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2009年1月作成。
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北京五輪の閉会式でもジャッキー・チェンやアンディ・ラウと
並んで登場し、その絶対的な人気を見せつけたホァン・シャオミン。

日本でもチャンネルNECOで2007年に放送した『神鵰侠侶』や、
2008年夏に地上波で放送の『新・上海グランド』でも主演を演じ、
その人気が今まさに上昇中。

本作では『神鵰侠侶』のシリアスな英雄・楊過とは
正反対のキャラクター・韋小宝を主演。
博打が得意で武芸の腕はからっきし、口と頭はよくまわり、
7人もの妻を持つ破天荒なこのお調子者をコミカルに演じている。

また『花ざかりの君たちへ ~花様少年少女~』などで活躍する
台湾のウォレス・チョンが、 韋小宝と対照的な、
頭脳明晰・威風堂々とした清国皇帝・康熙帝を演じていることで、
単なるコメディではなく作品の重厚感にも貢献している。

主人公のお相手を務める女優達も、いずれ劣らぬ美女揃い。
ジャッキー・チェンや反町隆史とも共演した
香港のチェリー・イン、
『連城訣』『天龍八部』で抜群の演技力を見せた
中国のスー・ツァンほか、
様々なタイプの美女が集う様は、まさに百花繚乱といった趣きだ。

原作の金庸著『鹿鼎記』は映像化作品が数多く、中でも有名なのが、
チャウ・シンチー主演の映画『ロイヤル・トランプ』シリーズや、トニー・レオン主演の香港TVBドラマだが、本作ホァン・シャオミン版は中国各地の放送局で軒並み最高視聴率を記録している。
武侠史上、最低(?)の規格外ヒーローが巻き起こす痛快歴史大河ロマン!
劇中画像劇中画像

中国文学界の至宝・金庸の、現時点での実質的な絶筆が
この「鹿鼎記」である。

多くの金庸原作ドラマを手がけた名プロデューサー、
ジャン・ジージョンが再登板。
原作そのままに破天荒なヒーローを描いたため、
中国政府からクレームがつき、
当初の放送予定が大幅にずれ込んだといういわくつきの本作。

宮中に暗躍する宦官から国家転覆を図る邪教集団、
果ては清を取り巻く列強までを手玉に取る
規格外のヒーロー・韋小宝の活躍に胸がすく、
痛快無比の娯楽超大作をどうぞ、お楽しみ下さい!!
あらすじ

揚州の妓楼(遊郭)生まれの少年「韋小宝」は江湖の侠客とともに北京へ向かう。
北京の紫禁城でひょんなことから宦官になりすました小宝。
持ち前の舌先三寸と運のよさで、時の清国皇帝・康煕帝と友人となった。

しかし、その一方でやはり口先と運で反清複明を掲げる天地会の幹部にもなってしまう。
さらには、謎の呪術を使う神龍教にも入り込み、滅ぼされた明国の姫であった尼僧・九難(碧血剣において出家した阿九)にも弟子入りするなど、敵味方お構いなく取り入り出世していく。小宝には様々な武術者から技が指南されるが、修行が大嫌いな小宝は上っ面だけを学び、ハッタリだけで江湖を渡り歩いていく。

そんな中、小宝は偶然「四十二章経」と言われる経文の存在を知る。
様々な組織が極秘裏に狙う8冊の「四十二章経」。その経文には全て集めることで、この江湖に多大な影響を あたえる秘密が隠されていた…

原作者解説

金庸(Jin Yong、きんよう)

1924年生まれ。
1955年に中国の新聞社記者の傍ら、第一作『書剣恩仇録』を発表。
後に独自の新聞社を立ち上げ、政治評論家としての社説と共に武侠小説を連載する。
長編を中心に発表した15作品はいずれも中国・アジア圏で絶大な人気を誇り、その原作はこれまでに幾度と無く映画化、ドラマ化された。

また「少林サッカー」などで著名なチャウ・シンチーが熱心な金庸ファンであることが知られており、本作『鹿鼎記』を原作とした『ロイヤルトランプ』『ロイヤルトランプ2』で主演したほか、2006年に公開した「カンフー・ハッスル」では、登場人物に金庸作品「神雕侠侶」の主役カップルの名前をギャグとして組み込んでいる。

金庸原作の映像作品は、中華芸能界にも多大な影響を与えており、現在では世界的俳優となっているトニー・レオンとアンディ・ラウがブレイクしたきっかけも、1984年に制作されたTVドラマ『鹿鼎記』であるとされる。

今回の原作「鹿鼎記」(全8巻:ハードカバー)は徳間書店より出版、文庫版も12月から順次発売されている。

   
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連城訣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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連城訣』(れんじょうけつ、簡体字连城诀拼音: Liánchéngjué )は金庸武侠小説。長編が多い金庸の作品の中では短い部類に入り、後期にあたる作品である。また、唯一実話が元になった作品でもある(作者あとがきより)。

目次

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概要 [編集]

主人公・狄雲が幻の「連城訣」の騒動に巻き込まれていく物語。狄雲は金庸の作品の中で最も不幸とされている人物である。彼以外にも戚芳、丁典、水笙といった善側の人々はことごとく悲惨な目にあう。悪側は殆どが二面性を持っており、陰険な人物ばかりが揃っている。ストレートな悪人である血刀老祖は例外と言っていい。

他の金庸作品と比べ、登場人物や武功は少なく、比較的読みやすい作品である。物語は短いが、雪山での壮絶な死闘やその後の半年間に渡るサバイバル、「連城訣」の謎解きなど見所は多い。だが、その悲惨さゆえに評価は「面白い」と「つまらない」の両極にはっきりと分かれている。

なお、徳間文庫版には「金庸版・岩窟王」と紹介されているように、物語はデュマの『岩窟王』とかなり類似している。金庸自身、デュマを愛読していると公言しているので、参考にしていると見られる。

登場人物 [編集]

狄雲(てき うん)
戚長発の一人弟子。「連城訣」の争いに巻き込まれ、次々と悲惨な目にあう。
戚芳(せき ほう)
戚長発の娘。狄雲のきょうだい弟子。
戚長発(せき ちょうはつ)
「鉄鎖横行」の異名を持つ。梅念笙の弟子だったが、師兄二人と共に彼を裏切る。その後、「連城訣」の秘密を探るために平穏な田舎暮らしを装った。
万震山(ばん しんざん)
「五雲手」の異名を持つ。梅念笙の一番弟子である。「連城訣」を狙う。八人の弟子がいる。
万圭(ばん けい)
万震山の一人息子。彼の三番弟子でもある。戚芳に一目惚れして、邪魔者である狄雲を陥れる。
言達平(げん たっぺい)
梅念笙の二番弟子。その実力は三人の弟子の中で最も上とされる。乞食の身なりをして「連城訣」の秘密を探る。
梅念笙(ばい ねんしょう)
「連城剣法」を極め、「連城訣」の秘密を握る人物。弟子達に襲われ、危機を救ってくれた丁典に「連城訣」の秘密を託した。既に故人。
丁典(てい てん)
狄雲と同じ牢獄にいた男。梅念笙から「連城訣」の秘密を知らされた。「神照経」を会得するため自分から牢獄に入る。最初は狄雲を疑っていたが、後に誤解が解け強い味方となる。
凌霜華(りょう そうか)
丁典の愛人。父の凌退思によって仲を引き裂かれてしまい、自分の顔を傷つけて彼の愛に殉じた。
凌退思(りょう たいし)
「連城訣」を狙う。そのために娘を利用しようとするが……。
血刀老祖(けっとうろうそ)
残虐な振る舞いで有名な血刀門の親玉。必殺武器の血刀は抜群の切れ味を誇る。美人に目が無い。雪山で落花流水との死闘を繰り広げる。
落花流水(らっかりゅうすい)
江南四老と呼ばれる四人の使い手。「仁義陸大刀」の陸天抒、「中平無敵」の花鉄幹、「清風柔雲剣」の劉乘風、「冷月剣」の水岱である。「落花流水」のあだ名は彼らの苗字に由来する。雪山で血刀老祖と死闘を繰り広げる。
水笙(すい しょう)
水岱の娘。血刀老祖にさらわれる。成り行きで彼の弟子になっていた狄雲を、最初は悪人と思っていた。だが、半年に渡る雪山の生活で、彼に信頼を寄せるようになる。

あらすじ [編集]

主人公の狄雲は師匠の戚長発、妹弟子の戚芳と共に、師伯である万震山の誕生祝に訪れる。それが大きな悲劇の始まりだった。万圭と七人の弟子によっ て、狄雲は身に覚えの無い罪を着せられた。師匠は「連城訣」のことを万震山に問い詰められて姿を消し、愛する戚芳は自分のもとを離れ、万圭に嫁いでしまっ た。 狄雲は牢獄に閉じ込められ、丁典という男に出会う。丁典は全ての争いの元凶である「連城訣」について語った。

二人は「連城訣」の秘密を探りに来る刺客を次々と倒し、ある日遂に脱獄を遂げる。丁典はそこで愛人、凌霜華の最後を知ることになるが……。

やがて、再び一人になった狄雲は師匠の復讐を誓う。その過程で「連城訣」の謎は明かされていくのであった。

キーワード [編集]

連城訣
全ての争いの発端である「連城訣」。その謎は「唐詩選」に隠されている。
連城剣法
別名「唐詩剣法」とも呼ばれる。詩を吟じながら使う。その技は教え方によって威力を変える。
神照経
丁典の会得した最上の内功。時間が経っていなければ、死人さえ生き返らせることも可能。
血刀法
血刀老祖の血刀による技を載せた剣譜。狄雲の手に渡り、短期間で会得した。

書誌情報 [編集]

文庫本
上 菊花散る窓 2007年4月6日刊行 ISBN 978-4-19-892583-3、下 雪華舞う谷 2007年4月6日刊行 ISBN 978-4-19-892584-0

映像化作品 [編集]

映画
  • 『連城訣』 1980年 香港・・・呉元俊(狄雲)
テレビドラマ
  • 『連城訣』 1989年 TVB 香港・・・郭晋安(狄雲)
  • 連城訣』 2003年 中国・・・全33話。呉越(狄雲)

外部リンク [編集]

天龍八部は、金庸の最高傑作なのだそうです。

でもろくてい記以降、断筆しているそうで、次の武侠ドラマはどうなるのでしょう。

天龍八部を再放送してもらいたいです。

ウィキの解説引用

天龍八部 (小説)

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天龍八部』(てんりゅうはちぶ、簡体字天龙八部拼音: Tiānlóngbābù )は、中国および中華圏(台湾シンガポール華僑華人コミュニティ等)で著名な小説家金庸武侠小説の1つ。

金庸が手掛けた8番目の長編作品で、『鹿鼎記』と並ぶ最長編でもある。また、金庸の作品の中でも最高峰に位置づけられている。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

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概要 [編集]

天龍八部は、1963年9月3日より、香港の『明報』とシンガポールの『南洋商報』に同時に連載が始まり、1966年5月27日に完成するまで、足かけ4年を要した。その中で、1965年5月から1ヶ月余り、金庸が欧州に外遊していた期間、友人であった作家倪匡が 代筆を行っている。その際、作中に登場する少女阿紫の性格を嫌った倪匡が、金庸には無断で、彼女を盲目にした逸話は有名である。天龍八部の初版本におい て、倪匡の代筆部分はそのまま収められたが、後に金庸が自作の修訂を行った際にこの代筆部分は削除され、新たに書き起こされた。ただ、阿紫の失明という構 想自体は残されている。

物語は、11世紀末宋代の中国大陸を舞台に、契丹人でありながら漢人として育てられた悲劇の英雄蕭(喬)峯雲南大理国の武芸嫌いながら数々の絶技を身につけてしまう王子段誉、心ならずも戒律を破ってしまう少林寺の僧虚竹、古の大燕国の末裔で、一族の悲願である王朝復興を夢見る貴公子慕容復の4人の若者を中心に、親の世代が残した確執に運命を翻弄される若者たちの生き様を描いた群像劇である。

話の展開は錯綜としており、上記の4人を巡る物語は、時に独立して語られ、それが、不思議な縁で結び合わされている。また、登場人物は善悪の観念では書き分けられていない。多面的で、それぞれが宿業を背負い、見えない因果の糸によって操られている。焦点も多重的で、舞台も雲南から江南中原、北漠、西域へと目まぐるしく移ってゆく。運命流転の大河小説である。

なお、題は仏法を守る神々である天龍八部衆(天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩喉羅迦)に由来しており、物語自体も仏教的な思想に基づいて構築されている一面を持つ。

登場人物 [編集]

  • 喬峯(きょう ほう)のちに蕭峯(しょう ほう)

丐幇の幇主。その豪放磊落な性格から人望を集めていたが、契丹人であるとの出生の秘密を暴露されたことで、丐幇を追放される。このとき、もと名乗っていた養父の姓である「喬」から、契丹人の両親の姓である「蕭」に姓を改めた。更に時を同じくして身近な人々が殺される事件が続発し、犯人と疑われたことで追いつめられてゆく。

大理の鎮南王兼保国大将軍段正淳の息子。琴棋書画を愛し、争いを嫌う平和主義者だが、江湖で様々な事件や人物に遭遇するうち、偶然にも逍遥派の絶技「北冥神功」と「凌波微歩」を身につけ、更に家伝の「六脈神剣」まで習得してしまう。

少林寺の僧。元は少林寺の菜園に捨てられていた孤児で、慈悲深く、仏教に深く帰依していた。だが、生まれて初めて寺を出た途端、奇妙な事件に遭遇し、偶然にも逍遥派の掌門に指名されてしまったことで、人生が大きく狂い始める。

姑蘇燕子塢参合荘の主。古に興った大燕国の末裔で、 家伝の独自の武術を身につけた文武両道の貴公子。武林で、蕭(喬)峯と並び称せられるほどの使い手であるが、一族の悲願である王朝の復興に執着して、悪事を積み重ねていく。

  • 王語嫣(おう ごえん)

慕容復の従妹で、曼陀山荘の主王夫人の娘。あらゆる武芸に精通した武林の生き字引で、従兄の慕容復を恋い慕っている。段誉が無量山の洞窟で見つけた玉像に生き写しの美貌の主。

  • 阿朱(あしゅ)

慕容家に仕える侍女で、燕子塢の聴香水榭に住む。どんな人物にも化けられる変装術を得意としている。少林寺に忍び込み、重傷を負ったところを蕭(喬)峯に救われたことから彼を慕うようになる。

  • 阿紫(あし)

「星宿老怪」丁春秋の弟子。毒を用いるのを得意とし、口舌に長ける。性格は残酷で、神木王鼎を盗み出し、星宿海から逃走。蕭(喬)峯や阿朱とも重要な関わりを持つ。

  • 游担之(ゆう たんし)——聚賢荘の「游氏双雄」の游驥の息子で、游駒の甥。蕭(喬)峯を仇として狙う。 蕭峯が聚賢荘で父親を殺害されると、「荘聚賢」と偽名を使い、蕭峯を付け狙った。
  • 段正淳(だん せいじゅん)——大理の皇帝の弟で、鎮南王兼保国大将軍の地位にあり、段誉の父でもある。正妻刀白鳳の他に、多くの愛人を持つ。ある意味では、段誉にとって一番の敵とも言える。
  • 刀白鳳(とう はくほう)——大理の鎮南王妃。段正淳の妻で、段誉の母。夫と別居して道姑となり、「玉虚散人」と名乗っている。
  • 段延慶(だん えんけい)——「悪貫満盈」。大理の元皇太子で、皇位を巡って段家と対立している。「四大悪人」の首。
  • 葉二娘(よう じじょう)——「無悪不作」。他人の赤子をさらっては弄び、最後は殺してしまう嬰児殺しとして恐れられている。「四大悪人」の二番手。
  • 南海鱷神(なんかいがくしん)——「兇神悪煞」。岳老三と呼ばれているが、「四大悪人」の二番手を自称しているため、岳老二と名乗ることが多い。段誉に弟子入りを迫るが、逆に弟子にされてしまう。「四大悪人」の三番手。
  • 雲中鶴(うん ちゅうかく)——「窮兇極悪」。「四大悪人」の末弟。軽功に長けた色魔。
  • 鳩摩智(くまち)——大輪明王と呼ばれる吐蕃の護国法王。知慧に優れ、仏法に精通しているばかりか、武術の達人でもある。段家の「六脈神剣」を狙う。
  • 無崖子(むがいし)——逍遥派の掌門。
  • 天山童姥(てんざんどうぼ)——無崖子の師姉で、天山縹緲峰霊鷲宮の主。三十六洞七十二島を生死符で支配している。
  • 李秋水(り しゅうすい)——無崖子の師妹で、西夏の皇族。
  • 木婉清(ぼく えんせい)——黒衣をまとい、顔を隠した少女。男に顔を見られたら、殺すか結婚するという誓いを立てている。
  • 鍾霊(しょう れい)——無量山で段誉が出会った少女。「閃電貂」という名の猛毒を持つ貂を飼っている。
  • 玄慈(げんじ)——少林寺方丈。中原武林の領袖的存在。
  • 智光(ちこう)——天台山止観禅寺の高僧。人々から生き仏として敬われている。蕭(喬)峯の出生の秘密を知っている。
  • 徐長老(じょ ちょうろう)——引退した丐幇の大長老。先代幇主汪剣通の師伯に当たる。
  • 白世鏡(はく せいきょう)——丐幇の執法長老。厳格公正な人柄で、幇内の者から恐れられている。喬(蕭)峯の信頼が篤い。
  • 全冠清(ぜん きんせい)——丐幇大智分舵の舵主。智謀に長け、「十方秀才」と呼ばれる。喬(蕭)峯追放を策す。
  • 馬夫人(まふじん)——本名は康敏。丐幇の副幇主馬大元の未亡人。
  • 丁春秋(てい しゅんじゅう)——「星宿老怪」と呼ばれ、人々から忌み嫌われている悪人で、無崖子の弟子。他人の内功を盗む「化功大法」の使い手。
  • 耶律洪基(やりつ こうき)——の皇帝。蕭(喬)峯と義兄弟の契りを結ぶ。
  • 完顔阿骨打(あぐだ)——蕭(喬)峯が知り合った女真族の勇士。後のの太祖。

他多数

あらすじ [編集]

滅亡後の分裂していた中国を統一したは、契丹人の建てた北方の遼や党項(タングート)人の建てた西北の西夏によって、常に国境を脅かされていた。

家伝の武術を誇る雲南大理の王子・段誉は、学問を好み、争いを嫌う平和主義者。父親に武術の修行を迫られて家出するも、江湖のいざこざに巻き込まれ、様々な事件や人物と関わっているうち、偶然にも逍遥派の絶技を身につけ、おまけに家伝の「六脈神剣」まで習得してしまう。そんな段誉には更なる波瀾が待ち受けていた。

江湖最大の勢力である丐幇、その幇主喬(蕭)峯は、沈毅にして豪放磊落、多くの人々に慕われている、まさに武林の寵児であった。だが、実は契丹人であったという自らも知らされなかった出生の秘密が突如明かされたことで全てを失い、民族間の憎悪の渦中に投げ出され地獄の道程を歩み出すことになる。

少林寺の菜園に捨てられていた孤児であった虚竹は、僧侶となって仏教に深く帰依していた。ある時、使いに出されて初めて寺の外に出るが、様々な奇禍に巻き込まれて逍遥派の掌門に指名されてしまい、更にある少女を救ったことから、僧侶として歩むはずだった人生が大きく狂い始める。

宋朝より遡ること数百年前に滅んだ大燕国の末裔たる慕容復は、文武両道の貴公子で武林では喬(蕭)峯と並び称されるほどの使い手であったが、父親と共に、王朝再興という一族代々の悲願に凝り固まっていた。

偶然の出会いから意気投合した段誉、蕭(喬)峯、虚竹の3人は義兄弟の契りを交わし、共に手を携えて江湖の荒波に立ち向かっていく。一方で、王朝復興に執着する慕容復は、仁義に背いて恋人も友も捨て、悪事を積み重ねてまで見果てぬ夢を追い続ける。そんな彼らを操っていたのは、親の世代から受け継がれた思いも寄らぬ宿業だった。

民族関係 [編集]

金庸武侠小説の多くは、歴史の転換期が舞台に設定されている。そのこと自体は武侠小説において珍しいことではないが、金庸の作品は、中国だけではなく、周辺の国家や民族との関わりが描かれることが多い点において、特徴的である。中でも天龍八部は、最も複雑な民族関係が描かれている。

天龍八部の舞台は11世紀末、宋代の中国大陸。五代の混乱を収めて中原を統一した漢人に対して、北方に契丹人、北西に党項(タングート)人の西夏が鼎立するなど、様々な国家と民族が入り乱れていた時代である。

物語に登場する4人の主人公も、それぞれ複雑な国家・民族関係を抱えている。

最初に登場する主人公段誉は、宋の南西に位置した小国大理の王子で、その母は少数民族族擺夷族の出身という設定になっている。また大理の段氏自体が、史実では、擺夷族系白族である。

段誉は吐蕃の護国法王である鳩摩智にさらわれ、江南の慕容家へ連れて行かれるが、この慕容氏は、数百年前に存在した鮮卑族燕朝の末裔という設定である。古の王朝復興が一族の悲願であり、主人公の1人である慕容復は密かに宋朝の転覆を企てている。

慕容家を離れた段誉は立ち寄った酒楼で、偶然にも丐幇の 幇主喬峯に出会い、義兄弟の契りを結ぶ。物語中盤の主人公であるこの喬峯こそは、天龍八部の民族問題を象徴する人物である。喬峯は武勇に優れ、人望もあ り、中原最大の勢力である丐幇を率いて中原への侵入を図る周辺異民族との戦いに身を投じ、とりわけ北方の契丹人を民族の宿敵として死闘を繰り広げてきた。 だがある日、実は契丹人であるという本人さえ知らぬ出生の秘密を暴露されたことで、今まで仲間だった者から裏切り者扱いをされたばかりか、今まで己が信じ てきた価値観が全て崩壊するという事態に直面する。契丹人である喬峯がなぜ漢人として育てられたのか? その原因は30年前に雁門関で起こったある悲劇にあったのだが、その事件の真相が物語全体の鍵ともなっている。

壮絶な民族差別に遭って宋を追われた喬峯は本来の契丹人の姓を名乗って蕭峯と名を変え、同胞である契丹人の国遼に逃れるが、終始民族問題に悩まされる。その過程で、当時は契丹人の支配下にあって、後にを建国することになる女真族の人々と出会うのだが、その素朴な生活に接し、交流を深めることで、民族問題を客観的に捉えることができるようになるのである。金庸の作品では、伝統的な中華思想は否定され、諸国家・民族が客観的かつ平等に描かれるのが、特徴であるが、それが最もよく表れているのが、天龍八部の蕭峯にまつわる逸話である。中国という存在を相対化し、その歴史を批判的に見ようとする視点が、作品の構造そのものの中に備わっているのである。

少林寺の僧で、最後の主人公である虚竹も、後に西夏の公主と結ばれる。

こうして宋を内部から転覆させ、王朝復興の悲願を遂げようと企む慕容一族、南下して宋侵攻の機を窺う契丹人の遼、その背後で密かに実力を養う女真 族、祖国と民族防衛の使命感に燃える中原の少林寺や丐幇など武林の英雄たち、西北から虎視眈々と漁夫の利を狙う西夏、更にその間に暗躍する吐蕃、そして南 西に逼塞して自己保全を図る大理、という錯綜した国家・民族関係を背景に、驚天動地の物語が繰り広げられる。

仏教との関連性 [編集]

天龍八部の題は、仏教において、仏法を守護する神々である天龍八部衆(天、 龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩喉羅迦)に由来している。金庸は、小説冒頭の解題で、これら各々が奇異な個性と神通力を持ち、人ならざる存 在でありながら、人と同じく俗世の喜怒哀楽を味わう神々について、物語の中ではそれ自体は登場しないものの、その名を借りて、現世の人々を象徴してみた、 としている。

実際の物語においても、その背景に横たわっているは、武術、民族は言うに及ばず、男女間の情愛でさえも、時と共に全て消滅てしまうという一種の諦 念、無常感であり、これが仏教の思想であることは明らかである。金庸は仏教の哲理にも深い理解があることで知られ、仏教の術語を小説の題としたのもその表 れとされている。

武功と絶技 [編集]

金庸作品の中でも最も武功の数が多い。射雕英雄伝の「降龍十八掌」や「一陽指」、笑傲江湖の「吸星大法」など他作品との繋がりもある。

  • 「六脈神剣」――大理の武功の中で最も強力とされる伝説の技。指先から無形の剣気を撃ち出して相手を倒す。段誉のような完璧な習得者が現れたのは、実に百年ぶりのことだった。
  • 「一陽指」――大理段家の得意技。射雕英雄伝の「南帝」こと一灯大師が使うものと同じである。大理王家の男子は皆習得を課せられる為、段延慶もこの技を使う。
  • 「七十二絶技」――少林寺の持つ七十二の必殺技の総称。少林寺の創始者とされる達磨大師を除き、全てを会得した者はいない。
  • 「降龍十八掌」――丐幇幇主に受け継がれる武功。射雕英雄伝に登場した技と同じである。
  • 「打狗棒術」――丐幇幇主に受け継がれる棒術。同上。
  • 「凌波微歩」――仙女の像で発見した奥義書で、段誉が会得した最上の軽功。彼が最初に身につけた武功である。
  • 「北冥神功」――同じく仙女の像で発見した奥義書で段誉が会得。相手の内力を吸い取ってしまう。これにより段誉は世にまれな内功の持ち主となる。
  • 「化功大法」――「北冥神功」と効果は同じ。丁春秋が使うが、邪道の技として武林で恐れられている。
  • 「生死符」――無影無音無色無香の暗器。当てられると死よりも恐ろしい苦痛を味わう。三十六洞七十二島はこれを受けて解く術が無いため、天山童姥に支配されていた。後に逍遥派を継いだ虚竹が習得する。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


書誌情報 [編集]

2002年3月から2002年10月にかけて、徳間書店の金庸武侠小説集の第12回刊行作品として、全8巻が出版された。

単行本
  1. 剣仙伝説 2002年3月31日刊行 ISBN 4-19-861492-X
  2. 王子受難 2002年4月30日刊行 ISBN 4-19-861503-9
  3. 運命の激流 2002年5月31日刊行 ISBN 4-19-861516-0
  4. 行路茫々 2002年6月30日刊行 ISBN 4-19-861530-6
  5. 草原の王国 2002年7月31日刊行 ISBN 4-19-861542-X
  6. 天山奇遇 2002年8月31日刊行 ISBN 4-19-861561-6
  7. 激闘少林寺 2002年9月30日刊行 ISBN 4-19-861575-6
  8. 雁門悲歌 2002年10月31日刊行 ISBN 4-19-861588-8

映像化作品 [編集]

映画
テレビドラマ
  • 『天龍八部之六脈神剣』 1982年 TVB 香港
  • 『天龍八部之虚竹傅奇』 1982年 TVB 香港
  • 『天龍八部』 1991年 中国電視公司(CTV) 台湾
  • 『天龍八部』 1997年 TVB 香港
  • 天龍八部』 2003年 中央電視台(CCTV) 中国
コミック
ゲーム
  • 『天龍八部』 2007年 捜狐 中国・・・イメージキャラクター:フー・ジュン(胡軍)(テレビドラマ『天龍八部』主人公・喬峯役)。MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)で、最大同時接続者数が50万人を超える大ヒットを記録。ポータルサイト大手「捜狐」の売上げを大幅に上昇させた。 公式サイト(中国語)
  • 『天龍八部online』 遊戯新幹線(GameFlier) 台湾・・・イメージキャラクター:賀軍翔(マイク・ハー)。上記の台湾版。公式サイト(中国語)

 


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