵王とつながりのある魏濤声や、元官軍長官・水鑑などが支援を表明する。一方、孫仲寿や朱安国は何とか袁承志を盟主にして山宗の勢力を伸ばし、朝廷に立ち向かいたいと考えていた。
袁承志は、孫仲寿らの気持ちを知りつつも、武林の分裂を危惧して盟主争いには関らないと心に決めていたため、板ばさみとなり苦悩する。
一方、阿九も武林の仲間が官軍と敵対し、同盟に頼らざるを得なくなったものの、自らの父の功罪を袁承志から聞かされ思い悩んでいた。
その頃、安親子と李岩・劉芳亮、そして崔希敏の隠れ家に明国朝廷の錦衣衛達が近づきつつあった。
そして、盟主選びの当日。孟伯飛が推挙され、そのまま決まるかに見えたが…
第7週
袁承志率いる金蛇営は、作戦の乱れに苦労しつつも錦陽関での戦いに辛くも勝利する。
その戦いで、窮地に陥った阿九を救った袁承志。阿九が承志に好意を持っていることを感づいている青青は、それを見てまた拗ねてしまっていた。
袁承志が、父親である崇禎皇帝を敵として倒そうとしていることを知った阿九は袁承志の元を去る。その途中、安剣清が承志を捕らえようとしていることを知り、安剣清を騙して錦衣衛を都に送り返す策略を巡らせる。
いよいよ金蛇営の兵士たちに戦の基礎が身についた頃、袁承志らはホンタイジと崇禎皇帝を討つべく山を降りる。その途中の酒場で偶然、鉄羅漢と胡桂南の喧嘩を見かけ、袁承志が仲裁をする。
その力に感激した2人は皆と意気投合。この2人は孟伯飛の還暦祝いに向かう所だった。胡桂南は袁承志に珍しい一対のカエルを贈る。このカエルは様々な怪我や毒を治癒する不思議なカエルであった。
一行は孟伯飛の館に到着する。しかしそこに帰夫妻たちがやってきて…
第8週
星丁鎮に近い竹林で安剣清率いる錦衣衛に襲われた、安大娘・安小慧・崔希敏の三人。かろうじて安小慧だけが逃げ延びることが出来た。
捕らえられた安大娘に、かつての夫・安剣清は未練たっぷりに話しかける。だが、安大娘はきっぱりと拒絶する。昔、安剣清は自分の出世のために安大娘の両親と兄を死に追いやったのだった。
その頃、袁承志たちは孟伯飛の屋敷に滞在していた。そこに助けを求めて安小慧が飛び込んできた。
袁承志たち一行は、安大娘と崔希敏を救い出すために、急いで錦衣衛が滞在している龍潭宿場に向かう。
その途中、錦衣衛と遭遇し一触即発の危機となるが、そこに阿九が現れた。
その頃、朝廷では崇禎皇帝の命により、ポルトガルから西洋の大砲を調達し、闖王軍を討伐しようとしていた。それを知った袁承志は、大砲運搬の軍を追いかけ始めた…。
第9週
ドルゴンに会い、皇宮に忍び込もうとする袁承志と洪勝海だったが、ドルゴンはホンタイジに会わせようとはしなかった。
そこで袁承志はホンタイジ暗殺のため、一人で宮中に忍び込む。
宮殿の中で、ホンタイジと役人の会話に聞き耳をたてると、意外にもホンタイジは民のことを考える英明な君主であった。
多勢に無勢の中、後一歩のところまでホンタイジに攻め寄るが、そこに玉真子が現れ、袁承志は捕まってしまった。
ホンタイジは袁承志が袁崇煥の息子であることを知ると、かつて袁崇煥の部下であった租大寿に身柄を預けることにする。
国と父を裏切った男として、袁承志は租大寿に頑なな態度を取っていたが、租大寿は袁承志を敬いつづけ、命がけで脱出の手助けをしたのだった。
無事に脱出した袁承志は、仲間と合流し再度、皇宮に乗り込む…
その頃、明国の崇禎皇帝の元に、李自成の反乱軍が西安に迫った知らせが届いた。しかし、国庫にも皇室にも資金はなく、兵馬の調達もままならない。その時、皇帝は…
第10週
突然街中で、毒を武器とする老婆に襲われた程青竹は、氷せんの解毒でなんとか命は取り留めた。
袁承志ら一行には狙われる心当たりが無いが、どうやら「金蛇」に恨みを抱いての襲撃のようだった。
その頃、宮廷の金蔵からは相変わらず銀の盗難が絶えずにいた。捕り手の単鉄生はついに、盗賊の隠れ家を見つけることに成功する。
単鉄生は袁承志に助太刀を頼み、隠れ家を訪れる。その屋敷は五毒教の住処であった。
五毒教の教主・何鉄手らと面会した袁承志。程青竹を襲った老婆・何紅薬は、金蛇営と金蛇郎君の関係を聞き出すと、金蛇郎君への恨みを晴らすべく、問答無用で戦いを仕掛けてきた。
何とか逃げ延び、屋敷に戻った袁承志らのもとに、焦宛児が訪れてきた。父親の焦公礼が殺されたのだという。しかも、殺した相手は、全てを水に流したはずの閔子華だという…
第11週
明国の首都北京では、司礼太監の曹化淳が恵王に、皇帝の座を略奪するようけしかけていた。頑なに拒む恵王であったが、曹化淳は皇室財産盗難事件の下手人の隠れ家を突き止めたと話し、恵王に揺さぶりをかける。
その頃、袁承志の屋敷に五毒教教主・何鉄手が現れ、弟子入りしたいと言い出した。袁承志は弟子入りを拒むが、夏青青を無事に帰すことを条件に、五毒教徒にかけた点穴を解くことを約束した。
袁承志の身を案じた焦宛児は、こっそりと駕籠に忍び込み隠れ家を突き止め、袁承志に報告する。
夏青青を探すため、一人恵王府に忍び込んだ袁承志。袁承志と再会して怒りに燃える温家の四老であったが、恵王は袁崇煥の冤罪を晴らすため、恵王の配下に付き崇禎暗殺に協力するよう持ちかけた。
崇禎暗殺を決意した袁承志。その頃宮廷には、袁承志への想いと、父である皇帝を思う気持ちに思い悩む阿九がいたのであった。
第12週
崇禎の居場所を探るため、変装して曹化淳の館に忍び込んだ袁承志と焦宛児。そこへやってきたのは太白双英だった。
会話を盗み聞きした承志たちは、曹化淳が恵王の皇位簒奪に手を貸しつつ、後々は明を清のドルゴンに明渡す気でいること、さらに焦宛児の父・焦公礼を殺害したのが太白双英であることを知る。
その頃、露児に『袁承志を宮中で見かけた』と聞かされた阿九は、父・崇禎を暗殺しに来たのではと不安に駆られ、皇帝を守ろうと奔走するが、皇帝に拒絶されてしまう。
計画が袁承志に聞かれたことに気づいた曹化淳は恵王を説得し、暗殺計画を今夜実施することとした…。
青青は、五毒教によって宮中に囚われていた。何鉄手は袁承志との取引材料にしたいと考え、青青には手を出さない。
しかし、金蛇老君に恨みをもつ何紅薬はそうではなかった。何紅薬は青青を前に、20年数年前の恨みを話し始めるのだった。
第13週
明国を守るため、仇である崇禎皇帝を助けてしまった袁承志。皇帝を前に、父・袁崇煥の名誉回復を求めるが、皇帝はそのまま立ち去った。
袁承志は金蛇剣を阿九に預けたまま、宮廷をあとにする。そして、皇帝を守るため負傷した安剣清を連れ、安大娘の家にやってきた。心から謝罪する剣清。
その姿に大娘も小慧も心打たれ、剣清を許した。初めて家族が一つになった瞬間だったが、剣清はそのまま息を引き取ってしまった。
翌日、五毒教の使者に案内され、五毒教の屋敷に向かう袁承志。何鉄手との約束を守り五毒教徒の点穴を解いた。
その頃、崇禎皇帝は追い詰められていた。迫り来る反乱軍に側近達は相次いで降伏。ついに1644年3月17日、北京は反乱軍によって包囲されてしまった。
一度は五毒教の屋敷を立ち去った袁承志だったが、不穏な空気を感じた袁承志は屋敷に戻り、何紅薬らによる反乱から何鉄手を救い出した。
傷が癒えた何鉄手は五毒教に戻ることができず、袁承志に弟子入りを申し出る。戸惑い断ろうとするが、真剣な様子に「師匠の許可が下りれば」と、仮の弟子となることを認めてしまう。
第14週
崇禎皇帝は自害し、北京は陥落した。李自成は袁承志らに崇禎皇帝の捜索を命じる。
やがて崇禎皇帝の亡骸を見つけた袁承志が都に戻ると、皇太子が捕らえられていた。李自成は皇太子は形ばかりの王「宋王」に任じ身分を封じ込めようとするが、牛金星は皇太子の死罪を主張。助命を主張する李岩と対立した。
また崇禎の亡骸と遺書を持ち帰った袁承志に、李自成は三品の官位と阿九を与えたため、牛金星らは袁承志へも反感を招く。
その頃、都では闖軍の兵士達が略奪、姦淫、殺戮など悪事の限りを尽くしていた。数日後、軍規を正すよう進言するために李岩と共に李自成への謁見を求めるが、李自成は会おうともしない。
かつて占いとして「李こそが皇帝になるという」という天命が実は「李岩」を指すと牛金星に言われたことで不機嫌になったと聞かされ、唖然となった李岩。
屋敷にはふさぎ込んでいる阿九がいた。袁承志は崇禎と皇后の出棺に付き添うなど、阿九のために懸命だ。そんな承志の振る舞いに青青は嫉妬心を募らせ、家出をしてしまう。 そんな時、穆人清から手紙が届く。華山派の召集であった。青青のことを心配しながらも承志は華山へ向かうことにした…
第15週
青青に金蛇郎君の宝があると騙された温家の三老は華山への道を急いでいた。しかし、その後を何紅薬が追いかけて いた。三老は一人ずつ何紅薬の策略に嵌り命を落とし、最後には青青だけが残された。何紅薬に捕まった青青は案内させられる。
洞窟の中で何紅薬は金蛇郎君が死んでいたことを知り愕然とする。そして、憎しみながらも恋しさを募らせていた何紅薬は、かつての自分と金蛇郎君の間柄を話し始めた。金蛇郎君の骨を掘り返し泣いて詫びる何紅薬。しかし、金蛇郎君の骨に温儀のかんざしがあるのを見て嫉妬に狂い、骨を燃やして灰にしようとした…。
袁承志は穆人清の召還状により同じく華山に向かっていた。道中、温家三老が死んでいるのを知った袁承志は心配し つつも旅を続け、華山に到着すると、洞窟から煙が出ているのを発見した。
一方、華山には袁承志に黙って来ていた何惕守が、孫仲君らと揉めているところに、紅娘子が助けを求めにやって きた。そこに玉真子が現れる。あわやというところで木桑が救いの手を差し伸べるが、その時玉真子が何かを取り出し た…
華山を下山した袁承志は都に戻り、亡き父・袁崇煥の墓前にいた。仇討ちを果し明王朝を倒した今、袁承志は何を考 えるのか…。
明朝末期、英雄・袁崇煥は敵の侵攻を幾度も撃破した功績を認められ、蘇州と遼東の督師に任じられていた。
しかし、後の清国となる後金・ホンタイジの策略に嵌り売国奴の汚名を着せられ、民国皇帝の命により処刑された。王の勅命により一族が次々と処刑される中、唯一8歳だった息子の袁承志(えんしょうし)だけが、父の部下達によって救い出された。
それから12年。華山派総帥・穆人清に預けられ、武芸を修めていた承志は、立派な若者に成長していた。穆人清からすべての技を認められ、下山を許された承志の元に、父のかつての部下達が集結した。
さらには、朝廷に敵対している義軍(闖王軍)の使者も承志の下山を知ってやってきた…
第2週
袁承志は旅の途中、温青という若者に出会う。温青に無理矢理手渡された黄金を返しに温家にやってきた袁承志は、温青と義兄弟の契りを結ぶ。実は温青は温家の中では不義の子として虐げられていた娘・温青青だった。
その時、もともと闖王軍の軍資金であった黄金を取り返すために、温家に安小慧がやってきた。彼女は、10年ぶりに出会った袁承志の幼馴染であった。
闖王軍と敵対している温家は、3日以内に屋敷から黄金を奪えれば返すと約束し、温家に忍び込んだ袁承志は温家5人の長老達と黄金を賭けての戦いを始める。
袁承志を心配する温青青は、母親である温儀とともに勝負の場に立会うが…
第3週
温儀から金蛇郎君の話を聞いた袁承志と青青。温家の五兄弟は身内の恥を晒したことに腹を立て、口封じに袁承志との勝負を挑もうとした。
そこに先に黄金に目をつけていた游龍幇の栄彩、そして黄金を取り返しに来た安小慧、崔希敏、袁承志の師兄・黄真がやってきた。栄彩が助っ人として雇った呂七との勝負に崔希敏はあっさり負けてしまうが、袁承志が勝利し栄彩は撤退する。
残った温家の五兄弟は、温家の技・五行陣と立会い勝利することを黄金を返す条件とした。その猶予は1日。袁承志は五行陣を破る術を考えるが…
第4週
仙都派の閔子華が仇討ちを行なうと聞いた袁承志らは、何か裏があることを感じ、仇討ち相手の焦公礼の屋敷へ忍び込み真相を聞く。
すべては焦公礼に恨みを持つ太白双英の陰謀であった。身の潔白を示す書状も太白双英に奪われている焦公礼は全てを諦め、仇討ちの当日を迎えるつもりだった。
「もう死ぬしかない。自分を救えるのは、かつて圧倒的な技で救ってくれた金蛇郎君しかない」と言って泣く焦公礼。
全てを知った袁承志は、焦公礼を助けようと決意する。
仇討ちを防ぐことには成功したが、袁承志は焦公礼の屋敷で図らずも、甥弟子の梅剣和と剣を交えることになってしまう。
その圧倒的な強さに屈した梅は、袁承志の技が崋山派のものであることは認めたが、屈辱に腹を立たままその場を去っていった。
第5週
袁承志が自分のために本気で戦ってくれることに感激した洪勝海は、いままで万一のためにと隠していた、清のドルゴンが明の太監・曹化淳に宛てた密書を差し出す。
閔子華の仇討ちの一件で梅剣和、孫仲君と対立した袁承志は、兄弟子であり梅剣和らの師匠である帰辛樹・帰ニ娘夫婦に呼び出される。
理由を説明して誤解を解こうとする袁承志であったが、帰夫婦は取り合わず、また兄弟弟子であることも認めない。その窮地を救ったのは師匠の穆人清と木桑道士であった。しかし、双方の溝は埋まらなかった…
命を救われた洪勝海は、袁承志に忠誠を誓う。3人は閔子華から譲り受けた屋敷に赴き、金蛇郎君の遺した地図を元に明の建文帝が残した財宝を見つけ出した。
その頃、焦公礼の屋敷に監禁されていた太白双英は、清側の使い手、玉真子の手引きで逃げ出していた。
第6章
泰山に、各派の英雄達が続々と集まってきた。だが、武林の強者が同盟を結ぶといってもその思惑は様々。朝廷に対して謀反起こすかどうかで意見が別れ、盟主の選出はなかなか困難を極めた。
孟伯飛の息子、孟錚は朝廷と事を構えぬ方針で、[ネ者]紅柳や恵王とつながりのある魏濤声や、元官軍長官・水鑑などが支援を表明する。一方、孫仲寿や朱安国は何とか袁承志を盟主にして山宗の勢力を伸ばし、朝廷に立ち向かいたいと考えていた。
袁承志は、孫仲寿らの気持ちを知りつつも、武林の分裂を危惧して盟主争いには関らないと心に決めていたため、板ばさみとなり苦悩する。
一方、阿九も武林の仲間が官軍と敵対し、同盟に頼らざるを得なくなったものの、自らの父の功罪を袁承志から聞かされ思い悩んでいた。
その頃、安親子と李岩・劉芳亮、そして崔希敏の隠れ家に明国朝廷の錦衣衛達が近づきつつあった。
そして、盟主選びの当日。孟伯飛が推挙され、そのまま決まるかに見えたが…
第7週
袁承志率いる金蛇営は、作戦の乱れに苦労しつつも錦陽関での戦いに辛くも勝利する。
その戦いで、窮地に陥った阿九を救った袁承志。阿九が承志に好意を持っていることを感づいている青青は、それを見てまた拗ねてしまっていた。
袁承志が、父親である崇禎皇帝を敵として倒そうとしていることを知った阿九は袁承志の元を去る。その途中、安剣清が承志を捕らえようとしていることを知り、安剣清を騙して錦衣衛を都に送り返す策略を巡らせる。
いよいよ金蛇営の兵士たちに戦の基礎が身についた頃、袁承志らはホンタイジと崇禎皇帝を討つべく山を降りる。その途中の酒場で偶然、鉄羅漢と胡桂南の喧嘩を見かけ、袁承志が仲裁をする。
その力に感激した2人は皆と意気投合。この2人は孟伯飛の還暦祝いに向かう所だった。胡桂南は袁承志に珍しい一対のカエルを贈る。このカエルは様々な怪我や毒を治癒する不思議なカエルであった。
一行は孟伯飛の館に到着する。しかしそこに帰夫妻たちがやってきて…
第8週
星丁鎮に近い竹林で安剣清率いる錦衣衛に襲われた、安大娘・安小慧・崔希敏の三人。かろうじて安小慧だけが逃げ延びることが出来た。
捕らえられた安大娘に、かつての夫・安剣清は未練たっぷりに話しかける。だが、安大娘はきっぱりと拒絶する。昔、安剣清は自分の出世のために安大娘の両親と兄を死に追いやったのだった。
その頃、袁承志たちは孟伯飛の屋敷に滞在していた。そこに助けを求めて安小慧が飛び込んできた。
袁承志たち一行は、安大娘と崔希敏を救い出すために、急いで錦衣衛が滞在している龍潭宿場に向かう。
その途中、錦衣衛と遭遇し一触即発の危機となるが、そこに阿九が現れた。
その頃、朝廷では崇禎皇帝の命により、ポルトガルから西洋の大砲を調達し、闖王軍を討伐しようとしていた。それを知った袁承志は、大砲運搬の軍を追いかけ始めた…。
第9週
ドルゴンに会い、皇宮に忍び込もうとする袁承志と洪勝海だったが、ドルゴンはホンタイジに会わせようとはしなかった。
そこで袁承志はホンタイジ暗殺のため、一人で宮中に忍び込む。
宮殿の中で、ホンタイジと役人の会話に聞き耳をたてると、意外にもホンタイジは民のことを考える英明な君主であった。
多勢に無勢の中、後一歩のところまでホンタイジに攻め寄るが、そこに玉真子が現れ、袁承志は捕まってしまった。
ホンタイジは袁承志が袁崇煥の息子であることを知ると、かつて袁崇煥の部下であった租大寿に身柄を預けることにする。
国と父を裏切った男として、袁承志は租大寿に頑なな態度を取っていたが、租大寿は袁承志を敬いつづけ、命がけで脱出の手助けをしたのだった。
無事に脱出した袁承志は、仲間と合流し再度、皇宮に乗り込む…
その頃、明国の崇禎皇帝の元に、李自成の反乱軍が西安に迫った知らせが届いた。しかし、国庫にも皇室にも資金はなく、兵馬の調達もままならない。その時、皇帝は…
第10週
突然街中で、毒を武器とする老婆に襲われた程青竹は、氷せんの解毒でなんとか命は取り留めた。
袁承志ら一行には狙われる心当たりが無いが、どうやら「金蛇」に恨みを抱いての襲撃のようだった。
その頃、宮廷の金蔵からは相変わらず銀の盗難が絶えずにいた。捕り手の単鉄生はついに、盗賊の隠れ家を見つけることに成功する。
単鉄生は袁承志に助太刀を頼み、隠れ家を訪れる。その屋敷は五毒教の住処であった。
五毒教の教主・何鉄手らと面会した袁承志。程青竹を襲った老婆・何紅薬は、金蛇営と金蛇郎君の関係を聞き出すと、金蛇郎君への恨みを晴らすべく、問答無用で戦いを仕掛けてきた。
何とか逃げ延び、屋敷に戻った袁承志らのもとに、焦宛児が訪れてきた。父親の焦公礼が殺されたのだという。しかも、殺した相手は、全てを水に流したはずの閔子華だという…
第11週
明国の首都北京では、司礼太監の曹化淳が恵王に、皇帝の座を略奪するようけしかけていた。頑なに拒む恵王であったが、曹化淳は皇室財産盗難事件の下手人の隠れ家を突き止めたと話し、恵王に揺さぶりをかける。
その頃、袁承志の屋敷に五毒教教主・何鉄手が現れ、弟子入りしたいと言い出した。袁承志は弟子入りを拒むが、夏青青を無事に帰すことを条件に、五毒教徒にかけた点穴を解くことを約束した。
袁承志の身を案じた焦宛児は、こっそりと駕籠に忍び込み隠れ家を突き止め、袁承志に報告する。
夏青青を探すため、一人恵王府に忍び込んだ袁承志。袁承志と再会して怒りに燃える温家の四老であったが、恵王は袁崇煥の冤罪を晴らすため、恵王の配下に付き崇禎暗殺に協力するよう持ちかけた。
崇禎暗殺を決意した袁承志。その頃宮廷には、袁承志への想いと、父である皇帝を思う気持ちに思い悩む阿九がいたのであった。
第12週
崇禎の居場所を探るため、変装して曹化淳の館に忍び込んだ袁承志と焦宛児。そこへやってきたのは太白双英だった。
会話を盗み聞きした承志たちは、曹化淳が恵王の皇位簒奪に手を貸しつつ、後々は明を清のドルゴンに明渡す気でいること、さらに焦宛児の父・焦公礼を殺害したのが太白双英であることを知る。
その頃、露児に『袁承志を宮中で見かけた』と聞かされた阿九は、父・崇禎を暗殺しに来たのではと不安に駆られ、皇帝を守ろうと奔走するが、皇帝に拒絶されてしまう。
計画が袁承志に聞かれたことに気づいた曹化淳は恵王を説得し、暗殺計画を今夜実施することとした…。
青青は、五毒教によって宮中に囚われていた。何鉄手は袁承志との取引材料にしたいと考え、青青には手を出さない。
しかし、金蛇老君に恨みをもつ何紅薬はそうではなかった。何紅薬は青青を前に、20年数年前の恨みを話し始めるのだった。
第13週
明国を守るため、仇である崇禎皇帝を助けてしまった袁承志。皇帝を前に、父・袁崇煥の名誉回復を求めるが、皇帝はそのまま立ち去った。
袁承志は金蛇剣を阿九に預けたまま、宮廷をあとにする。そして、皇帝を守るため負傷した安剣清を連れ、安大娘の家にやってきた。心から謝罪する剣清。
その姿に大娘も小慧も心打たれ、剣清を許した。初めて家族が一つになった瞬間だったが、剣清はそのまま息を引き取ってしまった。
翌日、五毒教の使者に案内され、五毒教の屋敷に向かう袁承志。何鉄手との約束を守り五毒教徒の点穴を解いた。
その頃、崇禎皇帝は追い詰められていた。迫り来る反乱軍に側近達は相次いで降伏。ついに1644年3月17日、北京は反乱軍によって包囲されてしまった。
一度は五毒教の屋敷を立ち去った袁承志だったが、不穏な空気を感じた袁承志は屋敷に戻り、何紅薬らによる反乱から何鉄手を救い出した。
傷が癒えた何鉄手は五毒教に戻ることができず、袁承志に弟子入りを申し出る。戸惑い断ろうとするが、真剣な様子に「師匠の許可が下りれば」と、仮の弟子となることを認めてしまう。
第14週
崇禎皇帝は自害し、北京は陥落した。李自成は袁承志らに崇禎皇帝の捜索を命じる。
やがて崇禎皇帝の亡骸を見つけた袁承志が都に戻ると、皇太子が捕らえられていた。李自成は皇太子は形ばかりの王「宋王」に任じ身分を封じ込めようとするが、牛金星は皇太子の死罪を主張。助命を主張する李岩と対立した。
また崇禎の亡骸と遺書を持ち帰った袁承志に、李自成は三品の官位と阿九を与えたため、牛金星らは袁承志へも反感を招く。
その頃、都では闖軍の兵士達が略奪、姦淫、殺戮など悪事の限りを尽くしていた。数日後、軍規を正すよう進言するために李岩と共に李自成への謁見を求めるが、李自成は会おうともしない。
かつて占いとして「李こそが皇帝になるという」という天命が実は「李岩」を指すと牛金星に言われたことで不機嫌になったと聞かされ、唖然となった李岩。
屋敷にはふさぎ込んでいる阿九がいた。袁承志は崇禎と皇后の出棺に付き添うなど、阿九のために懸命だ。そんな承志の振る舞いに青青は嫉妬心を募らせ、家出をしてしまう。 そんな時、穆人清から手紙が届く。華山派の召集であった。青青のことを心配しながらも承志は華山へ向かうことにした…
第15週
青青に金蛇郎君の宝があると騙された温家の三老は華山への道を急いでいた。しかし、その後を何紅薬が追いかけて いた。三老は一人ずつ何紅薬の策略に嵌り命を落とし、最後には青青だけが残された。何紅薬に捕まった青青は案内させられる。
洞窟の中で何紅薬は金蛇郎君が死んでいたことを知り愕然とする。そして、憎しみながらも恋しさを募らせていた何紅薬は、かつての自分と金蛇郎君の間柄を話し始めた。金蛇郎君の骨を掘り返し泣いて詫びる何紅薬。しかし、金蛇郎君の骨に温儀のかんざしがあるのを見て嫉妬に狂い、骨を燃やして灰にしようとした…。
袁承志は穆人清の召還状により同じく華山に向かっていた。道中、温家三老が死んでいるのを知った袁承志は心配し つつも旅を続け、華山に到着すると、洞窟から煙が出ているのを発見した。
一方、華山には袁承志に黙って来ていた何惕守が、孫仲君らと揉めているところに、紅娘子が助けを求めにやって きた。そこに玉真子が現れる。あわやというところで木桑が救いの手を差し伸べるが、その時玉真子が何かを取り出し た…
華山を下山した袁承志は都に戻り、亡き父・袁崇煥の墓前にいた。仇討ちを果し明王朝を倒した今、袁承志は何を考 えるのか…。
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第1週(1話)
明代の末期、鉄血大旗門は、武林の盟主として仰がれていた。
ある時、その支配下にあった寒楓堡、天武[金票]局、落日牧場、盛家荘園、霹靂堂が五福連盟を結成し、突然、大旗門の本拠地に攻め込んだ。
大旗門の弟子たちは、大多数が惨殺され、第二代掌門の雲楓と鉄柳も非業の死を遂げた。鉄柳の息子・鉄毅と鉄青箋は身を挺して仲間を逃がすが、二人は敵と共に谷底に落ちて生死不明となる。
追手から逃れた若い世代は、塞外(さいがい:「万里の長城の外」の意、北方の僻地)へ逃れ、その地に住み着いた。
第三代の掌門となった雲楓の息子・雲翼を中心に、大旗門の面々は一門を立て直すべく、五福連盟への復讐を固く誓い、雪深い山中でひたすら厳しい武術修業に励む。
数十年後、大旗門はついに復讐の機会を迎えた。寒楓堡の当主である冷一楓の50歳の誕生祝いに、五福連盟の面々が一堂に会するという情報を第四世代の一番弟子・雲鏗がつかんだのだ。
だが、雲鏗は敵の動きを見張っているうち、冷一楓の長女・冷青霜と恋に落ちていた。
大旗門は精鋭を率いて寒楓堡に討ち入るが、危機を察知し迎撃の準備を万全に整えていた冷一楓たちの返り討ちに遭い、やむなく大旗門は撤退する。
戦いの最中、雲鏗と冷青霜は手を取り合って逃げ出す。青霜は妊娠しており、子供のためにも父親世代の恨みは忘れ、このまま遠くに逃げようと懇願する。だが雲鏗は大旗門の男としての責任を全うするために、青霜を置いて仲間の元に戻るのだった。
雲翼と掌刑の雲九霄は、掟を破った罰として雲鏗に五馬分屍の刑(頭部と四肢を五頭の馬に引かせて体をバラバラにして処刑する)を言い渡し、鉄中棠を執行役に命じた。
雲鏗の弟・雲錚は鉄中棠を激しく責めるが、逆に宿敵の五福連盟こそが本当の仇だと諭される。そして二人は五福連盟に闇討ちをかけるために、寒楓堡に忍び込むが…。
第2週(3章)
崖から谷底に叩き落とされた鉄中棠は、心優しい美少女、水霊光に介抱されていた。水霊光は生まれたときからこの谷底にある洞窟で、母親と2人きりで生活していたという。
不審者と思われ、水霊光の母親に捕らえられた鉄中棠は探りを入れながら話をしていくうち、彼女が盛大娘の息子である盛存孝の3番目の妻、水柔頌であることを知った。
水柔頌は不信感をあらわにしたまま、19年前の出来事を語り始める。
当時、五福連盟は大旗門と数日間にわたる激戦を繰り広げていた。戦に出ていた水柔頌は子供を身ごもっていたため、先に帰らせてほしいと盛大娘に頼んだが、息子の愛を嫁に奪われることを恐れた盛大娘は、水柔頌を谷底に突き落としてしまったという。
全ての男に不信感を抱いていた水柔頌に鉄中棠は洞窟を追い出されるが、見かねた水霊光が秘密の洞窟に案内する。その洞窟には、水霊光の友達だった「おじさん」が住んでいたという。秘密の洞窟の中にたたずむ「おじさん」には手足がなく、すでにミイラ化していた。
一方、意識を取り戻した雲錚は温黛黛の美しさに心を奪われ、そのかいがいしい介抱と哀れな身の上話にすっかり騙されていた…。
第3週(5章)
洛陽城北の李洛陽の屋敷で行われる宝石大会に参加した黒星天らの後を追い、雲錚も温黛黛をつれてやってきた。鉄中棠も気難しい老富豪に変装して屋敷に入り込む。
李家には、その他にも馮百万という山西の富豪と護衛の潘乗風たち、貧しい身なりだがすばらしい真珠を持ち込んだ中年女と連れの少年など、いわくありげな人々が集まってくる。
主人の李洛陽は李家の掟に従い、どんな人物も客として受け入れ、もてなしていた。
雲錚が司徒笑の妾に骨抜きにされ、大旗門の本拠に案内させられる恐れがあると知った鉄中棠は、それを阻止しようと計画を練る。
それぞれの思惑が交錯する中、宝石大会が始まった。温黛黛は宝石を見て目の色を変えるが、価値のあるものは手に入らず、雲錚に八つ当たりし、不満をぶつける。
それを見た鉄中棠は雲錚と温黛黛を引き離すために、宝石が手に入らず焦れている温黛黛の強欲さを利用しようと大会の進行役を買収、ひと芝居打つ。
そのからくりを知った潘乗風は謎の老富豪が黛黛を手に入れようとしていると勘違い。バラされたくなかったら自分を雇えと変装した中棠に迫る。女癖の悪い潘乗風は水霊光に目をつけていたのだ。中棠は相手の出方を見るために承知するが…
第4週(7章)
潘乗風への仇討ちのため、李洛陽らに「9日以内に命を奪う」予告である奪魂珠を渡した九子鬼母・陰儀。
対するのは李家に残り襲来に備えることとなった、雲錚と鉄中棠、そして五福連盟の面々。水霊光は屋敷から脱出したが、鉄中棠のことを思うとどうしても逃げることが出来ず、近くの宿で様子を伺っていた。
そんな中、鉄中棠は温黛黛に捨てられて飲んだくれている雲錚のために、潘乗風を使い、そもそも温黛黛が司徒笑と結託して雲錚を騙していたことを分からせる。
事情を理解した雲錚は、屋敷を去ろうとしたが、九子鬼母の弟子に阻まれ、外に出ることが出来ない。
鉄中棠と屋敷内の侠客一同は、九子鬼母との直接対決を決意する。
一同は九子鬼母・陰儀とその弟子との戦いを繰り広げるが、どうにも歯が立たない。そこへ、陰儀に世話になっていた水霊光が現れる。
水霊光は、陰儀らを撤退させようと必死に説得していたのだった。水霊光に連れられて門外へ出た鉄中棠は、陰儀と会い、交渉を始める…
第5週(9章)
大旗門の秘宝を狙う黒星天は、弟子の沈杏白、鉄中棠の叔父である鉄青箋、そして小雷神を協力者として、秘宝のありかへ向かう準備を進める。
宝石を持って逃げた温黛黛を追う司徒笑とは別行動を取るために、一芝居をうって白星武と二手に分かれることとなった。
一方、黒星天が秘宝のありかを突き止めたことを知った鉄中棠は、水霊光と共に先回りして水霊光が生まれ育った谷へと急ぐ。
水霊光が母親・水柔頌の住む洞窟をのぞいてみると、母親は娘を失った悲しみで正気を失っていた。
水霊光は一度は引き返すが鉄中棠に励まされて再び洞窟を訪れ、久々の母娘再会を果たす。だが鉄中棠の姿を見た水柔頌は憤慨し、鉄中棠を殺そうとする。
ひとまず退散した鉄中棠たちは、水柔頌の様子を見ながら話し合いの機会を待つ。
その時爆音が響いた。黒星天たちが秘宝を手に入れるため、大旗門の裏切り者と共に、とうとう秘密の洞窟へたどり着いてしまったのだ…。
第6週(11章)
鉄中棠と従兄妹だったというショックで、鉄中棠の元を去った水霊光は、九子鬼母の鬼谷にいた。
鬼谷に来てからずっとふさぎ込んでいる水霊光のことを心配した小華は、事情を知ろうと鉄中棠を捜しに出る。結ばれぬ運命の水霊光と別れて傷心の鉄中棠を、小華は眠り薬を振りかけて気絶させ、連れ去っていく。
連れ去る途中、小華は豆腐屋へ立ち寄り腹ごしらえをする。そこは鉄中棠の兄弟子である雲鏗の妻・冷青霜が営む店だった。
気を失っている鉄中棠に気づいた冷青霜は不審に思い、小華を眠り薬で眠らせる。
その時、黒星天の弟子・沈杏白が豆腐屋を訪れた。沈杏白は冷青霜に気づき、また眠っている鉄中棠も見つける。沈杏白は秘宝を独り占めしようと鉄中棠を連れ去ってしまった。
眠っている鉄中棠を担いで歩く沈杏白は、疲労に耐え切れず、馬車に乗って通りかかった美女に、一晩の宿を借りることにした。しかしそこは、男を身ぐるみはがすまで金を騙し取ることで有名な黄蜂銷金窩という妓楼だった。
その妓楼の厨房では冷青霜の妹、冷青萍が働いていた。鉄中棠に気づいた冷青萍は、沈杏白に眠り薬を飲ませて鉄中棠と共に妓楼から逃げだす。
鉄中棠を逃がしたことを責められ危機一髪の冷青萍。そこへ陰儀が弟子たちを従え乗り込んで来た…
第7週(13章)
水霊光は涙ながらに江湖へ鉄中棠を捜す旅に出ることを懇願する。陰儀は承諾し、水霊光は小華と共に旅に出た。
大旗門の秘法を探す黒白双星と司徒笑ら一同は、大旗門の男が現れたという情報を入手する。偶然その場に居合わせた水霊光はその男が鉄中棠では無いかと考え、小華から離れて一同の後を追うが、途中で見つかり捕らえられてしまう。
そのころ、鉄中棠が海大少、霹靂火と共に歩いていると、盛大娘が趙奇剛らと戦っているのに出くわす。趙奇剛はかつて寒楓堡を裏切り、鉄中棠を逃がしていたのだった。
盛大娘は趙奇剛の義娘、柳荷衣に天女針を浴びせて瀕死の状態にするが、盛存孝がこっそり落としていった解毒薬を飲んで一命を取りとめる。趙奇剛らと意気投合した海大少、霹靂火が気づいたときには、すでに鉄中棠の姿はなかった。
水霊光を捜す小華は、町で温黛黛と雲錚の二人に出会う。憧れの温黛黛に会えてはしゃぐ小華だが、雲錚に首根っこをつかまれる。そこへ艾天蝠が現れ、雲錚の一言が発端で二人は対戦することになる。
雲錚は一撃もくらわすことができず艾天蝠の前に倒れるが、気力だけは負けず、最後に艾天蝠の頬を打つことができた。
雲錚に顔を打たれた艾天蝠は、ショックのあまり自殺しようとしていた。小華に遺言を残し、崖から飛び降りようとしたその時、どこからか自分を罵る声が響いてきた…
怪我をした雲錚を心配する温黛黛は、隠れ屋敷が司徒笑らに見つかったことを知りあわてて逃げ出す。屋敷に夜討ちかけた司徒らは屋敷がもぬけの殻と知り悔しがる。
一方、鉄中棠は偶然「小小少林寺」という寺に逃げ込む。寺の主の雷鞭は豪快な気性の達人だった。
そこに顔に紗の薄布をかけた女性が現れる。彼女は雷鞭が軟禁していた陰嬪だった。陰嬪は陰儀の妹で、美しいが残虐非道な女だった…。
第8週(15章)
水霊光を朱藻から取戻すために道を急ぐ鉄中棠と艾天蝠。しかし艾天蝠は朱藻と戦ったときのダメージで、耳を悪くしていた。
二人は義兄弟の契りを交わし、艾天蝠は自ら編み出した天耳通の技を鉄中棠に受け継がせる。
一方、温黛黛は瀕死の雲錚を救うため、少林寺の門前にいた。住職が修行中のため一度は断られるが、雷鞭が通りかかり住職の無色大師にかけあってくれると言う。
ただしその代わりに温黛黛は40日後、雷鞭に身を売ると約束してしまった。
少林寺の無色大師の好意で高僧の治療を受けた雲錚は徐々に回復する。しかし意識朦朧とした中で聞いた黛黛と雷鞭のやり取りを誤解し、彼女が自分を捨てて他の男の元に走ったと思い込んでいた。
黛黛は少林寺近くのあばら家で野菜を育てながら健気に雲錚の回復を待ち続けており、毎日面会に向かうが、ようやく会えた雲錚に冷たくされてしまう。
[山労]山に到着した水霊光は、朱藻の誘いには乗らず、朱藻の館で中棠の助けを待っていた。朱藻の恋人の一人、陰嬪は彼の関心を一身に集める霊光に嫉妬し、策略を巡らすのだった…
第9週(17章)
人形は陰嬪の部屋で見つかった。報告を受けた朱藻は陰嬪をとがめ、外見の美にこだわる彼女に対し、水霊光の外見だけにとどまらない心の美しさについて語る。
一方、温黛黛は少林寺で養生している雲錚のもとへ連日面会に行くが、雲錚が会ってくれない。雲錚は温黛黛が雲錚のために雷鞭に身を売る約束をしたことを誤解して、自分が温黛黛に騙されたと思い込んでいるのだった。
小小少林寺の雷鞭は、息子の雷小雕に温黛黛を娶らせようとしていた。しかし雷小雕には霊鈴という思い人がいた。
雷小雕は、長い間行方不明となっている霊鈴を町で見かけたと話し、雷鞭の話をかたくなに拒む。
水霊光を救い出すため旅を続けていた鉄中棠と艾天蝠だったが、盲目なうえに耳も不自由になった艾天蝠は鉄中棠の足手まといとなっていることを痛感し、手紙を残して一人宿を去っていく。
朱藻の館では満開の花の中、朱藻から熱い思いを寄せられている水霊光がひたすら鉄中棠が助けに来るのを待っていた…。
朱藻の母親に助けを求めようと考えた水霊光は、こっそり会いに行き、危うく夫人に倒されそうになる。
だが霊光は、暗い場所で一人暮らす夫人と自分が育った境遇が、内功の修行を誤ったせいで下半身が不自由になった夫人と母親のことが重なり、深い同情を覚えるのだった。
第10週(19章)
鉄中棠を捕らえるため風九幽に助っ人を頼もうとした司徒笑らだったが、風九幽の摂魂大法の術により真の目的が大旗門の秘宝を手に入れることだとバレてしまう。
風九幽は協力を了承するが、既にその前に朱藻を糾弾するという依頼が来ていた。鉄中棠との関連を予感した司徒笑らは風九幽についていくことにする。
一方、雲錚に突き放された温黛黛は、やけになって雷鞭に体を捧げようとする。しかし雷鞭は温黛黛の体が目当てではなかった。雲錚への想いを断ち切るかのように、温黛黛は妓楼を貸しきって散財する。
そのころ、無色大師から事情を聞いた雲錚は、自分の命を救ってくれた温黛黛のことを誤解していたことに気づき、彼女を捜し回るのだった。
鉄中棠は水霊光がとらわれている朱藻の館にようやく到着し、水霊光と再会する。朱藻は鉄中棠を丁重に迎えるが、水霊光を簡単には手放そうとはしない。
朱藻は、かつて自分が破った二つの陣を鉄中棠も破ることが出来れば水霊光を帰すと申し出た。
鉄中棠は、第一陣の削香剣陣を天耳通を使って難なく破る。しかし第二陣の仙女脱衣陣では、相手に惑わされて破ることが出来ない。
朱藻はもう一度だけ挑戦できるチャンスを鉄中棠に与えた。
第11週(21章)
風九幽に操られていた鉄漢に吹き飛ばされ、夜帝夫人が住む「死門」へ入ってしまった鉄中棠。
夜帝夫人から一度は追い出されそうになるが、深手を負っているのに何が何でも水霊光を助けると言うその心意気に夫人が感服する。
そして夫人は自身の内力で傷を治してくれるという。
石室の外では、「生門」に逃げ隠れた朱藻を捕らえるため、風九幽らが扉を壊そうとしていた。
夜帝夫人の治療により回復した鉄中棠は、死門を飛び出し、風九幽らを退散させる。
その後、夜帝夫人は自分の亡骸を石室の奥へ葬るよう遺言を残して息を引き取った。
一度は山を降りた風九幽だったが、夜帝夫人が自分達に何のお咎めもなかったことに違和感を抱き、司徒笑らを引き連れて朱藻の屋敷へ戻る。
屋敷にも石室にも人の姿がないため、夜帝夫人らが逃げたと思った風九幽は、谷ごと焼き払ってしまえと火を放つ。
その時、朱藻と鉄中棠と水霊光は、夜帝夫人の通夜を行うため石室の奥に潜んでいたのだった。
その頃、少林寺で傷を癒していた雲錚は、無色大師から一通の手紙を託される。
それは、何処にあるのか誰も知らない「常春島」への手紙であった。
第12週(23章)
鉄中棠の頼みを受けた朱藻と水霊光は、雲鏗の住む王屋山の再生草芦(さいせいそうろ)へ向かっていた。
無事に出会った一同に雲鏗は自分の過去について告白する。
鉄中棠の手紙には、雲鏗に朱藻と水霊光が結ばれるよう仲を取り持ってほしいと書いてあった。
しかし雲鏗が二人に話を聞くと、朱藻は水霊光に思いを寄せているが、水霊光は鉄中棠を深く愛しているという。
鉄中棠の真意がつかめない雲鏗は、鉄中棠に会うために出かけていく。
常春島の近くの廟では、黒衣の天使たちに連れられてきた温黛黛が、偶然鉄中棠と出会っていた。
温黛黛が常春島へ行くことを話すと、夜帝夫人の言葉を思い出した鉄中棠も行くことにする。
その頃、雲錚は沈杏白に騙され冷一楓の馬車の中で目を覚ました。
温黛黛が助けようとするが、沈杏白に阻まれる。
そこへ黒衣の天使が現れ二人に助太刀をする。
騒ぎを聞きつけた雷鞭や五福も来て乱闘が始まり、その隙に雲錚と黛黛は馬車に乗って逃げ出した…。
第13週(25章)
再生草芦に戻った雲鏗は、鉄中棠の死を水霊光にはしばらく秘密にしておくつもいりでいたが、墓の前にいるところを見つかってしまう。
水霊光は泣き叫び、悲しみに暮れた果てに自ら首を吊ってしまった…。
崖から落ちた鉄中棠は近くの洞窟に迷い込んでいた。
その洞窟には鎖につながれた老人が座っていた。すぐにこの人物が、朱藻の父親・夜帝であることに気が付いた鉄中棠は、朱藻と義兄弟であることを話す。
喜んだ夜帝は、自ら鎖を外し奥の部屋に鉄中棠を迎えるのだった。
温黛黛は日后に雲錚を殺されたと思い、悲嘆にくれていた。しかし日后は、温黛黛のためを思って隔離しただけであった。
日后は雲錚を呼び出し、自分が大旗門によって愛する息子や夫と引き裂かれたことを打ち明ける。
一度は自殺を図った霊光だったが、雲鏗や朱藻たちに励まされ、徐々に生きる意欲を取り戻す。
そして中棠の遺志に従い、朱藻と結婚することを承諾、祝言は三日後に再生草芦で行われることが決まったのだったが…。
第14週(27章)
鉄中棠は夜帝から武芸を教わるが、水霊光と朱藻のことが気になって集中できず、内功に支障をきたし療養することになる。
その頃、水霊光と朱藻は婚礼の式を進めていた。
だが式の最中に訪れた盛存孝により、水霊光が夜帝の娘であり、朱藻とは実の兄妹であることが告げられる。
衝撃を受ける朱藻。
常春島では雲錚が修行を続けていた。わが息子の成長具合を見た日后は、五福連盟と大旗門の怨恨についてようやく語り始めた。
日后から大旗門と五福連盟の怨恨の原因を聞かされた雲錚と霹靂火は、どちらにも非があったことを認め、和解した。
その後、鉄中棠は夜帝の洞窟の外で、探しに来た雲錚らと再会を果す。
鉄中棠と雲錚、霹靂火らは五福連盟と大旗門の恨みを解く方法を相談する。
そしてとりあえず雲錚は霹靂火、海大少と共に五福連盟の面々を説得しに、鉄中棠は雲鏗を迎えにいくことにするのだったが…。
第15週(29章)
朱藻を探しに一人旅に出た水霊光は、道中で沈杏白につかまるが、危ないところで陰嬪に助けられる。
二人が食事をしていると、かつて陰嬪が両目をえぐった男が物乞いとして現れる。
陰嬪はその落ちぶれた姿に厳しい態度をとったが、それは哀れみによるものであった。
司徒笑ら五福連盟は、大旗門の討伐のため雷鞭親子に助力を求めていた。そこへ偶然、温黛黛が現れる。
司徒笑は温黛黛を捕らえようとするが、雷鞭は息子の嫁に無礼をはたらいたと憤慨し、一時は騒然となる。
しかし単純な雷鞭は、司徒笑が謝罪するとあっさり許した。
その場を逃れた温黛黛は、水霊光と陰嬪の二人に出くわす。合流した三人は、追ってきた雷鞭に捕らえられそうになるが、どうにか逃れて尼寺へ身を隠すことができた。
鉄中棠と冷青萍は、毒ヘビを集めている沈杏白を見かけて様子を探る。
すると、冷一楓が[歹食]毒大師のもとで邪教の修行をしている場面に遭遇する。
劇毒を身に付け人間離れしていく冷一楓に対し、娘の冷青萍は修行をやめるよう必死に説得するが、冷一楓は聞く耳を持たない。
失意の冷青萍と共に王屋山への旅を続ける鉄中棠は旅の途中の宿屋で朱藻を見つける。
夜帝の命令を果たすため、宿で寝ている朱藻に夜討ちをかけるが…。
第16週(31章)
温黛黛を捕らえた雷鞭は、雷小雕が拒むのも聞かず二人の婚礼の準備を急ぐ。
式は司徒笑が所有する、芙蓉鎮にある屋敷で執り行うこととなった。
雲錚は霹靂火の手下から司徒笑らが芙蓉鎮の屋敷で雷小雕と温黛黛の婚礼の準備をしているという報告を聞き、海大少、霹靂火と共に急いで芙蓉鎮へ向かう。
そして婚礼の時。表へ出て雷小雕と共に気の進まない婚礼を始めたところ、雲錚が護衛たちを倒して飛び込んできた。
鉄中棠、朱藻、陰嬪も次々と現れる。
雲錚と温黛黛、鉄中棠と水霊光は久しぶりの再会を喜び合う。
女たちに逃げられることとなった雷鞭は、今度は陰嬪を捕らえようとする。
するとそこへ朱藻が対戦を名乗り出た。少し嬉しい気持ちになりながらも、朱藻を心配する陰嬪。
戦いは雷鞭の方が優勢だった。
朱藻が投げ飛ばされ、雷鞭はとどめの一撃を放つ…。
第17週(33章)
冷一楓は、[歹食]毒大師の手により真の毒神へとなりつつあった。
鉄中棠は[歹食]毒大師の元から冷青萍を救い出すが、毒が脳まで回った冷青萍は気がふれてしまっていた。
哀れな冷青萍の様子を見て、鉄中棠は彼女を少林寺の無色大師のもとへ連れて行く。
水霊光は、花双霜の館で目覚めていた。
花双霜は水霊光のことを、生き別れた娘の花霊鈴だと勘違いして再会を喜ぶ。
水霊光はそんな花双霜の姿を自分の母親と重ねてしまう。
隙を見て一旦は花双霜から逃げようとするが、愛する娘を再び失って号泣する花双霜を見捨てることができず、水霊光は娘のふりをして花双霜のもとに戻る。
温黛黛は雲錚を捜している途中、雲翼ら大旗門が潜伏する洞窟へと連れ去られた。
雲翼の前で、自分は雲錚の妻であると告白するが、雲翼は憤慨し温黛黛を縛り上げようとする。
そんな時、鉄中樹から司徒笑ら五福が集結している報告が届いた…。
第18週(35章)
山林で偶然雷鞭に見つかってしまった温黛黛は、大旗門が潜む谷底へ逃げる。雲翼は追ってきた雷鞭と戦うが、あっさり負けてしまった。
その頃、盛大娘は黒星天を呼び出して雷鞭の暗殺計画を企てていた。
妻子とめぐり合えた雲鏗は幸せをかみしめていたが、一方には大旗門に対する責任を果たすべく、すぐに発たなければならない現実があった。
そんな雲鏗のつらい気持ちを察した鉄中棠は、雲鏗に残って妻子と一緒に暮らしていいと言う。
雲鏗はうしろめたさを感じながらも鉄中棠の思いやりに感謝する。
しかし妻の冷青霜は大旗門の使命を果たすよう後押しする。雲鏗は涙ながらに妻と別れ、鉄中棠の後を追った。
酒を飲み交わす雷鞭と雲翼は意気投合する。
五福が卑劣にも自分の暗殺を企てていることを知った雷鞭は怒り心頭し、大旗門の五福討伐に協力することを約束する。
追われる五福は、再び風九幽に助太刀を頼み、高額の30万両を支払う。すると、風九幽は魂を操られた雲錚と鉄漢を連れてきて雷鞭と対戦させた。
雲翼や温黛黛の頼みで雷鞭は攻撃できなくなり、大旗門はひとまず退散した。
温黛黛は雲錚を助けるため五福が留まる屋敷に忍び込むが、すぐに見つかってしまう。
だが風九幽に秘宝のありかを教える代わりに雲錚を返してもらうとの約束を取り付けることができた。
風九幽は温黛黛を連れて、勝手に宝探しへ出かけてしまったため、司徒笑らは一時解散して機を待つことにする。
その頃雷鞭は温黛黛の行方を心配していたが、捜してほしいとの依頼に雲翼は聞く耳をもたなかった。
第19週(37章)
雲錚と鉄漢は風九幽に魂を操られていたが、風九幽は鉄中棠の持っていた嫁衣神功の奥義書と引き換えに雲錚と鉄漢を解放する。
意識を取り戻した2人に鉄中棠が旅籠での一件について尋ねると、その場にいた仲間は水霊光も含めみな毒で死んだと伝えられる。
鉄中棠は嘆き悲しみ、水霊光の亡骸は温黛黛が花畑に置いたと聞いて、その場所へ向かう。
花畑に着いた鉄中棠だったが、水霊光の亡骸は見当たらない。悲しみに暮れていると、そこへ花双霜が現れた。鉄中棠を敵だと勘違いした花双霜のあとを追うと、たどり着いた花双霜の家にはなんと死んだはずの水霊光が、花双霜の娘のふりをして暮らしていた。
二人は抱き合って再会を喜び、水霊光は花双霜に鉄中棠を婚約者として紹介する。鉄中棠は数日の間、花双霜の家で過ごすことになった。
雲翼と会った雲錚は、さっそく大旗門と五福との怨恨を解消すべく、母親の日后から聞いた怨恨の原因について雲翼に伝えるが、取り合ってはくれない。
そこへ再び盛大娘が現れた。雲錚は、とどめを刺されそうになった盛大娘をかばって逃がしてしまう。裏切り者だと憤る雲翼と、雲錚はついに言い合いとなり、隠れ処から飛び出す。
雲翼の説得は温黛黛にまかせ、雲錚が1人酒を飲んでいると、偶然雷小雕と出合う。連れ立って歩いていると、雷小雕はずっと捜していた婚約者の花霊鈴らしき人物を見つけた。しかしその人物は記憶を失っていて雷小雕のことが分からないのだった。
その頃、嫁衣神功の奥義書を手に入れた風九幽は、姉弟子の卓三娘と奥義書の奪い合いをしていた。しかし、そこで奥義書を手に入れたのは偶然通りかかった沈杏白だった…。
第20週(39章)
鉄中棠は[歹食]毒大師が毒神を誕生させたことを雲翼に伝え、五福と協力して毒神を倒すことを訴えるが、雲翼は頑として聞き入れない。
そこへ[歹食]毒大師と毒神が現れ鉄漢が犠牲となった。
雲翼はようやく五福とともに毒神らと戦うことを承諾する。
毒神の追っ手を逃れようと林道を行く一同の前に、夫の雲鏗を心配して捜しに来た冷青霜が現れた。
雲鏗は帰るよう説得するが、毒神が間近に迫ってきたので結局一緒に逃げることになった。
風九幽は嫁衣神功の修練を行い、激痛に苦しみ始めていた。
山中で毒神と出くわすと沈杏白を犠牲にして逃げ、その最中に鉄中棠ら一行と出会い風九幽はとりあえず鉄中棠らと共に逃げることにした。
毒神から一時離れることができた一同の前に、今度は冷青萍が現れた。
毒で脳を冒された青萍は、安全な場所があると言って一同を山の上へ連れて行く。そこには誰も知らなかった祠があった。
一同が怨恨の原因について話している途中、風九幽はわれ関せずと祠から外へ出ようとするが、門の外で毒神に出会いやむなく中に戻る。
嫁衣神功の修練により激痛に苦しむ風九幽を見て、鉄中棠は内力を他人へ全て譲り渡すことが助かる道だと助言する。
それを聞いた司徒笑、白星武、盛大娘は自分に譲ってくれとこぞって進み出る。
風九幽は卑劣な五福の連中には内力を譲る価値はないと彼らを罵倒する。
そして五福と大旗門との恩讐をくだらないと笑いながらも己の惨めな運命に泣くのだった。
明代の末期、鉄血大旗門は、武林の盟主として仰がれていた。
ある時、その支配下にあった寒楓堡、天武[金票]局、落日牧場、盛家荘園、霹靂堂が五福連盟を結成し、突然、大旗門の本拠地に攻め込んだ。
大旗門の弟子たちは、大多数が惨殺され、第二代掌門の雲楓と鉄柳も非業の死を遂げた。鉄柳の息子・鉄毅と鉄青箋は身を挺して仲間を逃がすが、二人は敵と共に谷底に落ちて生死不明となる。
追手から逃れた若い世代は、塞外(さいがい:「万里の長城の外」の意、北方の僻地)へ逃れ、その地に住み着いた。
第三代の掌門となった雲楓の息子・雲翼を中心に、大旗門の面々は一門を立て直すべく、五福連盟への復讐を固く誓い、雪深い山中でひたすら厳しい武術修業に励む。
数十年後、大旗門はついに復讐の機会を迎えた。寒楓堡の当主である冷一楓の50歳の誕生祝いに、五福連盟の面々が一堂に会するという情報を第四世代の一番弟子・雲鏗がつかんだのだ。
だが、雲鏗は敵の動きを見張っているうち、冷一楓の長女・冷青霜と恋に落ちていた。
大旗門は精鋭を率いて寒楓堡に討ち入るが、危機を察知し迎撃の準備を万全に整えていた冷一楓たちの返り討ちに遭い、やむなく大旗門は撤退する。
戦いの最中、雲鏗と冷青霜は手を取り合って逃げ出す。青霜は妊娠しており、子供のためにも父親世代の恨みは忘れ、このまま遠くに逃げようと懇願する。だが雲鏗は大旗門の男としての責任を全うするために、青霜を置いて仲間の元に戻るのだった。
雲翼と掌刑の雲九霄は、掟を破った罰として雲鏗に五馬分屍の刑(頭部と四肢を五頭の馬に引かせて体をバラバラにして処刑する)を言い渡し、鉄中棠を執行役に命じた。
雲鏗の弟・雲錚は鉄中棠を激しく責めるが、逆に宿敵の五福連盟こそが本当の仇だと諭される。そして二人は五福連盟に闇討ちをかけるために、寒楓堡に忍び込むが…。
第2週(3章)
崖から谷底に叩き落とされた鉄中棠は、心優しい美少女、水霊光に介抱されていた。水霊光は生まれたときからこの谷底にある洞窟で、母親と2人きりで生活していたという。
不審者と思われ、水霊光の母親に捕らえられた鉄中棠は探りを入れながら話をしていくうち、彼女が盛大娘の息子である盛存孝の3番目の妻、水柔頌であることを知った。
水柔頌は不信感をあらわにしたまま、19年前の出来事を語り始める。
当時、五福連盟は大旗門と数日間にわたる激戦を繰り広げていた。戦に出ていた水柔頌は子供を身ごもっていたため、先に帰らせてほしいと盛大娘に頼んだが、息子の愛を嫁に奪われることを恐れた盛大娘は、水柔頌を谷底に突き落としてしまったという。
全ての男に不信感を抱いていた水柔頌に鉄中棠は洞窟を追い出されるが、見かねた水霊光が秘密の洞窟に案内する。その洞窟には、水霊光の友達だった「おじさん」が住んでいたという。秘密の洞窟の中にたたずむ「おじさん」には手足がなく、すでにミイラ化していた。
一方、意識を取り戻した雲錚は温黛黛の美しさに心を奪われ、そのかいがいしい介抱と哀れな身の上話にすっかり騙されていた…。
第3週(5章)
洛陽城北の李洛陽の屋敷で行われる宝石大会に参加した黒星天らの後を追い、雲錚も温黛黛をつれてやってきた。鉄中棠も気難しい老富豪に変装して屋敷に入り込む。
李家には、その他にも馮百万という山西の富豪と護衛の潘乗風たち、貧しい身なりだがすばらしい真珠を持ち込んだ中年女と連れの少年など、いわくありげな人々が集まってくる。
主人の李洛陽は李家の掟に従い、どんな人物も客として受け入れ、もてなしていた。
雲錚が司徒笑の妾に骨抜きにされ、大旗門の本拠に案内させられる恐れがあると知った鉄中棠は、それを阻止しようと計画を練る。
それぞれの思惑が交錯する中、宝石大会が始まった。温黛黛は宝石を見て目の色を変えるが、価値のあるものは手に入らず、雲錚に八つ当たりし、不満をぶつける。
それを見た鉄中棠は雲錚と温黛黛を引き離すために、宝石が手に入らず焦れている温黛黛の強欲さを利用しようと大会の進行役を買収、ひと芝居打つ。
そのからくりを知った潘乗風は謎の老富豪が黛黛を手に入れようとしていると勘違い。バラされたくなかったら自分を雇えと変装した中棠に迫る。女癖の悪い潘乗風は水霊光に目をつけていたのだ。中棠は相手の出方を見るために承知するが…
第4週(7章)
潘乗風への仇討ちのため、李洛陽らに「9日以内に命を奪う」予告である奪魂珠を渡した九子鬼母・陰儀。
対するのは李家に残り襲来に備えることとなった、雲錚と鉄中棠、そして五福連盟の面々。水霊光は屋敷から脱出したが、鉄中棠のことを思うとどうしても逃げることが出来ず、近くの宿で様子を伺っていた。
そんな中、鉄中棠は温黛黛に捨てられて飲んだくれている雲錚のために、潘乗風を使い、そもそも温黛黛が司徒笑と結託して雲錚を騙していたことを分からせる。
事情を理解した雲錚は、屋敷を去ろうとしたが、九子鬼母の弟子に阻まれ、外に出ることが出来ない。
鉄中棠と屋敷内の侠客一同は、九子鬼母との直接対決を決意する。
一同は九子鬼母・陰儀とその弟子との戦いを繰り広げるが、どうにも歯が立たない。そこへ、陰儀に世話になっていた水霊光が現れる。
水霊光は、陰儀らを撤退させようと必死に説得していたのだった。水霊光に連れられて門外へ出た鉄中棠は、陰儀と会い、交渉を始める…
第5週(9章)
大旗門の秘宝を狙う黒星天は、弟子の沈杏白、鉄中棠の叔父である鉄青箋、そして小雷神を協力者として、秘宝のありかへ向かう準備を進める。
宝石を持って逃げた温黛黛を追う司徒笑とは別行動を取るために、一芝居をうって白星武と二手に分かれることとなった。
一方、黒星天が秘宝のありかを突き止めたことを知った鉄中棠は、水霊光と共に先回りして水霊光が生まれ育った谷へと急ぐ。
水霊光が母親・水柔頌の住む洞窟をのぞいてみると、母親は娘を失った悲しみで正気を失っていた。
水霊光は一度は引き返すが鉄中棠に励まされて再び洞窟を訪れ、久々の母娘再会を果たす。だが鉄中棠の姿を見た水柔頌は憤慨し、鉄中棠を殺そうとする。
ひとまず退散した鉄中棠たちは、水柔頌の様子を見ながら話し合いの機会を待つ。
その時爆音が響いた。黒星天たちが秘宝を手に入れるため、大旗門の裏切り者と共に、とうとう秘密の洞窟へたどり着いてしまったのだ…。
第6週(11章)
鉄中棠と従兄妹だったというショックで、鉄中棠の元を去った水霊光は、九子鬼母の鬼谷にいた。
鬼谷に来てからずっとふさぎ込んでいる水霊光のことを心配した小華は、事情を知ろうと鉄中棠を捜しに出る。結ばれぬ運命の水霊光と別れて傷心の鉄中棠を、小華は眠り薬を振りかけて気絶させ、連れ去っていく。
連れ去る途中、小華は豆腐屋へ立ち寄り腹ごしらえをする。そこは鉄中棠の兄弟子である雲鏗の妻・冷青霜が営む店だった。
気を失っている鉄中棠に気づいた冷青霜は不審に思い、小華を眠り薬で眠らせる。
その時、黒星天の弟子・沈杏白が豆腐屋を訪れた。沈杏白は冷青霜に気づき、また眠っている鉄中棠も見つける。沈杏白は秘宝を独り占めしようと鉄中棠を連れ去ってしまった。
眠っている鉄中棠を担いで歩く沈杏白は、疲労に耐え切れず、馬車に乗って通りかかった美女に、一晩の宿を借りることにした。しかしそこは、男を身ぐるみはがすまで金を騙し取ることで有名な黄蜂銷金窩という妓楼だった。
その妓楼の厨房では冷青霜の妹、冷青萍が働いていた。鉄中棠に気づいた冷青萍は、沈杏白に眠り薬を飲ませて鉄中棠と共に妓楼から逃げだす。
鉄中棠を逃がしたことを責められ危機一髪の冷青萍。そこへ陰儀が弟子たちを従え乗り込んで来た…
第7週(13章)
水霊光は涙ながらに江湖へ鉄中棠を捜す旅に出ることを懇願する。陰儀は承諾し、水霊光は小華と共に旅に出た。
大旗門の秘法を探す黒白双星と司徒笑ら一同は、大旗門の男が現れたという情報を入手する。偶然その場に居合わせた水霊光はその男が鉄中棠では無いかと考え、小華から離れて一同の後を追うが、途中で見つかり捕らえられてしまう。
そのころ、鉄中棠が海大少、霹靂火と共に歩いていると、盛大娘が趙奇剛らと戦っているのに出くわす。趙奇剛はかつて寒楓堡を裏切り、鉄中棠を逃がしていたのだった。
盛大娘は趙奇剛の義娘、柳荷衣に天女針を浴びせて瀕死の状態にするが、盛存孝がこっそり落としていった解毒薬を飲んで一命を取りとめる。趙奇剛らと意気投合した海大少、霹靂火が気づいたときには、すでに鉄中棠の姿はなかった。
水霊光を捜す小華は、町で温黛黛と雲錚の二人に出会う。憧れの温黛黛に会えてはしゃぐ小華だが、雲錚に首根っこをつかまれる。そこへ艾天蝠が現れ、雲錚の一言が発端で二人は対戦することになる。
雲錚は一撃もくらわすことができず艾天蝠の前に倒れるが、気力だけは負けず、最後に艾天蝠の頬を打つことができた。
雲錚に顔を打たれた艾天蝠は、ショックのあまり自殺しようとしていた。小華に遺言を残し、崖から飛び降りようとしたその時、どこからか自分を罵る声が響いてきた…
怪我をした雲錚を心配する温黛黛は、隠れ屋敷が司徒笑らに見つかったことを知りあわてて逃げ出す。屋敷に夜討ちかけた司徒らは屋敷がもぬけの殻と知り悔しがる。
一方、鉄中棠は偶然「小小少林寺」という寺に逃げ込む。寺の主の雷鞭は豪快な気性の達人だった。
そこに顔に紗の薄布をかけた女性が現れる。彼女は雷鞭が軟禁していた陰嬪だった。陰嬪は陰儀の妹で、美しいが残虐非道な女だった…。
第8週(15章)
水霊光を朱藻から取戻すために道を急ぐ鉄中棠と艾天蝠。しかし艾天蝠は朱藻と戦ったときのダメージで、耳を悪くしていた。
二人は義兄弟の契りを交わし、艾天蝠は自ら編み出した天耳通の技を鉄中棠に受け継がせる。
一方、温黛黛は瀕死の雲錚を救うため、少林寺の門前にいた。住職が修行中のため一度は断られるが、雷鞭が通りかかり住職の無色大師にかけあってくれると言う。
ただしその代わりに温黛黛は40日後、雷鞭に身を売ると約束してしまった。
少林寺の無色大師の好意で高僧の治療を受けた雲錚は徐々に回復する。しかし意識朦朧とした中で聞いた黛黛と雷鞭のやり取りを誤解し、彼女が自分を捨てて他の男の元に走ったと思い込んでいた。
黛黛は少林寺近くのあばら家で野菜を育てながら健気に雲錚の回復を待ち続けており、毎日面会に向かうが、ようやく会えた雲錚に冷たくされてしまう。
[山労]山に到着した水霊光は、朱藻の誘いには乗らず、朱藻の館で中棠の助けを待っていた。朱藻の恋人の一人、陰嬪は彼の関心を一身に集める霊光に嫉妬し、策略を巡らすのだった…
第9週(17章)
人形は陰嬪の部屋で見つかった。報告を受けた朱藻は陰嬪をとがめ、外見の美にこだわる彼女に対し、水霊光の外見だけにとどまらない心の美しさについて語る。
一方、温黛黛は少林寺で養生している雲錚のもとへ連日面会に行くが、雲錚が会ってくれない。雲錚は温黛黛が雲錚のために雷鞭に身を売る約束をしたことを誤解して、自分が温黛黛に騙されたと思い込んでいるのだった。
小小少林寺の雷鞭は、息子の雷小雕に温黛黛を娶らせようとしていた。しかし雷小雕には霊鈴という思い人がいた。
雷小雕は、長い間行方不明となっている霊鈴を町で見かけたと話し、雷鞭の話をかたくなに拒む。
水霊光を救い出すため旅を続けていた鉄中棠と艾天蝠だったが、盲目なうえに耳も不自由になった艾天蝠は鉄中棠の足手まといとなっていることを痛感し、手紙を残して一人宿を去っていく。
朱藻の館では満開の花の中、朱藻から熱い思いを寄せられている水霊光がひたすら鉄中棠が助けに来るのを待っていた…。
朱藻の母親に助けを求めようと考えた水霊光は、こっそり会いに行き、危うく夫人に倒されそうになる。
だが霊光は、暗い場所で一人暮らす夫人と自分が育った境遇が、内功の修行を誤ったせいで下半身が不自由になった夫人と母親のことが重なり、深い同情を覚えるのだった。
第10週(19章)
鉄中棠を捕らえるため風九幽に助っ人を頼もうとした司徒笑らだったが、風九幽の摂魂大法の術により真の目的が大旗門の秘宝を手に入れることだとバレてしまう。
風九幽は協力を了承するが、既にその前に朱藻を糾弾するという依頼が来ていた。鉄中棠との関連を予感した司徒笑らは風九幽についていくことにする。
一方、雲錚に突き放された温黛黛は、やけになって雷鞭に体を捧げようとする。しかし雷鞭は温黛黛の体が目当てではなかった。雲錚への想いを断ち切るかのように、温黛黛は妓楼を貸しきって散財する。
そのころ、無色大師から事情を聞いた雲錚は、自分の命を救ってくれた温黛黛のことを誤解していたことに気づき、彼女を捜し回るのだった。
鉄中棠は水霊光がとらわれている朱藻の館にようやく到着し、水霊光と再会する。朱藻は鉄中棠を丁重に迎えるが、水霊光を簡単には手放そうとはしない。
朱藻は、かつて自分が破った二つの陣を鉄中棠も破ることが出来れば水霊光を帰すと申し出た。
鉄中棠は、第一陣の削香剣陣を天耳通を使って難なく破る。しかし第二陣の仙女脱衣陣では、相手に惑わされて破ることが出来ない。
朱藻はもう一度だけ挑戦できるチャンスを鉄中棠に与えた。
第11週(21章)
風九幽に操られていた鉄漢に吹き飛ばされ、夜帝夫人が住む「死門」へ入ってしまった鉄中棠。
夜帝夫人から一度は追い出されそうになるが、深手を負っているのに何が何でも水霊光を助けると言うその心意気に夫人が感服する。
そして夫人は自身の内力で傷を治してくれるという。
石室の外では、「生門」に逃げ隠れた朱藻を捕らえるため、風九幽らが扉を壊そうとしていた。
夜帝夫人の治療により回復した鉄中棠は、死門を飛び出し、風九幽らを退散させる。
その後、夜帝夫人は自分の亡骸を石室の奥へ葬るよう遺言を残して息を引き取った。
一度は山を降りた風九幽だったが、夜帝夫人が自分達に何のお咎めもなかったことに違和感を抱き、司徒笑らを引き連れて朱藻の屋敷へ戻る。
屋敷にも石室にも人の姿がないため、夜帝夫人らが逃げたと思った風九幽は、谷ごと焼き払ってしまえと火を放つ。
その時、朱藻と鉄中棠と水霊光は、夜帝夫人の通夜を行うため石室の奥に潜んでいたのだった。
その頃、少林寺で傷を癒していた雲錚は、無色大師から一通の手紙を託される。
それは、何処にあるのか誰も知らない「常春島」への手紙であった。
第12週(23章)
鉄中棠の頼みを受けた朱藻と水霊光は、雲鏗の住む王屋山の再生草芦(さいせいそうろ)へ向かっていた。
無事に出会った一同に雲鏗は自分の過去について告白する。
鉄中棠の手紙には、雲鏗に朱藻と水霊光が結ばれるよう仲を取り持ってほしいと書いてあった。
しかし雲鏗が二人に話を聞くと、朱藻は水霊光に思いを寄せているが、水霊光は鉄中棠を深く愛しているという。
鉄中棠の真意がつかめない雲鏗は、鉄中棠に会うために出かけていく。
常春島の近くの廟では、黒衣の天使たちに連れられてきた温黛黛が、偶然鉄中棠と出会っていた。
温黛黛が常春島へ行くことを話すと、夜帝夫人の言葉を思い出した鉄中棠も行くことにする。
その頃、雲錚は沈杏白に騙され冷一楓の馬車の中で目を覚ました。
温黛黛が助けようとするが、沈杏白に阻まれる。
そこへ黒衣の天使が現れ二人に助太刀をする。
騒ぎを聞きつけた雷鞭や五福も来て乱闘が始まり、その隙に雲錚と黛黛は馬車に乗って逃げ出した…。
第13週(25章)
再生草芦に戻った雲鏗は、鉄中棠の死を水霊光にはしばらく秘密にしておくつもいりでいたが、墓の前にいるところを見つかってしまう。
水霊光は泣き叫び、悲しみに暮れた果てに自ら首を吊ってしまった…。
崖から落ちた鉄中棠は近くの洞窟に迷い込んでいた。
その洞窟には鎖につながれた老人が座っていた。すぐにこの人物が、朱藻の父親・夜帝であることに気が付いた鉄中棠は、朱藻と義兄弟であることを話す。
喜んだ夜帝は、自ら鎖を外し奥の部屋に鉄中棠を迎えるのだった。
温黛黛は日后に雲錚を殺されたと思い、悲嘆にくれていた。しかし日后は、温黛黛のためを思って隔離しただけであった。
日后は雲錚を呼び出し、自分が大旗門によって愛する息子や夫と引き裂かれたことを打ち明ける。
一度は自殺を図った霊光だったが、雲鏗や朱藻たちに励まされ、徐々に生きる意欲を取り戻す。
そして中棠の遺志に従い、朱藻と結婚することを承諾、祝言は三日後に再生草芦で行われることが決まったのだったが…。
第14週(27章)
鉄中棠は夜帝から武芸を教わるが、水霊光と朱藻のことが気になって集中できず、内功に支障をきたし療養することになる。
その頃、水霊光と朱藻は婚礼の式を進めていた。
だが式の最中に訪れた盛存孝により、水霊光が夜帝の娘であり、朱藻とは実の兄妹であることが告げられる。
衝撃を受ける朱藻。
常春島では雲錚が修行を続けていた。わが息子の成長具合を見た日后は、五福連盟と大旗門の怨恨についてようやく語り始めた。
日后から大旗門と五福連盟の怨恨の原因を聞かされた雲錚と霹靂火は、どちらにも非があったことを認め、和解した。
その後、鉄中棠は夜帝の洞窟の外で、探しに来た雲錚らと再会を果す。
鉄中棠と雲錚、霹靂火らは五福連盟と大旗門の恨みを解く方法を相談する。
そしてとりあえず雲錚は霹靂火、海大少と共に五福連盟の面々を説得しに、鉄中棠は雲鏗を迎えにいくことにするのだったが…。
第15週(29章)
朱藻を探しに一人旅に出た水霊光は、道中で沈杏白につかまるが、危ないところで陰嬪に助けられる。
二人が食事をしていると、かつて陰嬪が両目をえぐった男が物乞いとして現れる。
陰嬪はその落ちぶれた姿に厳しい態度をとったが、それは哀れみによるものであった。
司徒笑ら五福連盟は、大旗門の討伐のため雷鞭親子に助力を求めていた。そこへ偶然、温黛黛が現れる。
司徒笑は温黛黛を捕らえようとするが、雷鞭は息子の嫁に無礼をはたらいたと憤慨し、一時は騒然となる。
しかし単純な雷鞭は、司徒笑が謝罪するとあっさり許した。
その場を逃れた温黛黛は、水霊光と陰嬪の二人に出くわす。合流した三人は、追ってきた雷鞭に捕らえられそうになるが、どうにか逃れて尼寺へ身を隠すことができた。
鉄中棠と冷青萍は、毒ヘビを集めている沈杏白を見かけて様子を探る。
すると、冷一楓が[歹食]毒大師のもとで邪教の修行をしている場面に遭遇する。
劇毒を身に付け人間離れしていく冷一楓に対し、娘の冷青萍は修行をやめるよう必死に説得するが、冷一楓は聞く耳を持たない。
失意の冷青萍と共に王屋山への旅を続ける鉄中棠は旅の途中の宿屋で朱藻を見つける。
夜帝の命令を果たすため、宿で寝ている朱藻に夜討ちをかけるが…。
第16週(31章)
温黛黛を捕らえた雷鞭は、雷小雕が拒むのも聞かず二人の婚礼の準備を急ぐ。
式は司徒笑が所有する、芙蓉鎮にある屋敷で執り行うこととなった。
雲錚は霹靂火の手下から司徒笑らが芙蓉鎮の屋敷で雷小雕と温黛黛の婚礼の準備をしているという報告を聞き、海大少、霹靂火と共に急いで芙蓉鎮へ向かう。
そして婚礼の時。表へ出て雷小雕と共に気の進まない婚礼を始めたところ、雲錚が護衛たちを倒して飛び込んできた。
鉄中棠、朱藻、陰嬪も次々と現れる。
雲錚と温黛黛、鉄中棠と水霊光は久しぶりの再会を喜び合う。
女たちに逃げられることとなった雷鞭は、今度は陰嬪を捕らえようとする。
するとそこへ朱藻が対戦を名乗り出た。少し嬉しい気持ちになりながらも、朱藻を心配する陰嬪。
戦いは雷鞭の方が優勢だった。
朱藻が投げ飛ばされ、雷鞭はとどめの一撃を放つ…。
第17週(33章)
冷一楓は、[歹食]毒大師の手により真の毒神へとなりつつあった。
鉄中棠は[歹食]毒大師の元から冷青萍を救い出すが、毒が脳まで回った冷青萍は気がふれてしまっていた。
哀れな冷青萍の様子を見て、鉄中棠は彼女を少林寺の無色大師のもとへ連れて行く。
水霊光は、花双霜の館で目覚めていた。
花双霜は水霊光のことを、生き別れた娘の花霊鈴だと勘違いして再会を喜ぶ。
水霊光はそんな花双霜の姿を自分の母親と重ねてしまう。
隙を見て一旦は花双霜から逃げようとするが、愛する娘を再び失って号泣する花双霜を見捨てることができず、水霊光は娘のふりをして花双霜のもとに戻る。
温黛黛は雲錚を捜している途中、雲翼ら大旗門が潜伏する洞窟へと連れ去られた。
雲翼の前で、自分は雲錚の妻であると告白するが、雲翼は憤慨し温黛黛を縛り上げようとする。
そんな時、鉄中樹から司徒笑ら五福が集結している報告が届いた…。
第18週(35章)
山林で偶然雷鞭に見つかってしまった温黛黛は、大旗門が潜む谷底へ逃げる。雲翼は追ってきた雷鞭と戦うが、あっさり負けてしまった。
その頃、盛大娘は黒星天を呼び出して雷鞭の暗殺計画を企てていた。
妻子とめぐり合えた雲鏗は幸せをかみしめていたが、一方には大旗門に対する責任を果たすべく、すぐに発たなければならない現実があった。
そんな雲鏗のつらい気持ちを察した鉄中棠は、雲鏗に残って妻子と一緒に暮らしていいと言う。
雲鏗はうしろめたさを感じながらも鉄中棠の思いやりに感謝する。
しかし妻の冷青霜は大旗門の使命を果たすよう後押しする。雲鏗は涙ながらに妻と別れ、鉄中棠の後を追った。
酒を飲み交わす雷鞭と雲翼は意気投合する。
五福が卑劣にも自分の暗殺を企てていることを知った雷鞭は怒り心頭し、大旗門の五福討伐に協力することを約束する。
追われる五福は、再び風九幽に助太刀を頼み、高額の30万両を支払う。すると、風九幽は魂を操られた雲錚と鉄漢を連れてきて雷鞭と対戦させた。
雲翼や温黛黛の頼みで雷鞭は攻撃できなくなり、大旗門はひとまず退散した。
温黛黛は雲錚を助けるため五福が留まる屋敷に忍び込むが、すぐに見つかってしまう。
だが風九幽に秘宝のありかを教える代わりに雲錚を返してもらうとの約束を取り付けることができた。
風九幽は温黛黛を連れて、勝手に宝探しへ出かけてしまったため、司徒笑らは一時解散して機を待つことにする。
その頃雷鞭は温黛黛の行方を心配していたが、捜してほしいとの依頼に雲翼は聞く耳をもたなかった。
第19週(37章)
雲錚と鉄漢は風九幽に魂を操られていたが、風九幽は鉄中棠の持っていた嫁衣神功の奥義書と引き換えに雲錚と鉄漢を解放する。
意識を取り戻した2人に鉄中棠が旅籠での一件について尋ねると、その場にいた仲間は水霊光も含めみな毒で死んだと伝えられる。
鉄中棠は嘆き悲しみ、水霊光の亡骸は温黛黛が花畑に置いたと聞いて、その場所へ向かう。
花畑に着いた鉄中棠だったが、水霊光の亡骸は見当たらない。悲しみに暮れていると、そこへ花双霜が現れた。鉄中棠を敵だと勘違いした花双霜のあとを追うと、たどり着いた花双霜の家にはなんと死んだはずの水霊光が、花双霜の娘のふりをして暮らしていた。
二人は抱き合って再会を喜び、水霊光は花双霜に鉄中棠を婚約者として紹介する。鉄中棠は数日の間、花双霜の家で過ごすことになった。
雲翼と会った雲錚は、さっそく大旗門と五福との怨恨を解消すべく、母親の日后から聞いた怨恨の原因について雲翼に伝えるが、取り合ってはくれない。
そこへ再び盛大娘が現れた。雲錚は、とどめを刺されそうになった盛大娘をかばって逃がしてしまう。裏切り者だと憤る雲翼と、雲錚はついに言い合いとなり、隠れ処から飛び出す。
雲翼の説得は温黛黛にまかせ、雲錚が1人酒を飲んでいると、偶然雷小雕と出合う。連れ立って歩いていると、雷小雕はずっと捜していた婚約者の花霊鈴らしき人物を見つけた。しかしその人物は記憶を失っていて雷小雕のことが分からないのだった。
その頃、嫁衣神功の奥義書を手に入れた風九幽は、姉弟子の卓三娘と奥義書の奪い合いをしていた。しかし、そこで奥義書を手に入れたのは偶然通りかかった沈杏白だった…。
第20週(39章)
鉄中棠は[歹食]毒大師が毒神を誕生させたことを雲翼に伝え、五福と協力して毒神を倒すことを訴えるが、雲翼は頑として聞き入れない。
そこへ[歹食]毒大師と毒神が現れ鉄漢が犠牲となった。
雲翼はようやく五福とともに毒神らと戦うことを承諾する。
毒神の追っ手を逃れようと林道を行く一同の前に、夫の雲鏗を心配して捜しに来た冷青霜が現れた。
雲鏗は帰るよう説得するが、毒神が間近に迫ってきたので結局一緒に逃げることになった。
風九幽は嫁衣神功の修練を行い、激痛に苦しみ始めていた。
山中で毒神と出くわすと沈杏白を犠牲にして逃げ、その最中に鉄中棠ら一行と出会い風九幽はとりあえず鉄中棠らと共に逃げることにした。
毒神から一時離れることができた一同の前に、今度は冷青萍が現れた。
毒で脳を冒された青萍は、安全な場所があると言って一同を山の上へ連れて行く。そこには誰も知らなかった祠があった。
一同が怨恨の原因について話している途中、風九幽はわれ関せずと祠から外へ出ようとするが、門の外で毒神に出会いやむなく中に戻る。
嫁衣神功の修練により激痛に苦しむ風九幽を見て、鉄中棠は内力を他人へ全て譲り渡すことが助かる道だと助言する。
それを聞いた司徒笑、白星武、盛大娘は自分に譲ってくれとこぞって進み出る。
風九幽は卑劣な五福の連中には内力を譲る価値はないと彼らを罵倒する。
そして五福と大旗門との恩讐をくだらないと笑いながらも己の惨めな運命に泣くのだった。
雪山飛孤(せつざんひこ)
第1週(1章)
明朝末期に反乱を起こした闖王・李自成の護衛であった、『胡・苗・范・田』の四家には深い因縁があり、
胡家は100年近い間、残りの三家と戦ってきた。
田家の子孫である田帰農は、現在の皇帝・乾隆帝から3つの密命を受ける。
ひとつは胡家の子孫・胡一刀を討つこと。
一つは田帰農の義兄弟でもある苗家の子孫・苗人鳳も討つ事。
そして、闖王・李自成が隠したといわれる財宝を探し出すことだった。
田帰農は策略を巡らし、范家の子孫・范長風の弟・范長江を襲った。
「胡一刀にやられた」という田帰農の嘘を信じ、苗人鳳は胡一刀に、長白山での対決を申し込む。
出産間近の夫人と共に長白山に向かう胡一刀。道中で地元の用心棒に殴られていた平阿四を助ける。
平阿四は果し合いの待ち合わせ場所である宿の釜炊きだった。
第2週
胡一刀と苗人鳳の勝負は未だに決着がつかない。
その一方で互いへの信頼は戦うごとに増していった。
苗人鳳は唯一の心残りとして、自分が胡一刀に倒され死んだら弟一家の仇である商剣鳴を討って欲しいと願う。胡一刀もまた、自分が苗人鳳に倒されたら、生まれたばかりの息子・胡斐を育てて欲しいと願った。
二人は共に快諾し、更に胡一刀が夜を徹して商剣鳴の首を取ってきたことで、二人の間に確かな絆が生まれていた。
当てが外れた田帰農は二人まとめて始末しようと策を講じた。二人の武器に猛毒を塗りこんだのだ。
勝敗は決まったが、その猛毒によって胡一刀は命を落としてしまう。
それから10年後。
平阿四に育てられた胡斐は、遺された秘伝書である胡家刀法を学び、修行に励んでいた。
第3週
苗人鳳は妻となった南蘭と共に苗家に戻る。苗家は代々質素な農業を生業としていたが、役人の家に育った南蘭は贅沢放題であった。やがて娘の若蘭が生まれる。
それから数年、夫婦の間に亀裂が入り始めていた。南蘭は相変わらず贅沢でわがままな暮らしをし、苗人鳳の武芸にも理解を示さない。
田帰農は、残された密書を入手し秘密を解読するため、鉄花会の一味にやられたと称し、苗家に助けを求めた。 同じ武芸者でありながらも、金持ちで教養もある田帰農に南蘭は興味を示す。田帰農は苗夫婦の不和を利用しようと企んだ。
ある夜、苗家に火矢が飛んできて火災が起きた。燃える家の中から苗人鳳は胡一刀の位牌を持って出た。逃げ遅れた形になった南蘭と若蘭は田帰農によって助け出された。夫婦の溝はさらに深まり、ついには南蘭は田帰農と駆け落ちしてしまった。
第4週
胡一刀の墓前で鉄花会の使い手たちに囲まれた苗人鳳だったが、捕らえられた陶百歳の白状によって田帰農の企みは失敗に終わった。鉄花会の義侠心に感心した苗人鳳は彼らとよしみを結ぶ。
大雪の中、馬車が立ち往生してしまった田帰農と南蘭は、偶然通りがかった飛馬[金票]局の馬行空らに助けられる。馬行空は2人を近くの知人である商家堡の屋敷へ案内する。
商家堡のかつての主は、苗人鳳の代わりに仇討ちに来た胡一刀に殺された商剣鳴だった。妻の商夫人は胡一刀の死をいまだ知らず、仇討ちのために秘密の部屋を作り、息子の商宝震を厳しく鍛えていた。
屋敷での会話の中に苗人鳳の名前が出て、南蘭は動揺する。それに気づいた商夫人は田帰農らを怪しみ引きとめようとする。そこに苗人鳳と若蘭もやってきた。さらに平阿四・胡斐、盗賊の首領となっていた閻基までもやってきた…
第5週
鉄花会の元へ身を寄せた胡斐は、様々な使い手たちから武芸を授けられ、腕を上げていた。やがて、その素質を見込まれた胡斐は鉄花会の主・陳家洛の意向で天山に住む袁士霄に弟子入りすることになった。
それから月日がたち、陳家洛と徐天宏が袁士霄の元を訪ねると、そこには見違えるように成長し、さらに腕を上げた胡斐の姿があった。師匠に下山を許された胡斐は陳家洛の命で仏山の町に向かうことになった。
仏山で食事のために立ち寄った「英雄楼」で、その酒楼の持ち主で町の顔役・鳳天南が土地欲しさに鐘一家に無実の罪を着せて子供を死にやったという話を聞いて怒りを募らせる。
義侠心から鐘家の恨みを晴らすことを決めた胡斐は鳳天南をおびき出すため、鳳天南の質屋と賭場を荒らす。しかし本人はやってこず、代わりに息子の鳳一鳴がやってきた。
第6週
街で出会った謎の女性・袁紫衣は鉄火会の幹部を名乗り、30の掌門の令牌を集めているという。袁紫衣に翻弄され続ける胡斐。
その頃、田帰農は福康安に掌門人大会への協力を約束させる。朝廷はこの大会で武林の者達を集め、朝廷の意に反する人物を粛清しようとしているのだった。
袁紫衣の行動が気になる胡斐がこっそり後をつけると、2人の男が暗器で不意打ちするところを目撃する。男たちは掌門人大会の開催を妨害する者を捕らえろと命令されていたのだ。
暗器の毒で危機に陥った袁紫衣は胡斐の協力で辛うじて何を逃れるが、そのまま毒で倒れてしまう。2人の男から、朝廷の陰謀を聞き出した胡斐は、袁紫衣に協力を申し出る。袁紫衣は一週間でどちらが多く各門派から掌門の証である令牌を奪えるか勝負を挑む。そして、負けたら勝ったほうの願いを3つかなえることを約束するのだった。
第7週
袁紫衣と離れ傷心の胡斐は、占いに立ち寄った寺の帰りに南蘭を見かける。田帰農が随伴していないことを確かめた胡斐は、南蘭が苗人鳳に宛てた手紙を預かる。心中複雑ながらも、義に則り苗人鳳の家を目指す。
その途中、ある少女に出会った胡斐は、彼女に翻弄されながらも面倒を見ることにする。彼女の嘘を真に受けた胡斐は、探しにきた苗人鳳と戦うことになる。
苗人鳳の腕や義侠心に感服した胡斐だが、親の敵である疑いを拭い去れず、手紙だけ渡して一度はその場を去った。
一方、受け取った苗人鳳は音沙汰無しだった南蘭からの手紙を前に読むべきかどうか思いあぐねていた。手紙の主が母だと気づいた苗若蘭は、何とか手紙を読もうと考えていた。
一人になった胡斐は、天龍門の門弟から、苗人鳳に渡した手紙に毒が仕込んであったことを聞き出し、急いで苗人鳳の家に戻るが…。
第八週
胡斐と苗若蘭を助けた程霊素に胡斐は本名や薬王谷に来た目的を正直に打ち明けた。
翌朝、程霊素に毒消しの交換条件として約束した家事をやるよう命じる。かなりの重労働なので嫌がる苗若蘭だったが渋々従いはじめる。
すると、次第に毒が抜けていく若蘭。実は、この毒は汗をかくことで解毒を促すものであった。すっかり解毒を終えた若蘭をみて、程霊素が毒手薬王を知っているのではないかと感じる。
その時、先日胡斐を襲った小鉄が弟弟子を連れて花畑にやってきた。花を荒らす小鉄。しかし、その青い花には毒があった。小鉄の師匠である薛萼は毒消しを手に入れるため程霊素を呼び出す。
同行することにした胡斐は程霊素から3つの条件を守るように言われるが、薛萼に襲われた程霊素を守るため、約束を破ってしまう。
程霊素は怒ったが、胡斐の親切心を悟り喜ぶ。
帰り道、程霊素は胡斐に師匠と薛萼の話をする。師匠は毒を使って人助けをしていたが、毒手薬王の名が一人歩きしてしまったのだという。そして、薛萼は鉄花会の文泰来にかなわぬ恋をしたことが悪の道に進んでしまった原因だった。
第9週
苗人鳳は、田帰農が放った刺客の無相人と北斗七星に囲まれるが、間一髪胡斐の助けを得て窮地を脱する。その際、苗人鳳が使った胡家刀法に疑念を抱く。そして胡斐も胡家刀法の腕を披露することになった。
苗人鳳は胡斐に胡一刀との関係を尋ねるが、胡斐はなんとか誤魔化す。胡斐は知れば知るほど悪人には思えない苗人鳳が、本当に親の仇なのか悩み始める。
田帰農は、苗人鳳をおびき寄せるため、かつて苗人鳳の妻だった南蘭が病気で死んだという情報を各地に流す。
知らせを聞いた苗人鳳は嘆き悲しみ線香をあげに行こうとするが、罠に違いないと止められ思いとどまる。
しかし、母親に会いたいと願う若蘭は一人屋敷を抜け出し、天龍門へ向かってしまう。胡斐と程霊素は急いで若蘭に追いつくが、その後に田帰農の策略で人質にされてしまった。
その頃、清国朝廷では、天下掌門人大会の準備が着々と進んでいた。そしてそれを妨害するべく袁紫衣も令牌集めを続けていた…。
第10週
曾鉄鴎の策略によって福康安に捕らえられてしまった袁紫衣。福康安は美しく強い袁紫衣に魅かれ、朝廷への協力を要請するが拒否されたため、自分の屋敷の牢に閉じ込める。
この話を聞いた乾隆帝は、袁紫衣が宿敵・鉄花会の手先ではないかと疑った。
福康安の自宅では、第二夫人としてかつて商家で福康安に見初められた馬春花がいた。漢民族と満州族の風習の違いで子供から引き離されていた馬春花は、正妻に子供をかえして欲しいと訴えるが、江湖出身の馬春花を蔑んでいる正妻の海蘭は言いがかりをつけて彼女を牢に入れてしまった。
その頃、苗人鳳の目は程霊素の治療によって完治した。胡斐は苗人鳳が本当に父親の仇なのか確かめようと質問を浴びせる。胡斐の問いに何かを感じ取った苗人鳳は、胡一刀の死の真相を伝えた。
改めて両親の死の真相を知った胡斐は、刀に毒を塗った真犯人を探し出すことを決意し、掌門人大会へ向う…。
第11週
一度は福康安の屋敷から逃げ出したものの、鳳天南の策略で再度捕らえられた袁紫衣を救い出す際に桃花霧の毒を浴びてしまった胡斐。
激情に狂うその毒の特性を知る程霊素は、自らの純潔を胡斐に捧げた。事の成り行きを知った袁紫衣は、道義上程霊素を見捨てることができない胡斐の心情を組み、立ち去るしかなかった。
その頃、福家では袁紫衣に夢中で冷たい態度の福康安に、馬春花が胸を痛めていた。業を煮やす福康安の元に、田帰農が協力者として新たな《毒手薬王》を名乗る薛萼を連れてくる。
薛萼こそ、かつて胡一刀を殺した毒を朝廷に渡した張本人であった。
胡斐とともに掌門人大会へ向かう程霊素は、言葉とは裏腹に一向に自分を妻として扱わない胡斐に苛立ちを感じていた。何かにつけ試すような言動を取る程霊素の真意に胡斐は気がつくが、はぐらかすことしかできない。そんな中、馬春花と街で再会する。
馬春花は、福夫人・海蘭が医者を抱きこみ、子供が天然痘の病と偽っていることを知り、息子の命を救おうと夫人の元へ乗り込んだが、誤って福夫人を殺害してしまった。
お咎めを恐れ、馬春花は福の屋敷から逃げ出す…。
第12週
息子を救うため、薛萼の毒を引き出す「薬引」を胡斐に飲ませた馬春花。毒に苦しむ胡斐を救う手立てを必死に考えた程霊素は、師匠の元で毒を口にする修行をした自分の血こそが解毒剤になることを思い出す。そして、この毒を用いた人物に姉弟子の薛萼がいることを確信するのだった。
程霊素は牛の血管を使って自分の血を胡斐に与え、胡斐の毒は消え去った。
それを知った田帰農と薛萼は春花を呼び出し、指示に従わなければ息子を殺すと脅す。やむを得ず春花は指示通りに再び胡斐に罠を仕掛けようとするが、寸前になって胡斐をかばい怪我をする。そして、自分が「薬引」を飲ませたことを白状した。
事情を知った胡斐は、子供の命が助かるならと、秘伝書を惜しげもなく差し出す。馬春花は田帰農と落ち合い子供と秘伝書を交換しようとするが、これは田帰農が胡斐をおびき寄せる罠だった。
子供の命と引き換えに、胡斐を殺そうとする田帰農。危機一髪のところで、文泰来ら鉄花会の手練れ達が現れた。鉄花会の策で田帰農らから子供と秘伝書を奪い返すことに成功したが、このときの戦いで馬春花は深手を追って命は風前の灯火だった…。
第13週
朝廷の主催による、天下掌門人大会が始まる。朝廷の企てを感じ取ったいくつかの正当な門派は棄権してこの場を去った。残りの門派で大会が行われるが、胡斐はその中に鳳天南が覆面を被って参加していることに気づき疑念を持つ。
さらに福康安はこの大会で相手を負傷させたり死亡させたものについて一切の罪を問わないとし、大会は不穏な雰囲気に包まれる。
最初の試合で勝利した満州人の海蘭弼は、武林に対し侮辱する発言を繰り返す。そこに袁紫衣が現れ戦いを挑んだ。だが、海蘭弼は、どんな攻撃を仕掛けてもすべて跳ね返してしまう肉体を持っていた。
戦いが続く中、苗人鳳が現れる。田帰農は苗人鳳を恐れ逃げ出し、さらに鉄花会も現れて大会は大乱闘になり中止となった。
袁紫衣と再開して心揺れる胡斐。しかし、袁紫衣は未練を断ち切るために、師匠の百暁神尼に出家を願い出ていた。そして程霊素もまた、胡斐が玉胡蝶を持っていることを知り、身を引いて薬王谷へ帰ると告げた。
袁紫衣の出家を止めようと一人尼寺に向かう胡斐。袁紫衣は会おうともせず、変わりに応対した百暁神尼によって追い返されてしまう。
その頃、胡斐の部屋では程霊素が薛萼によってさらわれていた。部屋に戻った胡斐は薛萼からの置手紙を見つける。そこに胡斐との関係をはっきりさせようと袁紫衣がやってきた。
第14週
程霊素に命を貰った袁紫衣。毒消しに使った七心海棠の実で完全に解毒するためには7年後にもう一粒、実を飲まなければならない。紫衣は霊素への良心の呵責と胡斐への愛に揺れながらも7年間の別れを決意。程霊素の遺した七心海棠の実の種を胡斐に託した。
袁紫衣と別れた胡斐は、七心海棠の種を育てるために雪山へ向かう。その途中、立ち寄った飯屋で偶然、育ての親である平阿四と再会する。感涙にむせぶ二人。
昔話に花が咲く二人だったが、仇討ちのためより女のために花を育てることを優先するという胡斐を厳しく叱る。胡斐は今の腕前では苗人鳳に勝てない、七心海棠を育てる間の7年間修行したいと言い、阿四を納得させた。
雪山に2粒の種のうち1粒を植えた胡斐。残りの1粒は風に飛ばされ崖の下に落ちてしまった。植えた種は発芽しなかったが、崖下に落ちた種が雪に埋もれた酒瓶のおかげで発芽していた。そこは財宝の眠る洞窟の前だった。
そして7年の月日が経った。胡斐は雪山飛狐と呼ばれる英雄に育ち、貧しい民を助け役人と戦っていた。
その頃、苗家では美しく育った苗人鳳の娘・若蘭の婿探しをしていた。だがお転婆な若蘭はその気は全くない。かつて平斐と名乗っていた胡斐が忘れられずにいた。
朝廷では、乾隆帝が7年の間に鉄花会などに対して有効な結果を出せない福康安に業を煮やし、田帰農に責務を分担させていた。次第に強い立場となる田帰農に心中穏やかではない福康安。
福康安と田帰農は、共に牽制しあいながら軍用金の護送任務にあたっていたが、雪山飛狐にまんまと銀子を盗まれてしまう…。
第15週
田帰農は福康安に、雪山飛狐の名を借りて28年前の関係者を長白山の玉筆峰に集める計画を話した。賛同し、福康安は山の麓を包囲する役を担う。だが、田帰農の力に脅威を抱いている福康安は劉元鶴を田帰農に同行させ、あわよくば密かに田を葬ろうと画策していた。
鉄花会を訪れた袁紫衣は、胡斐が玉筆峰で七心海棠を育てていたこと、そして田帰農の罠によって、28年前の関係者が集まりつつあることを知り、袁紫衣も玉筆峰へ向かう。
その頃、苗家では若蘭が、苗人鳳の留守中に届いたニセの雪山飛狐からの招待状を読みこっそり屋敷を抜け出す。屋敷に戻った苗人鳳は娘の家出に驚くが、部屋にあったニセの招待状を読み7年前の約束を果たすべく胡斐が戦いを挑んできたと勘違いする。
また、今は和尚となり、宝樹と名を変えた閻基も招待状に書かれた財宝に目がくらみ、玉筆峰へ向かった。
若蘭は玉筆峰の麓にたどり着いた。宿の主人をしていた平阿四には簡単に男装を見破られる。そしてそこに田帰農や閻基、陶百歳ら、28年前の関係者が続々と到着した。
平阿四の案内で頂上を目指す一行。ようやくたどり着いた一行は、この険しい山の頂に豪華な屋敷があるのに驚く。
屋敷で主を待つ一行。しかし、雪山飛狐はなかなか現れない…
第16週
玉筆山荘の広間に閉じ込められた田帰農、陶百歳、閻基、劉元鶴の4人は、胡斐の仇討ちに力を貸すといって平阿四を騙し、脱出を図る。
その頃、胡斐は袁紫衣と7年ぶりの再会を喜んでいた。紫衣の毒を完全に消すことができる七心海棠も、ついに実の収穫を明日に控えてるのだ。
しかし、苗若蘭が誤って水をやって枯らしてしまう。胡斐は激怒し若蘭をぶつが、紫衣は知らずにやったことだからと若蘭をかばう。胡斐は若蘭を下山させ、あと半日の命となってしまった紫衣と夫婦の誓いを立てた。袁紫衣はかつての約束を持ち出して、最後の願いを伝えて逝った。慟哭する胡斐。
山荘から脱出を図る田帰農たち。企みを見抜いていた平阿四は、4人を同士討ちさせようとしていた。田帰農は阿四を人質に捕り、胡家の秘伝書を渡せと胡斐に迫る…。
山を降りた苗若蘭は宿屋で悲しみに泣いていた。それに目をつけた2人連れの猟師に絡まれているのを、後から来た福康安に助けられる。若蘭に一目惚れした福康安は、彼女の素性に気づき近づくが、警戒されたため薬で眠らせて拉致してしまった…
第17週
因縁のつり橋にやってきた、胡斐と苗人鳳。武芸を磨いた胡斐は苗人鳳と互角に戦っていた。討たれる覚悟を決めた苗人鳳がが、胡斐は様々な思いがよぎり、刀を振り下ろせない。
苗若蘭がやってきて二人を止めようとするが、その時つり橋が切れて苗若蘭が崖下に落ちてしまう。2人は若蘭を助けようと飛び降りるが間に合わない…。
鉄火会が玉筆峰のふもとに到着したとき、玉筆峰でなだれが起きた。胡斐を案ずる駱冰は宿の給仕から話を聞きだし、福康安の一行と苗人鳳が山荘に向かったことを知る。
苗若蘭を発見した福康安。そこに苗人鳳も現れる。しかし、苗人鳳は深手の内傷を負っており、福康安に捕まってしまった。そして、苗若蘭は落下したときの衝撃で記憶喪失になっていたのだった…。
そのころ、田帰農は洞窟の中で、老玩童こと周伯通の残した「左右互縛」の技を習得していた。そこに、福康安らと別行動を取った閻基とそれを怪しんだ劉元鶴が籠に乗ってやってくる。
第18週
苗親子を追って北京に着いた胡斐は、若蘭と福康安の婚礼を知り福康安の邸宅に乗り込む。しかし、記憶のない若蘭は、式に乱入し自分を連れ去ろうとする胡斐を恐怖のあまり刺してしまう。胡斐は思わぬ怪我を負ってしまったことで戦意を失い捕らえられてしまった。
婚礼を終えた若蘭。失った記憶と胡斐の関係が気になる若蘭は、密かに牢を訪れ自分の素性を聞く。しかし、にわかには信じられない若蘭は、福康安のもとへ戻ってしまう。
田帰農は乾隆帝に呼び出され、苗人鳳を餌に鉄花会をおびき出す相談を持ちかけられる。その時、福康安が苗人鳳の娘・若蘭を娶ったという話を聞いた乾隆帝は、福康安から官職を剥奪し、後任に田帰農を任じた。福康安はショックを受けるが、腹をくくって居直る。福康安の後釜についた田帰農は、福康安を呼びつけ優越感にひたっていた。
鉄花会によって助け出された胡斐であったが、若蘭を置いていくことはできず、福の屋敷に戻る。鉄花会は苗人鳳の救出に向かったが、そこには田帰農の罠が仕掛けられていた。
武芸が格段に上達した田帰農に、文泰来ら鉄花会も歯が立たない。高官を人質に捕り辛うじて屋敷から脱出した。
第19週
乾隆帝は、田帰農から苗人鳳を殺した報告を聞く。その態度に謀反の兆しを察知した乾隆帝は福康安に田帰農を暗殺するよう密かに命じた。
田帰農の武芸が突然上がったことに不審を思う福康安は策を講じて、田を妓楼に呼び出した。
その頃胡斐は、崖から自力で這い上がっていた。財宝の洞窟で劉元鶴と閻基の死体を見つけた胡斐は、田帰農が秘伝書に書かれた無敵の武芸「左右互縛」を身に着けたことを悟る。
福康安は妾となった苗若蘭を田帰農に近づけ密偵として利用しようとした。若蘭に出会った田帰農は亡き妻・南蘭の面影を感じ、若蘭に興味を示した。
ある夜、田帰農の部屋に若蘭が助けを求めてやってくる。若蘭は誤って福康安の正妻を刺してしまったのだという…。
最初は福康安の罠ではないかと怪しむ田帰農。しかし、苗人鳳と無塵同士の死体を奪うためにやって来た鉄花会と胡斐に対しても記憶のないフリをし屋敷に残った若蘭を密かに見た田帰農は、本当に記憶がないと納得した。
そして安心して心を許し、近いうちに自分が皇帝に取って代わるとまで打ち明けるのだった。
第20週
苗人鳳の亡骸を調べた胡斐たちは、残された傷跡から田帰農の武芸を知ることができた。また、苗家剣法の弱点が首の後ろに記されていた。
死体を奪われ乾隆帝の不興を買った田帰農は、胡一刀の墓を暴き、鉄花会が集まってきたところで一網打尽にする計画を立てる。そのため、5万人の軍勢を動かす許可を得る。しかしこれは、フビライの財宝を運ぶためであった。
福康安はそれを見抜き、財宝の場所を知るためにひとまず泳がせるよう、乾隆帝に進言した。その後、鉄花会を騙す芝居に使った王剣英を消そうとする。王剣英を救った鉄花会は、福康安の企みを聞き出した。
長白山へ出発する前夜、泥酔した田帰農は、若蘭を南蘭と錯覚し、苗人鳳を殺したことや財宝の話を打ち明けてしまう。
そのまま寝込んだ田帰農を殺そうとした若蘭だったが、胡斐に伝えるべきことがあると気づき思いとどまる。
胡斐は1人、長白山へ向かった田帰農を追う。それを知った陳家洛は他の面々に後を追わせ、自分は胡斐を救う為にある行動をとることにした。
そして胡一刀の命日。墓の前で胡斐と田帰農が対決する。そして5万の兵もやってきた…。
第1週(1章)
明朝末期に反乱を起こした闖王・李自成の護衛であった、『胡・苗・范・田』の四家には深い因縁があり、
胡家は100年近い間、残りの三家と戦ってきた。
田家の子孫である田帰農は、現在の皇帝・乾隆帝から3つの密命を受ける。
ひとつは胡家の子孫・胡一刀を討つこと。
一つは田帰農の義兄弟でもある苗家の子孫・苗人鳳も討つ事。
そして、闖王・李自成が隠したといわれる財宝を探し出すことだった。
田帰農は策略を巡らし、范家の子孫・范長風の弟・范長江を襲った。
「胡一刀にやられた」という田帰農の嘘を信じ、苗人鳳は胡一刀に、長白山での対決を申し込む。
出産間近の夫人と共に長白山に向かう胡一刀。道中で地元の用心棒に殴られていた平阿四を助ける。
平阿四は果し合いの待ち合わせ場所である宿の釜炊きだった。
第2週
胡一刀と苗人鳳の勝負は未だに決着がつかない。
その一方で互いへの信頼は戦うごとに増していった。
苗人鳳は唯一の心残りとして、自分が胡一刀に倒され死んだら弟一家の仇である商剣鳴を討って欲しいと願う。胡一刀もまた、自分が苗人鳳に倒されたら、生まれたばかりの息子・胡斐を育てて欲しいと願った。
二人は共に快諾し、更に胡一刀が夜を徹して商剣鳴の首を取ってきたことで、二人の間に確かな絆が生まれていた。
当てが外れた田帰農は二人まとめて始末しようと策を講じた。二人の武器に猛毒を塗りこんだのだ。
勝敗は決まったが、その猛毒によって胡一刀は命を落としてしまう。
それから10年後。
平阿四に育てられた胡斐は、遺された秘伝書である胡家刀法を学び、修行に励んでいた。
第3週
苗人鳳は妻となった南蘭と共に苗家に戻る。苗家は代々質素な農業を生業としていたが、役人の家に育った南蘭は贅沢放題であった。やがて娘の若蘭が生まれる。
それから数年、夫婦の間に亀裂が入り始めていた。南蘭は相変わらず贅沢でわがままな暮らしをし、苗人鳳の武芸にも理解を示さない。
田帰農は、残された密書を入手し秘密を解読するため、鉄花会の一味にやられたと称し、苗家に助けを求めた。 同じ武芸者でありながらも、金持ちで教養もある田帰農に南蘭は興味を示す。田帰農は苗夫婦の不和を利用しようと企んだ。
ある夜、苗家に火矢が飛んできて火災が起きた。燃える家の中から苗人鳳は胡一刀の位牌を持って出た。逃げ遅れた形になった南蘭と若蘭は田帰農によって助け出された。夫婦の溝はさらに深まり、ついには南蘭は田帰農と駆け落ちしてしまった。
第4週
胡一刀の墓前で鉄花会の使い手たちに囲まれた苗人鳳だったが、捕らえられた陶百歳の白状によって田帰農の企みは失敗に終わった。鉄花会の義侠心に感心した苗人鳳は彼らとよしみを結ぶ。
大雪の中、馬車が立ち往生してしまった田帰農と南蘭は、偶然通りがかった飛馬[金票]局の馬行空らに助けられる。馬行空は2人を近くの知人である商家堡の屋敷へ案内する。
商家堡のかつての主は、苗人鳳の代わりに仇討ちに来た胡一刀に殺された商剣鳴だった。妻の商夫人は胡一刀の死をいまだ知らず、仇討ちのために秘密の部屋を作り、息子の商宝震を厳しく鍛えていた。
屋敷での会話の中に苗人鳳の名前が出て、南蘭は動揺する。それに気づいた商夫人は田帰農らを怪しみ引きとめようとする。そこに苗人鳳と若蘭もやってきた。さらに平阿四・胡斐、盗賊の首領となっていた閻基までもやってきた…
第5週
鉄花会の元へ身を寄せた胡斐は、様々な使い手たちから武芸を授けられ、腕を上げていた。やがて、その素質を見込まれた胡斐は鉄花会の主・陳家洛の意向で天山に住む袁士霄に弟子入りすることになった。
それから月日がたち、陳家洛と徐天宏が袁士霄の元を訪ねると、そこには見違えるように成長し、さらに腕を上げた胡斐の姿があった。師匠に下山を許された胡斐は陳家洛の命で仏山の町に向かうことになった。
仏山で食事のために立ち寄った「英雄楼」で、その酒楼の持ち主で町の顔役・鳳天南が土地欲しさに鐘一家に無実の罪を着せて子供を死にやったという話を聞いて怒りを募らせる。
義侠心から鐘家の恨みを晴らすことを決めた胡斐は鳳天南をおびき出すため、鳳天南の質屋と賭場を荒らす。しかし本人はやってこず、代わりに息子の鳳一鳴がやってきた。
第6週
街で出会った謎の女性・袁紫衣は鉄火会の幹部を名乗り、30の掌門の令牌を集めているという。袁紫衣に翻弄され続ける胡斐。
その頃、田帰農は福康安に掌門人大会への協力を約束させる。朝廷はこの大会で武林の者達を集め、朝廷の意に反する人物を粛清しようとしているのだった。
袁紫衣の行動が気になる胡斐がこっそり後をつけると、2人の男が暗器で不意打ちするところを目撃する。男たちは掌門人大会の開催を妨害する者を捕らえろと命令されていたのだ。
暗器の毒で危機に陥った袁紫衣は胡斐の協力で辛うじて何を逃れるが、そのまま毒で倒れてしまう。2人の男から、朝廷の陰謀を聞き出した胡斐は、袁紫衣に協力を申し出る。袁紫衣は一週間でどちらが多く各門派から掌門の証である令牌を奪えるか勝負を挑む。そして、負けたら勝ったほうの願いを3つかなえることを約束するのだった。
第7週
袁紫衣と離れ傷心の胡斐は、占いに立ち寄った寺の帰りに南蘭を見かける。田帰農が随伴していないことを確かめた胡斐は、南蘭が苗人鳳に宛てた手紙を預かる。心中複雑ながらも、義に則り苗人鳳の家を目指す。
その途中、ある少女に出会った胡斐は、彼女に翻弄されながらも面倒を見ることにする。彼女の嘘を真に受けた胡斐は、探しにきた苗人鳳と戦うことになる。
苗人鳳の腕や義侠心に感服した胡斐だが、親の敵である疑いを拭い去れず、手紙だけ渡して一度はその場を去った。
一方、受け取った苗人鳳は音沙汰無しだった南蘭からの手紙を前に読むべきかどうか思いあぐねていた。手紙の主が母だと気づいた苗若蘭は、何とか手紙を読もうと考えていた。
一人になった胡斐は、天龍門の門弟から、苗人鳳に渡した手紙に毒が仕込んであったことを聞き出し、急いで苗人鳳の家に戻るが…。
第八週
胡斐と苗若蘭を助けた程霊素に胡斐は本名や薬王谷に来た目的を正直に打ち明けた。
翌朝、程霊素に毒消しの交換条件として約束した家事をやるよう命じる。かなりの重労働なので嫌がる苗若蘭だったが渋々従いはじめる。
すると、次第に毒が抜けていく若蘭。実は、この毒は汗をかくことで解毒を促すものであった。すっかり解毒を終えた若蘭をみて、程霊素が毒手薬王を知っているのではないかと感じる。
その時、先日胡斐を襲った小鉄が弟弟子を連れて花畑にやってきた。花を荒らす小鉄。しかし、その青い花には毒があった。小鉄の師匠である薛萼は毒消しを手に入れるため程霊素を呼び出す。
同行することにした胡斐は程霊素から3つの条件を守るように言われるが、薛萼に襲われた程霊素を守るため、約束を破ってしまう。
程霊素は怒ったが、胡斐の親切心を悟り喜ぶ。
帰り道、程霊素は胡斐に師匠と薛萼の話をする。師匠は毒を使って人助けをしていたが、毒手薬王の名が一人歩きしてしまったのだという。そして、薛萼は鉄花会の文泰来にかなわぬ恋をしたことが悪の道に進んでしまった原因だった。
第9週
苗人鳳は、田帰農が放った刺客の無相人と北斗七星に囲まれるが、間一髪胡斐の助けを得て窮地を脱する。その際、苗人鳳が使った胡家刀法に疑念を抱く。そして胡斐も胡家刀法の腕を披露することになった。
苗人鳳は胡斐に胡一刀との関係を尋ねるが、胡斐はなんとか誤魔化す。胡斐は知れば知るほど悪人には思えない苗人鳳が、本当に親の仇なのか悩み始める。
田帰農は、苗人鳳をおびき寄せるため、かつて苗人鳳の妻だった南蘭が病気で死んだという情報を各地に流す。
知らせを聞いた苗人鳳は嘆き悲しみ線香をあげに行こうとするが、罠に違いないと止められ思いとどまる。
しかし、母親に会いたいと願う若蘭は一人屋敷を抜け出し、天龍門へ向かってしまう。胡斐と程霊素は急いで若蘭に追いつくが、その後に田帰農の策略で人質にされてしまった。
その頃、清国朝廷では、天下掌門人大会の準備が着々と進んでいた。そしてそれを妨害するべく袁紫衣も令牌集めを続けていた…。
第10週
曾鉄鴎の策略によって福康安に捕らえられてしまった袁紫衣。福康安は美しく強い袁紫衣に魅かれ、朝廷への協力を要請するが拒否されたため、自分の屋敷の牢に閉じ込める。
この話を聞いた乾隆帝は、袁紫衣が宿敵・鉄花会の手先ではないかと疑った。
福康安の自宅では、第二夫人としてかつて商家で福康安に見初められた馬春花がいた。漢民族と満州族の風習の違いで子供から引き離されていた馬春花は、正妻に子供をかえして欲しいと訴えるが、江湖出身の馬春花を蔑んでいる正妻の海蘭は言いがかりをつけて彼女を牢に入れてしまった。
その頃、苗人鳳の目は程霊素の治療によって完治した。胡斐は苗人鳳が本当に父親の仇なのか確かめようと質問を浴びせる。胡斐の問いに何かを感じ取った苗人鳳は、胡一刀の死の真相を伝えた。
改めて両親の死の真相を知った胡斐は、刀に毒を塗った真犯人を探し出すことを決意し、掌門人大会へ向う…。
第11週
一度は福康安の屋敷から逃げ出したものの、鳳天南の策略で再度捕らえられた袁紫衣を救い出す際に桃花霧の毒を浴びてしまった胡斐。
激情に狂うその毒の特性を知る程霊素は、自らの純潔を胡斐に捧げた。事の成り行きを知った袁紫衣は、道義上程霊素を見捨てることができない胡斐の心情を組み、立ち去るしかなかった。
その頃、福家では袁紫衣に夢中で冷たい態度の福康安に、馬春花が胸を痛めていた。業を煮やす福康安の元に、田帰農が協力者として新たな《毒手薬王》を名乗る薛萼を連れてくる。
薛萼こそ、かつて胡一刀を殺した毒を朝廷に渡した張本人であった。
胡斐とともに掌門人大会へ向かう程霊素は、言葉とは裏腹に一向に自分を妻として扱わない胡斐に苛立ちを感じていた。何かにつけ試すような言動を取る程霊素の真意に胡斐は気がつくが、はぐらかすことしかできない。そんな中、馬春花と街で再会する。
馬春花は、福夫人・海蘭が医者を抱きこみ、子供が天然痘の病と偽っていることを知り、息子の命を救おうと夫人の元へ乗り込んだが、誤って福夫人を殺害してしまった。
お咎めを恐れ、馬春花は福の屋敷から逃げ出す…。
第12週
息子を救うため、薛萼の毒を引き出す「薬引」を胡斐に飲ませた馬春花。毒に苦しむ胡斐を救う手立てを必死に考えた程霊素は、師匠の元で毒を口にする修行をした自分の血こそが解毒剤になることを思い出す。そして、この毒を用いた人物に姉弟子の薛萼がいることを確信するのだった。
程霊素は牛の血管を使って自分の血を胡斐に与え、胡斐の毒は消え去った。
それを知った田帰農と薛萼は春花を呼び出し、指示に従わなければ息子を殺すと脅す。やむを得ず春花は指示通りに再び胡斐に罠を仕掛けようとするが、寸前になって胡斐をかばい怪我をする。そして、自分が「薬引」を飲ませたことを白状した。
事情を知った胡斐は、子供の命が助かるならと、秘伝書を惜しげもなく差し出す。馬春花は田帰農と落ち合い子供と秘伝書を交換しようとするが、これは田帰農が胡斐をおびき寄せる罠だった。
子供の命と引き換えに、胡斐を殺そうとする田帰農。危機一髪のところで、文泰来ら鉄花会の手練れ達が現れた。鉄花会の策で田帰農らから子供と秘伝書を奪い返すことに成功したが、このときの戦いで馬春花は深手を追って命は風前の灯火だった…。
第13週
朝廷の主催による、天下掌門人大会が始まる。朝廷の企てを感じ取ったいくつかの正当な門派は棄権してこの場を去った。残りの門派で大会が行われるが、胡斐はその中に鳳天南が覆面を被って参加していることに気づき疑念を持つ。
さらに福康安はこの大会で相手を負傷させたり死亡させたものについて一切の罪を問わないとし、大会は不穏な雰囲気に包まれる。
最初の試合で勝利した満州人の海蘭弼は、武林に対し侮辱する発言を繰り返す。そこに袁紫衣が現れ戦いを挑んだ。だが、海蘭弼は、どんな攻撃を仕掛けてもすべて跳ね返してしまう肉体を持っていた。
戦いが続く中、苗人鳳が現れる。田帰農は苗人鳳を恐れ逃げ出し、さらに鉄花会も現れて大会は大乱闘になり中止となった。
袁紫衣と再開して心揺れる胡斐。しかし、袁紫衣は未練を断ち切るために、師匠の百暁神尼に出家を願い出ていた。そして程霊素もまた、胡斐が玉胡蝶を持っていることを知り、身を引いて薬王谷へ帰ると告げた。
袁紫衣の出家を止めようと一人尼寺に向かう胡斐。袁紫衣は会おうともせず、変わりに応対した百暁神尼によって追い返されてしまう。
その頃、胡斐の部屋では程霊素が薛萼によってさらわれていた。部屋に戻った胡斐は薛萼からの置手紙を見つける。そこに胡斐との関係をはっきりさせようと袁紫衣がやってきた。
第14週
程霊素に命を貰った袁紫衣。毒消しに使った七心海棠の実で完全に解毒するためには7年後にもう一粒、実を飲まなければならない。紫衣は霊素への良心の呵責と胡斐への愛に揺れながらも7年間の別れを決意。程霊素の遺した七心海棠の実の種を胡斐に託した。
袁紫衣と別れた胡斐は、七心海棠の種を育てるために雪山へ向かう。その途中、立ち寄った飯屋で偶然、育ての親である平阿四と再会する。感涙にむせぶ二人。
昔話に花が咲く二人だったが、仇討ちのためより女のために花を育てることを優先するという胡斐を厳しく叱る。胡斐は今の腕前では苗人鳳に勝てない、七心海棠を育てる間の7年間修行したいと言い、阿四を納得させた。
雪山に2粒の種のうち1粒を植えた胡斐。残りの1粒は風に飛ばされ崖の下に落ちてしまった。植えた種は発芽しなかったが、崖下に落ちた種が雪に埋もれた酒瓶のおかげで発芽していた。そこは財宝の眠る洞窟の前だった。
そして7年の月日が経った。胡斐は雪山飛狐と呼ばれる英雄に育ち、貧しい民を助け役人と戦っていた。
その頃、苗家では美しく育った苗人鳳の娘・若蘭の婿探しをしていた。だがお転婆な若蘭はその気は全くない。かつて平斐と名乗っていた胡斐が忘れられずにいた。
朝廷では、乾隆帝が7年の間に鉄花会などに対して有効な結果を出せない福康安に業を煮やし、田帰農に責務を分担させていた。次第に強い立場となる田帰農に心中穏やかではない福康安。
福康安と田帰農は、共に牽制しあいながら軍用金の護送任務にあたっていたが、雪山飛狐にまんまと銀子を盗まれてしまう…。
第15週
田帰農は福康安に、雪山飛狐の名を借りて28年前の関係者を長白山の玉筆峰に集める計画を話した。賛同し、福康安は山の麓を包囲する役を担う。だが、田帰農の力に脅威を抱いている福康安は劉元鶴を田帰農に同行させ、あわよくば密かに田を葬ろうと画策していた。
鉄花会を訪れた袁紫衣は、胡斐が玉筆峰で七心海棠を育てていたこと、そして田帰農の罠によって、28年前の関係者が集まりつつあることを知り、袁紫衣も玉筆峰へ向かう。
その頃、苗家では若蘭が、苗人鳳の留守中に届いたニセの雪山飛狐からの招待状を読みこっそり屋敷を抜け出す。屋敷に戻った苗人鳳は娘の家出に驚くが、部屋にあったニセの招待状を読み7年前の約束を果たすべく胡斐が戦いを挑んできたと勘違いする。
また、今は和尚となり、宝樹と名を変えた閻基も招待状に書かれた財宝に目がくらみ、玉筆峰へ向かった。
若蘭は玉筆峰の麓にたどり着いた。宿の主人をしていた平阿四には簡単に男装を見破られる。そしてそこに田帰農や閻基、陶百歳ら、28年前の関係者が続々と到着した。
平阿四の案内で頂上を目指す一行。ようやくたどり着いた一行は、この険しい山の頂に豪華な屋敷があるのに驚く。
屋敷で主を待つ一行。しかし、雪山飛狐はなかなか現れない…
第16週
玉筆山荘の広間に閉じ込められた田帰農、陶百歳、閻基、劉元鶴の4人は、胡斐の仇討ちに力を貸すといって平阿四を騙し、脱出を図る。
その頃、胡斐は袁紫衣と7年ぶりの再会を喜んでいた。紫衣の毒を完全に消すことができる七心海棠も、ついに実の収穫を明日に控えてるのだ。
しかし、苗若蘭が誤って水をやって枯らしてしまう。胡斐は激怒し若蘭をぶつが、紫衣は知らずにやったことだからと若蘭をかばう。胡斐は若蘭を下山させ、あと半日の命となってしまった紫衣と夫婦の誓いを立てた。袁紫衣はかつての約束を持ち出して、最後の願いを伝えて逝った。慟哭する胡斐。
山荘から脱出を図る田帰農たち。企みを見抜いていた平阿四は、4人を同士討ちさせようとしていた。田帰農は阿四を人質に捕り、胡家の秘伝書を渡せと胡斐に迫る…。
山を降りた苗若蘭は宿屋で悲しみに泣いていた。それに目をつけた2人連れの猟師に絡まれているのを、後から来た福康安に助けられる。若蘭に一目惚れした福康安は、彼女の素性に気づき近づくが、警戒されたため薬で眠らせて拉致してしまった…
第17週
因縁のつり橋にやってきた、胡斐と苗人鳳。武芸を磨いた胡斐は苗人鳳と互角に戦っていた。討たれる覚悟を決めた苗人鳳がが、胡斐は様々な思いがよぎり、刀を振り下ろせない。
苗若蘭がやってきて二人を止めようとするが、その時つり橋が切れて苗若蘭が崖下に落ちてしまう。2人は若蘭を助けようと飛び降りるが間に合わない…。
鉄火会が玉筆峰のふもとに到着したとき、玉筆峰でなだれが起きた。胡斐を案ずる駱冰は宿の給仕から話を聞きだし、福康安の一行と苗人鳳が山荘に向かったことを知る。
苗若蘭を発見した福康安。そこに苗人鳳も現れる。しかし、苗人鳳は深手の内傷を負っており、福康安に捕まってしまった。そして、苗若蘭は落下したときの衝撃で記憶喪失になっていたのだった…。
そのころ、田帰農は洞窟の中で、老玩童こと周伯通の残した「左右互縛」の技を習得していた。そこに、福康安らと別行動を取った閻基とそれを怪しんだ劉元鶴が籠に乗ってやってくる。
第18週
苗親子を追って北京に着いた胡斐は、若蘭と福康安の婚礼を知り福康安の邸宅に乗り込む。しかし、記憶のない若蘭は、式に乱入し自分を連れ去ろうとする胡斐を恐怖のあまり刺してしまう。胡斐は思わぬ怪我を負ってしまったことで戦意を失い捕らえられてしまった。
婚礼を終えた若蘭。失った記憶と胡斐の関係が気になる若蘭は、密かに牢を訪れ自分の素性を聞く。しかし、にわかには信じられない若蘭は、福康安のもとへ戻ってしまう。
田帰農は乾隆帝に呼び出され、苗人鳳を餌に鉄花会をおびき出す相談を持ちかけられる。その時、福康安が苗人鳳の娘・若蘭を娶ったという話を聞いた乾隆帝は、福康安から官職を剥奪し、後任に田帰農を任じた。福康安はショックを受けるが、腹をくくって居直る。福康安の後釜についた田帰農は、福康安を呼びつけ優越感にひたっていた。
鉄花会によって助け出された胡斐であったが、若蘭を置いていくことはできず、福の屋敷に戻る。鉄花会は苗人鳳の救出に向かったが、そこには田帰農の罠が仕掛けられていた。
武芸が格段に上達した田帰農に、文泰来ら鉄花会も歯が立たない。高官を人質に捕り辛うじて屋敷から脱出した。
第19週
乾隆帝は、田帰農から苗人鳳を殺した報告を聞く。その態度に謀反の兆しを察知した乾隆帝は福康安に田帰農を暗殺するよう密かに命じた。
田帰農の武芸が突然上がったことに不審を思う福康安は策を講じて、田を妓楼に呼び出した。
その頃胡斐は、崖から自力で這い上がっていた。財宝の洞窟で劉元鶴と閻基の死体を見つけた胡斐は、田帰農が秘伝書に書かれた無敵の武芸「左右互縛」を身に着けたことを悟る。
福康安は妾となった苗若蘭を田帰農に近づけ密偵として利用しようとした。若蘭に出会った田帰農は亡き妻・南蘭の面影を感じ、若蘭に興味を示した。
ある夜、田帰農の部屋に若蘭が助けを求めてやってくる。若蘭は誤って福康安の正妻を刺してしまったのだという…。
最初は福康安の罠ではないかと怪しむ田帰農。しかし、苗人鳳と無塵同士の死体を奪うためにやって来た鉄花会と胡斐に対しても記憶のないフリをし屋敷に残った若蘭を密かに見た田帰農は、本当に記憶がないと納得した。
そして安心して心を許し、近いうちに自分が皇帝に取って代わるとまで打ち明けるのだった。
第20週
苗人鳳の亡骸を調べた胡斐たちは、残された傷跡から田帰農の武芸を知ることができた。また、苗家剣法の弱点が首の後ろに記されていた。
死体を奪われ乾隆帝の不興を買った田帰農は、胡一刀の墓を暴き、鉄花会が集まってきたところで一網打尽にする計画を立てる。そのため、5万人の軍勢を動かす許可を得る。しかしこれは、フビライの財宝を運ぶためであった。
福康安はそれを見抜き、財宝の場所を知るためにひとまず泳がせるよう、乾隆帝に進言した。その後、鉄花会を騙す芝居に使った王剣英を消そうとする。王剣英を救った鉄花会は、福康安の企みを聞き出した。
長白山へ出発する前夜、泥酔した田帰農は、若蘭を南蘭と錯覚し、苗人鳳を殺したことや財宝の話を打ち明けてしまう。
そのまま寝込んだ田帰農を殺そうとした若蘭だったが、胡斐に伝えるべきことがあると気づき思いとどまる。
胡斐は1人、長白山へ向かった田帰農を追う。それを知った陳家洛は他の面々に後を追わせ、自分は胡斐を救う為にある行動をとることにした。
そして胡一刀の命日。墓の前で胡斐と田帰農が対決する。そして5万の兵もやってきた…。
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